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孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

アメリカ  感染増加の懸念のなか経済再開へ テスラは工場再開を強行 検問所を設置する先住民も

2020-05-13 22:45:58 | アメリカ

(テスラ車を組み立てるフリーモント工場に入っていく従業員ら【5月13日 Bloomberg】)

【経済活動再開に舵を切るトランプ政権】
アメリカのジョンズ・ホプキンス大学の13日午後4時時点の集計によると、世界全体で、新型コロナウイルスの感染が確認された人は426万2799人、亡くなった人は29万1981人となっています。

このうち感染者、死者数ともに最も多いのがアメリカで、感染者数が136万9964人、死者数が8万2387人となっています。

感染の中心地ニューヨークなどではピークを越して減少局面に入っています。

****米・ニューヨーク 仮設病院の撤去作業続く 拡大ピーク越えで治療終了****
新型コロナウイルスの感染拡大のピークを越えたとされるアメリカ・ニューヨークでは、仮設病院での治療が終了し、撤去作業が行われている。

ニューヨーク州では、病院のベッド不足解消のため、3月末にセントラルパークに仮設テントを設置し、これまでに191人が治療を受けたという。

ニューヨークでの入院患者は、減少傾向が続いていることから、5月に入り、新規の患者の受け入れを停止し、撤去に向けて消毒などの作業が行われている。【5月10日 FNN PRIME】
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こうした状況を受けて、また、再選戦略のうえで経済悪化への国民不満を重視するトランプ大統領の意向もあって、6割以上の州で(国のガイドラインに基づく州の判断によって)経済活動が再開されています。

当然ながら、それに伴って感染者の増加傾向がみられる州も出ています。

****米 経済活動再開するも新型コロナの感染拡大の懸念強まる ****
アメリカでは、人口が最も多い西部カリフォルニア州など31の州で、経済活動が再開し始めています。一方で、再開後に新型コロナウイルスの感染者の増加ペースが上がり始めた州もあり、こうした州では感染の拡大への懸念が強まりつつあります。

全米では、1日に新たな感染者がおよそ2万人確認されていますが、感染のピークは越えつつあるとして、8日までに、全米の6割以上にあたる31の州で、一部の業種の経済活動が再開となりました。

このうちカリフォルニア州では、8日から人どうしが十分な距離を取ることや、商品の受け渡しを店の外で行うことなどを条件に、書店や生花店、衣料品店、それにスポーツ用品店などの営業が再開しました。

一方で、経済活動を再開させた州の中でも、中西部のイリノイ州など11の州では、1日に確認される新たな感染者の増加ペースが上がり始めたほか、中西部ウィスコンシン州や南部テネシー州などでは、再開前に比べて1日当たりの死者が増える傾向にあります。

西部ワシントン州のワシントン大学は今月4日、経済活動の再開などで人どうしの接触が増える結果として、ことし8月上旬までに死者数が、およそ13万5000人に上るおそれがあるとする予測を公表していて、一部の州では感染の拡大への懸念が強まりつつあります。【5月9日 NHK】
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トランプ政権の経済再開を急ぐ方針を拙速と批判する声もあります。

****米専門家、性急な経済再開に警鐘=トランプ氏との温度差浮き彫り―新型コロナ****
米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は12日、上院委員会で新型コロナウイルス対策について証言し、感染拡大防止のため規制されている経済活動について、性急に再開すれば「手の付けられない感染拡大の引き金になりかねない」と警鐘を鳴らした。ファウチ氏は感染症対策の権威で、米政権の新型コロナ対策本部の中心メンバー。
 
景気と雇用の急激な悪化を受け、多くの州が経済再開を急いでいることに専門家として強い懸念を示した。また、11月の大統領選をにらみ経済再開に前のめりなトランプ大統領との温度差が、改めて浮き彫りになった。【5月13日 時事】 
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この早期の経済再開で死亡者が更に増加するとの予測も。

****米ワシントン大、国内コロナ死者予測引き上げ 8月までに14.7万人****
米ワシントン大学保健指標評価研究所(IHME)は12日、モデル分析に基づき、8月初旬までの米国での新型コロナウイルス感染による死者数が約14万7000人に達すると予測した。前回予想から約1万人引き上げた。ロックダウン(都市封鎖)措置緩和の影響などを反映した。【5月13日 ロイター】
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経済再開で感染者・死亡者がある程度増加するのはやむを得ないところで、判断すべきは、更に経済活動規制を続けた場合の経済・市民生活への打撃との比較でしょう。

