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豊田市の秘密主義を問う②

2024-04-08 | traveling, town walking

2024年2月22日

豊田市情報公開・個人情報保護審査会 様

審査請求人 本多弘司

 

 意見書及び資料の提出について

 令和6年諮問第1号について、以下のとおり提出します。なお、便宜上区画整理支援課・市街地整備課、都市整備課等、公園緑地つくる課のテーマ別に非公開テーマを考慮推察して、意見を3部に分けます。

 

区画整理支援課・市街地整備課の提出議案について意見①

 経営戦略会議での本議案は名鉄の上豊田駅周辺の開発と推察される。

 豊田市は人口が総合計画で予定されていた42万人を切り、予想より早く人口減少期にあり自然減、社会減(特に25~39歳の転出)である。出生数の激減、非正規労働者が定住できず市外へ転出している。

当該地は市街化調整区域であり、人口減少期に予算と期間のかかる区画整理事業で、市街地の拡大をすべきでないと考える。市街化と調整区域を分ける区域区分、いわゆる線引きは愛知県の都市計画区域マスタープランで決定される。それによると、区域区分は「都市的土地利用の無秩序な拡大による社会的費用の増加と環境悪化の防止、計画的な都市基盤施設の整備による良好な市街地の形成、市街地近郊の優良な農地との健全な調和などを図ります。」とある。都市計画法では、市街化区域は整備された市街地と10年以内に整備される区域で、市街化調整区域は市街地を抑制する区域とされている。

現在、豊田市は市街化区域でも駅周辺に住宅や都市施設を集中する立地適正化計画を進めている。それは人口減少期に入り、市街化区域が相対的に過剰となり市街地を縮小する流れにある。なのに当市の計画は調整区域を区画整理事業で市街地で拡大しようとするものであり、県の区域マスタープランや立地適正化計画と矛盾する。財政状況も法人市民税が半分近く国費とされ、景気に左右されることから厳しくなり、ハード事業を縮小しソフトへの予算転換がされるべきである。行政運営の基本に関わる課題を市民に公開し、総合計画、都市計画の情報を開示し議論を進め、市民参加を促すべきである。

参考資料

愛知県都市計画区域マスタープラン(区域区分)

豊田市立地適正化計画(コンパクト、新市街地拡大)

豊田市8次総合計画後期(人口見通し)

豊田市の人口ビジョンR3

豊田市「令和3年度公共施設等最適化検討業務委託」

 

都市整備課等の提出議案について意見②

 この議題は、これまでの都心開発を踏まえ、今後の都心再整備を議論されたと推察される。

豊田市駅を中心に都心は、「豊田市の顔」として1~5次の再開発事業など30年1000億円以上、さらに「選択と集中」(予算編成方針、普通建設事業費300億円以上)で投資してきた。しかし、市民の声は「中心市街地ににぎわいや魅力」(市民意識調査2023)を感じない人が59.8%と、行政運営が市民意識と乖離している。これまでの検証と今後の計画を、人口減少の時期に財政的にも見直す必要がある。

昨今、市はイベントを軸に都心開発を促進してきた。ラグビーでは約73億円の経済波及効果があった、としているが百貨店の撤退、都心の店舗売上、賑わいなど効果は目に見えない。また、市の評価は都心の人口増、通行人の増加を議会で答弁しているが、一面的である。歩行者天国と東口駅前広場、バスターミナル西口集約など進めようとしている。市駅利用者のバス利用者の実証実験を行ったが、計画では東口の駅手前で下車し西口ターミナルに回るので、東口利用者の利便性が落ちる。歩行者天国は2026年のサッカーアジア大会誘致予定までは凍結としているが、その先は未定である。

私は先回も本件を公開請求したが、タイトルのみで全面的な非開示である。その後、当面の事業概要は市HPで一部公開されているが、基本的な位置づけ、目的、方針、予算などが不透明である。市民が多大な市予算を使った事業の公共性を確認し、市民が思う魅力や賑わいに供する計画かを知るには、経営戦略会議での検討内容、資料が必要であり、固有名詞は伏せたとしても全面的開示が不可欠である。R2年11月9日の第5回経営戦略会議の議題2は都市整備課提案であり、今回再度公開請求したがテーマ、趣旨、協議内容が、前回同様ほとんど黒塗りで、魅力や賑わいをどうつくるのか不明である。市民の知る権利を保障し市民参加のために、公正で透明な市政運営を求め審査請求するものである。

