AND SO ON

世界の片隅から、愛をささやいてみたり @goo

『ナイルに死す』(ネタバレあり)

2014年06月15日 | ベーカー街界隈

    過去に背を向けなさい
    将来だけに目を向けるのです
    いいですか、時がすべてをいやすのです

            『ナイル殺人事件』より ポワロ


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                    Photo from JUST


というわけで、『名探偵ポワロ』第34巻は「ナイルに死す」。
私、この作品を子どもの頃に、原作を読む前に映画で観て、
そのトリックに度肝を抜かれたんですよね、懐かしい。
サイモン・ドイルの名を、こんなにくっきりはっきり覚えていたとは、
我ながらびっくりしました。


ドラマ版の「ナイルに死す」も、とてもよかったと思います。
TVとは思えないほどロケ(もしくはセット)にも手をかけているし、
風景がとにかく美しい。船もエキゾチックでステキ。
最初に引用したポワロさんのセリフもちゃんとありました(訳は違いましたが)。
この直後の「愛がすべてなの。わかるでしょ」という問いかけに
「欠けておりました。それが、私の人生には」と返すポワロさんに
ちょっとドキッとしたり(私にも欠けております…)


ドラマの開巻、貧しいながらも愛し合っている二人の会話が
どちらの意味にもとれる、というのもいいですよね。
終幕、またこの二人の場面に戻るのですが、
この二人はこの時が一番幸福だったに違いない、と思えて、
不覚にも涙ぐんでしまいました(最近、涙腺が弱いなあ)。


そんなわけで、映画の方の『ナイル殺人事件』も借りてきてしまったのですが、
こちらはこちらで面白かった!
ドラマ版よりも一層「乗客全員が容疑者」という状況が際立っていて、
しかも、ポワロさんの推理をいちいち映像でやってみせてくれるので
どれも本当っぽくて、そりゃ子どもが観たら翻弄されるよな、と。
ピーター・ユスチノフのポワロは、外見がまったくポワロらしくないのですが、
しかしちゃんとポワロに見えてくる、というすばらしさ。名優ですね。
オールスター映画なのですが、オリビア・ハッセーがとにかく可憐。
(うちの叔父は、エジプトでこの映画のロケに遭遇して、
 オリビア・ハッセーと写真を撮っています。いいなあ)


あと、マギー・スミスも出演していたのですが、さすがに若い! 
衣装も一人徹底して宝塚の男役みたいなスタイルで、かっこよかった。
ベティ・デイヴィス演じる貴婦人の看護師兼付き添いの役でしたが
お互いに結構なことをげしげし言い合っていて、笑えました。
いまやマギー・スミスが『ダウントン・アビー』の伯爵夫人ですものね。
時の流れを感じてしまいます。


時の流れと言えば、子どもの時には度肝を抜かれたこのトリックも、
大人になって見るといろいろとアラも見えたりするのでした(^^;
例えば、かなりの強運に恵まれていないと成立しない!という辺りですね。
でも一方で、ファーガソンくんの恋の顛末は、ドラマ版の方が好きかも、
というのも、大人になったからこその愉しみ方なのかもしれません。
 



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久々に青空

2014年06月15日 | 日記・エッセイ・コラム
After_rain

          Photo by NOION


1週間降り続いた雨も、金曜の夜にようやく上がりまして、
土曜日からは久々の青空と太陽を見ることができました。
まずはめでたい。
相変わらず風と波は荒く、海鳴りがとどろいていますが、
運動会日和で何よりです。
(釧路市の多くの小学校は、今日が運動会です)


雨と晴れが交互に来るくらいがちょうどいいと思うのですが、
自然はそんなに都合よく動いてはくれませんものね。
とりあえず洗濯をせっせとして、
洋服ダンスの衣服を冬物から夏物に替えて、
あちこち掃除して午前中が終わりました。
これから繕い物をしないと。
 





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『名探偵ポワロ』第33巻

2014年06月13日 | ベーカー街界隈
嵐は、それほど大事にならずに過ぎ去ったようです。
朝は結構な大雨でしたが、昼には落ち着きました。よかった。
他の地方の皆様も被害なくすみましたでしょうか?


