孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

笑える勘違い「ハムスターにマスク?」 笑ってばかりはいれられない「新しい生活様式」 マスクで飲み会

2020-05-18 23:20:01 | 日本

(フェースシールドをつけて飲食する人たち(15日、大分市で)【5月16日 読売】)

【マスクに関するハムスター実験って・・・】
今日一番笑ってしまったのが、下記のニュース。
笑ったのは、記事内容ではなく、自分の勘違いに対してです。

記事の「ハムスター実験」という表題を見て、私はてっきりハムスターにマスクを着けた実験かと勘違いし、そのユーモラスな状況を想像して笑った次第です。

****マスクのコロナ感染抑制効果、ハムスター実験で明らかに 香港大****
香港大学の研究チームは17日、ハムスターを使った実験で、多くの人がマスクを着用すれば新型コロナウイルス感染拡大抑制につながることが示されたと発表した。
 
これは、マスク着用が新型コロナウイルスの感染拡大防止に効果があるのかを調べた、世界でも草分け的な研究の一つだ。
 
香港大学の微生物学者で、コロナウイルスの世界的専門家である袁国勇教授率いる研究チームは、人工的に新型コロナウイルスに感染させた複数のハムスターを入れたケージを、健康なハムスターを入れたケージの隣に置いた。
 
2つのケージの間に医療用マスクを設置し、感染したハムスターから健康なハムスターのケージに向けて空気を流したところ、マスクが感染を60%以上削減できる可能性のあることが明らかになった。
 
マスクが設置されていない場合は、1週間以内に健康なハムスターの3分の2がウイルスに感染したという。
 
一方、感染させたハムスターのケージにマスクを取り付けた場合、感染率は15%をわずかに超える程度にまで下がった。健康なハムスターのケージにマスクを取り付けた場合、感染率はおよそ35%下がった。また、この実験によって感染したハムスター体内のウイルス量は、マスクありの場合の方が少なかった。
 
袁氏は17日、記者団に対し、「特に無症状の場合は──症状がある場合でもそうだが──感染者がマスクを着用すれば効果があるのは明白だ。これが何よりも重要なことだ」と述べた。
 
袁氏は、コロナウイルスの一種である重症急性呼吸器症候群ウイルスを発見した微生物学者の一人。2003年に発生したSARSの流行では香港で約300人が死亡した。当時の経験から、袁氏は新型コロナウイルス流行の早い時期から香港の住民にマスクを着けるよう呼び掛け、多くの人がそれに従った。
 
人口約750万人の香港はおおむね新型コロナウイルスの封じ込めに成功しており、感染者は1000人余り、死者は4人と比較的少数にとどまっている。専門家らは、マスク着用に加え、効率的な検査、感染者の追跡、治療が行われていることが香港で成果を挙げていると指摘している。 【5月18日 AFP】
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マスクにどれだけ効果があるかについては、以前から議論があるのところで、コロナ初期の否定的な見解から、マスク着用が徹底しているアジア各国の被害が少ない現実を見て、最近では欧米でもマスクを重視するようになったのは周知のところ。

ただ、マスク不足の混乱を含めて、これだけ注目されているマスクに関して明確な科学的検証がなされていないのは驚くべきことで、上記のハムスター実験が「草分け的な研究」とのこと。

常識的に考えて、「感染者がマスクを着用すれば効果がある」のはわかりますが、知りたいのは罹患を防ぐ予防効果でしょう。

予防効果に関しては、実際にマスクを着用した場合、(医療用でなければ)両サイドなど、顔とマスクの間に隙間ができることなどを踏まえた検証が必要でしょう。

私自身は、予防効果には懐疑的なこと、何より暑苦しいマスクが大嫌いなこともあって、必要と考えられる場合だけに着用しています。(それもウイルス対策というより、「コロナ自警団」的風潮における人目対策のことが多いですが)

私の暮らす地域(ド田舎)は、県単位でこれまでの感染者が「累計」で10名しかいないことから市中感染は起きていませんので、すれ違う人もほとんどない(密集は皆無な)通りでは「はずして」いることが多いですが、たまに数m離れたところをすれ違う人は、それでも着用している人がほとんどでした。