◆参考資料 都心での主な事業経過                    

  • 施設建設

・スタジアム建設2001年450億円、現・指定管理(株)豊田スタジアム、豊田市中央公園

・美術館建設1995年、現・博物館建設中

・1次・T-face,そごう百貨店誘致、撤退 追加出資約51億円

松坂屋誘致、撤退 追加出資約30億円

・2次・ギャザ(店舗、事務所、住宅、駐車場など)

・3次・参合館(店舗、図書館、コンサートホール、駐車場など)

・4次・コモスクエア東西(店舗、事務所、住宅、駐車場など)

・5次・Kitara(店舗、映画館、福祉施設、住宅、駐車場など)

  • 主な計画とイベントなど

・都心環境計画(豊田市H28.3)市HP

・「都心の未来デザインブック」(駅前広場、イメージ、2016年頃?作成者不明)市HP

・ラグビーワールドカップ 2019 (経済波及効果、スポーツ課)

・第5回経営戦略会議(2020・R2.11.9都市整備課議題2) 情報公開請求2回

・中心市街活性化計画(R5~9年度)2023 (都市再生推進法人TCCM)

・ラリー2023年度(ラリーと地域振興)

◆参考資料

・H28.3 都心環境計画(都市整備課)市HP

・2019年5月30日更新日 市HP 駅前広場事業認可の設計概要縦覧について

・2020年 第5回経営戦略会議(百貨店撤退、駐車場約4,000台、都心開発の転換か?)

・2021年 市民意識調査 市HP

・2023年3月25日更新日 市HP 駅東口広場の実証実験 交通影響調査結果

・2023年4月19日更新日 市HP 都市再生整備計画(都市構造再編集中、ウオーカブル)

・2023年 市民意識調査 市HP

・2023年度 豊田市駅周辺の整備お知らせ 市HP(都市整備課)

 都心環境計画における整備の内容、東口まちなか広場整備、今後の駅西口整備など

・2023年度 駅西口広場整備に関する技術協力の業務委託(工事費、報告書、技術提案)

・更新23.11.24      〃   プロポーザル(結果) ECI方式、仕様書

 大林組、矢作道路共同企業体、(設計者 中央コンサル、ランドブレイン)

 

公園緑地つくる課の提出議案について意見③

 本議案は中央公園2期整備の計画、事業の推進と推察される。

 当該地は市街化調整区域の農地であり、豊田市洪水ハザードマップでは浸水区域になっている。現在豊田スタジアムがあり、イベント時には一時的に交通が問題となる。過大な都市施設の立地は適切でない。

 豊田市は人口減少期に入り、財政逼迫・流動化、コロナと消費税増税で都心での空き店舗の増大、松坂屋の撤退など、都心に魅力を市民は感じていない。これまでの大型公共事業を見直し、ハードからソフトへの転換、特に少子化対策、若者・子育て支援策の財政強化が必要である。このことから以下の疑問があり、どのような理由で優先されるようになったのか、経営戦略会議での資料を公開して、市民の都市計画への参加が求められる。

 計画への疑問点

1 事業予算、期間が明確でない。基本計画のある毘森公園など他の既存施設の整備が遅れる。P-PFIを前提にしていることに問題がある。

2 規模が適正でない。サッカーコート、ハーフメイド広場など規模と計画が市民要求に合っていない。市の「緑の基本計画」(都市計画課)では、計画決定した地区の公園整備が遅れている(初陣公園、新生公園、自転車道など)。車で来ることを前提として、大駐車場が計画されている。車で行く公園は鞍ケ池公園があり競合する。

3 中央公園は市街化調整区域(農地)で、洪水ハザードマップで浸水想定区域である。立地適正化計画の「都市機能誘導拠点」ではない。

4 農地を潰し「森林の大切さ」をレガシーとできない。自然観察の森が有り、山間地の自然保全、間伐材の活用が不十分である。「木と森と水のつながり」を展示する必要はない。

 参考資料

中央公園第二期整備計画推進会議(第1回)H30

中央公園第二期整備の基本構想H31

     〃    基本計画R1

〃    事業認可説明会資料R3

豊田市緑の基本計画2018

*以下続く

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