さて、ところで『名探偵ポワロ』第33巻は「杉の棺」。


前巻の「五匹の子豚」から、オープニングもテーマ曲もなくなり、
雰囲気がずいぶん変わりました。
いえ、ポワロさんはいつもどおりなのですが、
文芸作品の香りと言いますか、ミステリなのかメロドラマなのか、
という感じになりました。舞台もロンドンではありませんしね。
制作スタッフが変わったのかな、と思いましたが、
考えてみればクリスティーの原作自体が後期はそんな感じだったし、
ドラマは、むしろ原作の雰囲気を尊重しているのかもしれません。
だんだん、たぶん原作を読んだんだと思うけどまったく覚えてないな、
と思う作品が増えてきたし。


そして、「杉の棺」ですが、これも冒頭からメロドラマっぽくて。
これも原作を読んだかどうか定かではありません(たぶん読んでいるけど)。
あらあ、これは外れだったかなあ、だんだんポワロさんも
つまらなくなってきたなあ、と思ったのですが、
舞台となるお屋敷がとても素晴らしかったので、とりあえずそのまま拝見。


そしたらこれが、途中からどんどん印象が変わっていきまして、
最終的にすごく面白かったんです! お見それしました(笑)
クライマックスではポワロさんが一芝居打つんですけど、
それがあんまり素晴らしかったので、原語版でもリピートv
スーシェさんは、声も口調も柔らかくて耳に快いんですね。
そして、前回も書きましたが、熊倉さんとそっくりv


それにしても、ポワロさんの「イギリス人の味覚」についての評価が、
かなり手厳しくて笑ってしまいました。
確かに、サーモンのペーストって何よ(笑)


【追記】 NHKのシャーロック・ホームズ三昧のサイトのトップが
     またグラナダ版に戻りました! >>> ほらほら!
     しかも今度はワトソン博士がいっしょだー! わーいv
     (ハイビジョンは、映像がクリアで美しいですね!)
     (しかしこれは何話の何の場面だ?)
 


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嵐の前なのでしょうか

2014年06月12日 | 日記・エッセイ・コラム



1週間「雨」の予報と下で書いておりましたが、
本当にほとんど毎日雨です。北海道なのに。
たまに来る「蝦夷梅雨」というヤツですね。


しかも、明日は台風崩れが近づいてくるらしく、
雨も風も強まるという予報です。
NHKの画面でもたびたび「大雨情報」を流しています。
さっきなんて、その「大雨情報」と
『LIFE』の天気予報コントが同時に始まったものだから、
フツウに天気予報なんだと思っちゃいましたよ(^^;


昨年の大雨の時は、裏の沼が溢れて、
職場の庭先でコイが跳ねていたりしたんですよね。
そんなことにならなければよいのですが。
 







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雨の1週間(予報)

2014年06月08日 | 日記・エッセイ・コラム
0713

          Photo by NOION



先週は、肌寒いながらもずっと「晴れ」で、
そのおかげで、「春だ」と思っていた風景が一気に「初夏」になりました。


そして、今日からは1週間「雨」の予報です。
梅雨と言うほどではないのでしょうが、
ずっとしとしと・じりじりしています(つまり霧雨です)。


雨に当たるたびに、木々の緑が濃くなっていくような気がします。
 




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『名探偵ポワロ』第31巻

2014年06月07日 | ベーカー街界隈
今日でNHKBSでの『SHERLOCK3』も最終回ですね。
NHKPRさんも、

  「SHERLOCK(シャーロック)3」は、明日いよいよ最終回「最後の誓い」。
  BSプレミアムで7(土)21:00から。
  (゜ー゜*)。oO(シーズン1も2もラストでうぎゃあああだったので、
  明日もうぎゃあああなのか楽しみで恐いのです…)

などとつぶやいてらっしゃいます。
やっぱ、今までの最終回はみんな「うぎゃあああ」だったのか(笑)


そんな中、まったくBSが観られないわたくしは、何とかネタバレを回避しつつ、
しかし見比べ企画の『シャーロック・ホームズの冒険』の感想は拝読しつつ、
『名探偵ポワロ』を熱心に観ていたのでした。


