世の中、まちがってる、根拠なき反日キャンペーン。

相も変わらず根拠なき反日キャンペーンで、国をまとめようとする輩が存在する。

日韓併合100年(128)

2011-08-10 11:23:05 | Weblog

散々意見交換した挙句ウィッテは次のように締めくくった。

「軍費の払い戻しのない講和案は、日本としては承諾できないということか。」

小村委員は「そうだ」と答える。

ウィッテは「(罠に)掛かった」と思ったであろう。「本員は、サガレン全島を放棄して軍費の問題をなくすことを提案したが、日本政府は受諾しなかった、と結論する。

そして8/23午後3時30分第8回講和会議は終了した。日本は事実上追い詰められたことになる。

ウィッテもローゼンも意気揚々とホテルへ引上げたことであろう。

同じ日、ロシア・ペテルスブルグでは駐露米国大使G・マイヤーが皇帝ニコライ2世に謁見していた。大統領ルーズベルトの親電(日本の賠償金放棄を説得しているから)を伝達して、ロシアに対日譲歩を勧告していた。

その場には皇帝一族も同席していた。全員が講和に反対であった。しかしマイヤーはロシアの軍事情勢と内政上の諸問題を指摘して、説得を続けた。これが効を奏してロシア側は折れた。「ロシアは金を払い、サガレンの還付を希望する。しかし金額の低減を希望する。」と言うものであった。しかしこの情報は完全には正確ではなかったが、日本を始め他国の知る由もなかった。しかし実際にはロシアの外債も内債も、募集成績は最低であった。継戦の財源も無く、ましてや賠償金を支払う金もなかった。そのためサガレンの譲渡は止むを得ないと決断したものであろう。

しかしウィッテは、「日本は、ロシアがサガレンは渡すからと言っても半分を買え、と言って承知しない。日本の戦争目的は、金銭そのものである。だから平和は訪れない。」とまくし立てた。記者たちは「賞金が平和の亀裂になっている」と報道した。

ロシアがそれほど平和を希求すのであれば、金を払えば平和になるのである。しかし「日本の目的は金だ」と言って日本を非難させた。これが外交と言うものである。日本も「わずかな金で平和となろう。ロシアは自国の都合で、平和を望まないから金は支払わない。」と反駁しておけばよかったのである。

8/24、情報を与えられていない日本の新聞は、日本の指導者達の苦悩を知らない。既に継戦能力は枯渇している。一刻も早い講和を切望しているが、国民は早くロシアを屈服させよと騒いでいる。その頃米国では、駐露大使マイヤーの電報が届いていた。内容には紆余曲折があるが、端的に言うと「ロシアは、償金は払わない代わりに樺太南部を日本に渡す」と言うものであった。大統領は、この相殺案に納得した。しかし金子にも記者団にも公表しなかった。日本としては樺太全土を占領しているのである。報酬金が無ければ半分でなく全部を渡してもらわなければ、割に合わない筈だ。

(続く)
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