過去形なのは、緊急事態宣言が解除されたここ二日ほどは、ややマスクなしで歩いている人が増えたように思えるからです。

今後、「ウィズ・コロナ」の「新しい生活様式」を続けていくうえで、マスクの科学的検証が望まれます。

【大真面目な笑える実験 「新しい生活様式」の飲み会は?】
「ウィズ・コロナ」の「新しい生活様式」ということで、大分県が行った「飲み会」の実験をTVで観たときは、その内容に笑ってしまいました。

口に食べ物・飲み物を持っていくとき以外はマスクを着用したままのグループ、フェースシールドを着用して飲食するグループ、「新しい生活様式」として推奨されている横に並んだ形で着席したグループなどに分かれて県職員が「飲み会」を実際にやってみる・・・といったものでした。

****“新しい生活様式”での飲み会とは? 大分 ****
政府が求める新型コロナウイルスの感染予防を意識した「新しい生活様式」を実践しながら、どうやって、飲食店での食事や飲み会をするのか。大分市で、ある試みが行われました。

新型コロナウイルスの感染拡大を長期的に防ぐために政府が求める「新しい生活様式」を実践しながら、飲食店での食事や飲み会の在り方を探ろうと大分県などが15日の夜に開きました。

会場となった大分市中心部の居酒屋には、最大40人が入れる宴会場に20人ほどの県職員などが集まりました。

参加者たちはテーブルごとに、マスクの着用を徹底するグループや、対面を避けるグループなどに分かれました。

飲み会の恒例ともいえる冒頭の乾杯では、お互いのグラスを接触させないようにしていました。

フェイスシールドをつけたグループでは、シールドと顔の間から食事を口に運んだりお酒を飲んだりしていて、ふだんとは違う形の飲み会を楽しんでいる様子でした。

参加した男性は「テーブルの端と端どうしでの会話が難しいが、飛まつの心配も少なく安心して楽しめた。感染対策を徹底しながら飲み会をしたい」と話していました。

県では催しの様子をホームページに掲載し、県民に参考にしてもらいたいということです。【5月16日 NHK】
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中国でも話題になったようです。

****日本の「新しい生活様式」での飲み会、中国でも話題に****
新型コロナウイルスの感染予防を意識した「新しい生活様式」を実践した日本の飲み会が中国でも注目されている。 

NHKによると、緊急事態宣言が解除された大分県は15日、国の専門家会議が提言した「新しい生活様式」の内容に沿った飲み会を実践する試みを行った。

冒頭の乾杯ではお互いのグラスを接触させないように注意。県職員らは、クリアファイルで手作りしたフェースシールドを着用して飲食したり、会話や食事の際はハンカチを持ち口に当てたり外したりするなどして、普段とは違う形の飲み会を楽しんだという。 

中国メディアの毎日経済新聞などが17日、中国版ツイッター・微博(ウェイボー)への投稿で、この様子を動画で紹介すると、中国のネットユーザーからは、「そこまでするか」「不便だけど、高い安全意識を醸成する取り組みだと思う」「日本の飲み会文化の根深さを物語っている」「変態ではないかと思えるほど真剣」「中国国内でこれをやったら笑われるだろう。でも日本だとなぜか自然に感じられてしまう」「疲れない?」などのコメントが寄せられていた。【5月18日 レコードチャイナ】
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「中国国内でこれをやったら笑われるだろう」・・・・いや、日本でも・・・
TVで実験の様子を見て、「これは冗談だろうか?」と思いましたので。

「変態ではないかと思えるほど真剣」・・・・ほんとに・・・
でも、TV画像で見ると、(しばらく時間が経過したあたりでしょうか)なんだか実験そっちのけで、適当に飲み食いしているような雰囲気・印象も。あくまでも「印象」ですので、最後まできちんと実験されたということなら「申し訳ありません」