第28巻(だったかな?)の「アクロイド殺害事件」から、
オープニングが簡素になったり、
ヘイスティングズの声が明らかに富山敬さんではなくなったり(涙)
そして、ヘイスティングズが老眼鏡をかけるようになったりして、
長期シリーズ特有の「時の流れ」を感じます。
その割りにはポワロさんがあまり変わっていないのがすごいな。


そして今回観た第31巻は、「白昼の悪魔」。
私にとっては、ポワロさんの名セリフで印象的だった作品です。
映画化もされていますが、映画のタイトル『地中海殺人事件』より
原作のタイトル『白昼の悪魔』の方が好きですね。


ドラマ化に当たって、原作では登場しないヘイスティングズや
ジャップ警部やミス・レモンにも活躍の場があって、
なんか「正しいドラマ化」のお手本みたいに感じました。
お話自体も、やっぱり映像化に合う面白さでよかったと思います。


そして今回、またしても熊倉さんのすごさを再確認。
ちょっと字幕を確認したくなって、原語の方を再生したのですが、
スーシェさんの話し方が熊倉さんそっくり!
(もちろん、ホントは逆なんですけど)
独特の熊倉節なのだと思っていたのですが、
こんなに再現率が高かったなんて、本当に感心しました。


もはやポワロさんって、このお二人しか考えられませんね(^^;
 


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『チェーン・ポイズン』(ネタバレあり)

2014年06月05日 | 本と雑誌

    記者「連続自殺なんて!ありえませんよね」
    警部「でも、起こったんですから」

          『SHERLOCK』「ピンク色の研究」より
 




*****
 




『チェーン・ポイズン』 本田孝好著/講談社文庫


【ご注意!】
 上記のリンク先はAmazonですが、
 カスタマーレビューで若干ネタバレしています。


Zakka96

                Photo by Pari's Wind


同じ頃、同じ毒薬で、3人の人間が自殺した。
週刊誌記者の「俺」は、3つの死につながりを感じ、
最後に死んだ元OLの人生をたどり始める……というお話。


「真夜中に読んでいて、途中でおおっ!と声が出た」
と、弟に勧められて読んだ本です。
この方の作品は初めて拝読しましたが、
ミステリのような文学作品のような、不思議な感触の本でした。
描写は淡々としていて端正で的確。それでいて、
記者の「俺」も、元OLの「私」も、不思議なリアリティがあり、
特に「私」が自殺を決意する下りは、なんかすごくわかる気がしました。
あの心境って、割と普遍的なものなのかしら?


そしてですね、私も「おおっ!」とびっくりしたかといえば、
すみません、しなかったんですよ(^^;


私には珍しいのですが、「やっぱり!」と思ったんです。


途中で、登場人物達の印象にずれが生じ始めて、
いや、ちょっと待てよ、と何カ所か読み返したからなんだと思うんですが、
もしかして、と気づいてしまいました。


でも、だからってつまらなかったかといえばそんなこともなく、
それというのもこの作品が、テクニカルポイントだけで
構成されているわけではなかったからだと思うのです。
そういう点は、荻原浩さんの「コール」にちょっと似ているかもしれません。
感じられるのは「生と死」であり、「希望と絶望」であり、
人は、自分のためではなく、守りたい者のためなら、
世界とだって戦えるのだ、ということなのでした。


あ、あとですね、弟が「真夜中に読んでいた」と言ったのもわかった。
読み出したら引き込まれて、やめられないんですよ。
特に後半は、先が気になって、ほぼ一気読みでした。
というわけで、私も読了は真夜中で、今朝はちょっと寝不足でした(^^;


いま割と精神的に安定していて、人生を愉しんでいる人にお勧めですv
(不安定で孤独が深い人は、ちょっと引きずられるかもしれませんが)
 


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霧晴れて

2014年06月03日 | 日記・エッセイ・コラム
「霧晴れて 幸呼ぶ港」とは
かつての釧路市歌の出だしですが。
(再編成後は歌われなくなりました)


霧が晴れたら、そこそこ暖かくなりましたv


201406031012000


ですが、道内は「そこそこ」どころではなく、
1日の寒暖差が30度を超えたとか、
本日の最高気温トップ10がすべて道内の町だったとか、
いや~、だから北海道の家にはクーラーないんだって!
と思うと、同情してしまいますね。
ついこの間まで「流氷がまだいる」って言っていたような気がするのですが。
 


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