孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

景気低迷、議員の不祥事、選挙敗北、党首辞任要求・・・日本ではなくイギリスの話

2009-07-06 21:06:56 | 世相

(欧州議会選挙の歴史的大敗を受けての党大会をなんとか乗り切った“ニュー・ブラウン”
人の話をもっとよく聞けるように耳垢を掃除して、目のはれぼったさを目立たなくするためキュウリを目に乗せて眠り、もっと愛想よく笑顔をつくるように努め・・・ “flickr” By Bearman2007
http://www.flickr.com/photos/bearmancartoons/3612754982/)

【1年間の休暇】
日本同様、景気低迷が続くイギリス。
企業もコスト削減のためいろんな方策を講じているようですが、これなんかいいかも・・・。

****英BT、社員に1年の休暇 給与は75%カット*****
英通信大手BTグループは4日、経費削減対策として、社員の給与を75%カットする代償として1年間の休暇を認めると発表した。
このほか、パートタイムへの切り替えに応じた社員には1000ポンド(約16万円)を支給する。また、子どもを持つ社員には、学校の休暇期間中、給与を削減する代わりに会社を休むことを許可する。
こうした措置についてBT広報は、英国で大量の雇用を抱える企業として景気低迷を乗り切る先進的な経費削減対策だと述べた。
経済低迷が続く英国では、航空最大手ブリティッシュ・エアウェイズも前月末、従業員に無給労働に応じるよう要請している。【7月5日 AFP】
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大幅カットとは言え、4分の1はもらえて、まるまる1年間自由に使える。
私なら海外旅行に出ます。先ずは中国・西安からシルクロードの旅・・・と思ったのですが、今日のニュースでは新疆・ウルムチは大荒れの様子。
その話はともかく、まあ、行き先は他にもいろいろあります。
安宿に泊まって、ローカルバスなどで移動すればそんなお金もかかりません。
しかも、片道切符ではなく1年後に帰る場所もあるというのは、精神的にも楽です。
扶養者があると、そうも言っていられないでしょうが。

【回復は時期尚早】
ところで、そのイギリスの経済状況については、下げ止まりの兆しはあるものの、“回復”とはまだ言えない・・・というところのようです。
日本と似たり寄ったりというところでしょうか。

****英景気悪化は一服も、回復と判断するのは時期尚早─中銀総裁=現地紙
イングランド銀行(英中央銀行)のキング総裁は、英経済の悪化ペースの一服を示す兆候が最近の指標に見られるが、そこから景気が回復しているという結論を導き出すことは時期尚早だ、との見解を示した。
地方紙サザン・デーリー・エコーとのインタビューで語った。
同紙電子版に19日掲載された記事によると、総裁は「現在、景気見通しが悪化するペースが横ばいになり始めた兆しが一部で見られるが、ここから強気の結論を導き出すべきではない」と述べた。
また総裁は、英経済がリセッション(景気後退)入りするなか、信頼感が著しく低下したことを指摘し、「信頼感の早急な回復は不可能だ。このため、経済の回復にはリセッション入りにかかった期間よりもかなり長い時間が必要だろう」と述べた。
その上で「景気が急速に上向くと見込むことが妥当だとは思わない」と付け加えた。
総裁の発言は、17日の演説で示された経済に対する慎重な見方を踏襲するものだった。【6月19日 ロイター】
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【歴史的大敗に辞任要求】
そうした厳しい経済情勢と相次ぐ議員の経費乱用問題で、ブラウン首相・与党労働党の支持率は低迷を続け、ブラウン降ろしの動きもあって、これまた日本の麻生政権の状況と似たり寄ったりです。

先月4日投票が行われた欧州議会選挙では、 開票率約90%の段階の数字で、労働党の得票率は戦後最悪とされる15.3%。最大野党・保守党(得票率28.6%)はおろか、小政党の英独立党(同17.4%)にも抜かれて第3位に終わっています。【6月8日 時事】

この歴史的な大敗に、党内から党首交代を求める声が強まりましたが、ブラウン首相は労働党所属の国会議員約350人を前に「私には進歩が必要だ」と非を認めて謝罪する一方で、続投への理解を求めました。
結果、大部分の議員の支持を取りつけ、何とか当面の危機を乗り切ったそうです。
首相は議員らを前に「私には強さも弱さもある。党の人材を有効に使い、逃げ出すのではなく、面と向かって問題に取り組みたい」と述べたそうです。【6月9日 朝日】

しかし、その後も支持率は低迷、党内からも辞任を求める声が強まっていますが、首相は先月21日、改めて総選挙前に辞任する考えはないと明らかにしています。
ブラウン首相は、辞任する意思がないのは権力にしがみつきたいためではなく、英国民をリセッション(景気後退)から救い出したいためだと主張しています。また、「私は労働党を次の総選挙に導くつもりだ。われわれは勝たなければならないし、勝つだろう」とも。【6月22日 ロイター】

【野党の地滑り的勝利か?】
その総選挙ですが、世論調査によると、やはりブラウン首相・労働党には厳しく、野党保守党が地滑り的勝利を収める可能性が高いことが明らかにされています。

****英国の次回総選挙、野党保守党が地滑り的勝利の情勢=世論調査****
英ピープル紙に掲載されたユーゴブの世論調査によると、1年以内に実施される総選挙で、野党保守党が地滑り的勝利を収める可能性が高いことが明らかになった。
調査では、保守党の支持率が同じ週に行われたユーゴブ調査を2%ポイント上回る40%となる一方、与党労働党の支持率は、同1%ポイント下回る24%だった。
中道左派の自由民主党支持率も1%低下して17%となった。
ピープル紙は、次回総選挙で保守党が獲得する議席は378、労働党は199、自由民主党は42議席になると予測。保守党は労働党と自由民主党を合わせた議席よりも137議席上回り、過半数を大幅に超えるとの見方を示した。
労働党は議員の不正支出疑惑で大きな打撃を受けているほか、ブラウン首相に辞任を求める声が党内からも強まっている。【6月29日 ロイター】
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麻生総理はG8の会合に出かけましたが、ブラウン首相と今後の対応などよく相談されるのがいいかと思われます。

コメント
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