トランプ大統領が経済再開に前のめりになるのは、直接には自身の再選を意識してのことでしょうが、それだけ経済再開を望む声が国民の間でも強いことの結果でもあります。

“米、4月の就業者数2050万人減 失業率も30年代以降最悪の14.7%に”【5月8日 AFP】

失業率が14.7%というのは、日本の状況からは想像もできないような高い水準であり、こうした事態を「生命第一」だけで無視することもできませんし、無視すればコロナによる死者数以上の社会的犠牲者を生み出すことにもなりかねません。

一にも二にも、感染状況と経済状況のバランスの問題で、そこを州当局が冷静に判断して・・・という話になりますが、現実には「トランプ対反トランプ」の政治分断状況に左右されているようにも見えます。

【テスラのマスクCEO 郡当局の反対を押し切り工場再開】
こうした状況で話題になっているのが電気自動車(EV)の米最大手、テスラ。
工場再開を認めないカリフォルニア州の郡を米連邦地裁に提訴し、再開を強行しています。

****テスラ、外出禁止令に反して工場再開 従業員には不安も****
電気自動車(EV)の米最大手、テスラが11日、外出禁止令に反して、カリフォルニア州アラメダ郡フリーモントにある生産工場の操業を再開した。

同社は9日、操業を認めない郡の外出禁止令は米国憲法違反だとして米連邦地裁に提訴したばかりだが、郡の同意や裁判所の判断を待たずに工場再開を強行した。
 
テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は11日、「テスラは今日、アラメダ郡のルールに反して生産を再開する」とツイート。テスラは郡と交渉を続けていたが、合意に達しないまま操業再開に踏み切った。

マスク氏は「自分は他のみなと共に(生産)ラインにいる。だれかを逮捕するなら、私だけにするよう要請する」ともつづった。
 
郡は11日、テスラに対し、工場の再開計画で合意するまでは最低限の操業にとどめるよう要請。同日中にテスラから計画が提出される見込みだと説明した。
 
フリーモント工場には約1万人の従業員がいる。テスラは工場再開にあたって十分な安全対策をしていると説明するが、地元メディアは11日、新型コロナウイルス感染を心配しながらも、解雇をおそれて出社せざるを得ない従業員たちの不安の声を多く伝えた。
 
マスク氏は9日、「我慢の限界だ」として、州内にある本社をテキサス州かネバダ州に移転すると表明。また、フリーモント工場の操業再開を認めないアラメダ郡を、米連邦地裁に提訴していた。【5月13日 朝日】
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“だれかを逮捕するなら、私だけにするよう”云々はいささか芝居がかっていますが、“州内にある本社をテキサス州かネバダ州に移転する”という圧力が本音でしょう。

多数の雇用をたてに迫られたら地方当局は妥協せざるを得ないのではないでしょうか。

トランプ大統領もマスクCEOを支援しています。
トランプ大統領は5月12日、「カリフォルニア州政府はテスラの工場再開を容認すべき」とツイートしています。

【州当局に抗してコロナ検問所を設置する先住民】
一方、感染予防優先で、州当局に対し実力行使している事例も。

****米中西部の先住民がコロナ検問所 州知事の撤去要求拒む****
米中西部サウスダコタ州で、先住民居留地に続く幹線道路に新型コロナウイルス感染拡大を防ぐ目的で先住民が自ら検問所を設けた。

ノーム知事は「違法だ」として先週、48時間以内の撤去を求める書簡を送ったが、先住民側は拒否。知事は法廷闘争も辞さない強硬姿勢を示し、対立が続いている。
 
検問所を設けたのはシャイアン・リバー・スー民族などで、3月末から高速道路などに順次設置。外部からの不要不急の入域を拒み、入域者には健康上の質問に答えることを課した。
 
指導者のフレイジャー氏は、人の出入りや住民との接触を把握することが狙いと説明している。【5月13日 共同】
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いろんな立場からの異論・反論も噴出するアメリカですが、それは基本的には否定すべきものでもないでしょう。
日本のように同調圧力が強く、異論・反論を表明しにくい社会というのもいささか・・・という思いが個人的にはあります。

 

コメント
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