それにしても、食べ物を口に運んだあとすぐにマスクする様子、飲み食いするときフェースシールドが邪魔そうな様子、最後の晩餐のように横に並んだ様子・・・いずれも笑えます。でも、笑っている場合ではありません。大分県も真剣です。(なお、マスクしながら・・・というのは、飲み食いのとき「あごマスク」にするのはアウトです。マスクが汚染されます)

【ソーシャルディスタンスが意味するものは?】
「新しい生活様式」に関するもう一つの実験

****ガラガラだけど「これで満席」 ある劇場の“問題提起”に反響****
「ソーシャルディスタンス(社会的距離)をシミュレート。これでコンサートは成立するのだろうか」−。

ガラガラの劇場の写真とともに会員制交流サイト(SNS)に投稿された宜野座村文化センターがらまんホールの問い掛けが反響を呼んでいる。本来の座席数の15%で「満席」となったホール。「ちょっと笑えない未来」などのコメントが寄せられた。
 
管理責任者の小越友也さんは「劇場や映画館など、『3密』が当たり前だった施設は今後どうあるべきなのか、社会全体に問題提起したかった」と説明する。
 
ホールは4月7日から新型コロナウイルス感染拡大防止のため休業中。予定していた舞台なども全て中止になった。
 
小越さんは今だからできる劇場ならではの情報発信の方法はないかと考え、「ちまたでよく言われる『ソーシャルディスタンス』を再現することで劇場の現状や課題を視覚的に訴えられるのではないか」と思い付いた。
 
398席あるホールで、小越さんのほか、スタッフの佐久間恵美さんと村職員の3人で前後約2メートルの間隔を空け、席を変えながら繰り返し撮影。社会的距離を保つと60席が限界だった。合計20枚の写真を合成してできた1枚は、SNSに投稿すると拡散されて反響を呼んだ。17日までにツイッター上のリツイート(転載)は2万5千件を超えた。
 
コメント欄には「思わず笑ってしまったが、ちょっと笑えない未来」「自由な発想で問題提起していて面白い」など、さまざまな意見が寄せられた。
 
佐久間さんは「こんなに多くの人の目に留まるとは思わなかった」と驚いた様子。小越さんは「今後も劇場からしかできない発信方法や芸術の伝え方を模索していきたい」と話した。【5月18日 沖縄タイムス】
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ひとつはっきりしているのは、ソーシャルディスタンスをとって収容人員を減らす以上、チケット料金はこれまでより数倍にしないとやっていけない・・・ということでしょう。

つまり演劇・コンサート・スポーツの現場での観戦は貧乏人には手が届かない富裕層の楽しみになるということ。
貧乏人はオンライン配信で。

【「ウィズ・コロナ」では一定の感染者・死亡者は不可避であることを政府・国民も容認すべき】
「飲み会」にしても「コンサート」にしても、「新しい生活様式」を実践するうえで、重要なことが欠けているように思われます。

それは「ウィズ・コロナ」の理念です。

「ウィズ・コロナ」ということは、感染を皆無にすることはできない、つまり「ある程度」の感染者・死亡者が出るのはやむを得ないことですが、しかし、それは現在でも多くの病気で大勢が罹患し、死亡していることと変わらない現象であると国民が「容認」することでしょう。

常に言われるように、通常のインフルエンザでも毎年千人、二千人の方が死亡しています。
それ以外にもたくさんの病気で大勢がなくなります。

世の中には病気以外にもたくさんの災害・事故など厄介ごとがあります。
交通事故で毎年何千人が死亡しますが、それでも皆車に乗っています。

新型コロナも、不幸にして、そういう厄介ごとがひとつ増えたということで、それ以上でも、以下でもないと認め、感染者が発生したからといって大騒ぎしないことが重要でしょう。

政府はそのことを国民に明言し、理解を求めるべきです。

大規模な感染状況調査を行えば、無症状者を含めた致死率はさほど高くないことが明らかになり、上記のような考えも受け入れやすくなるでしょう。
今後、治療薬・ワクチンが開発されれば、抵抗感は更に軽減するでしょう。

そうした考えのもとで「新しい生活様式」を考えるべきで、そうでなければ上記の「飲み会」のような「笑える話」になってしまいます。

コメント
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