豊田の生活アメニティ

都市デザイン、街歩き・旅行、くらし

加藤陽子「戦争を読む」

2022-04-24 | 気になる本

加藤陽子(2007)『戦争を読む』勁草書房

 ロシアのウクライナへの侵略が続き、連日悲惨な情報がテレビから飛び込んでくる。ロシアの侵略は許されない、早く停戦して欲しい。反戦のスタンディングに立つと様々な声が聞こえる。専制主義のロシアを潰せ、9条で戦争は防げるか?挙句の果てに、「敵基地攻撃能力」から核保有、軍事費の2倍化など自民党などから出ている。平和か戦争か問われている。一体人類はいつになったら戦争を止め得られるのか?歴史を捻じ曲げ、戦争したがる自公政権に、学術会議任命を妨害されている加藤陽子氏の本の1冊である。「戦争を読む」は、戦争について書かれた本の書評である。戦争の記録よりも深部の、開戦の動機は何か、どうして戦争は避けられなかったのか、大本営発表でなく真実をえぐる書評である。書棚の本を整理しようと思いつつあるが、父親が中国とフィリッピンに出兵させられ、運よく帰国して生まれた私としては、死ぬ前に読みたい本、読めないかも知れないが手元に置きたい本を見つけた。以下、そのリストである。

 吉村彰『彰義隊』、 臼井勝美『満州国と国際連盟』、 安井三吉『柳条湖事件から盧溝橋事件へ』、 『資料 ドイツ外交官の見た南京事件』、 小澤・NHK取材班『赤紙』、 野中ほか『戦略の本質』、 栗屋憲太郎『東京裁判への道』、 安倍晋三『美しい国へ』、 坂野潤治『明治デモクラシー』、『昭和史の決定的瞬間』、 三谷太一郎『近代日本の戦争と政治』、『満州事変とは何だったのか』、 ジョン『容赦なき戦争』、 藤原彰『餓死した英霊たち』、 山室信一『ユーラシアの岸辺から』、 姜尚中・宮定真司『挑発する知』、 黒崎誠『世界を制した中小企業』、 佐道明宏『戦後日本の防衛と政治』、 武田晴人『世紀転換期の起業家たち』、 藤井康栄『松本清張の残像』、 鶴見・上野・小能『戦争が潰したもの』、 長谷部『憲法と平和を問い直す』、 上坂冬子『私の人生 私の昭和史』、 久江雅彦『9・11と日本外交』、 森達也『下山事件』、『水木さんの幸福論』、 ブルース『戦争とテレビ』、開高健『紙の中の戦争』、 『武器よさらば』、 加藤陽子『戦争の近現代史』

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長浜

2022-04-16 | traveling, town walking

同級生がヤンマーミュージアムを見たいということで、コロナの隙間をぬって出かけました。16日土曜日でしたが、予定より早く着きスケジュールを変更し、先ずは写真の慶運館にいきました。ここは私のリクエストで、小川治兵衛の作庭です。「地形に起伏をつけた立体の構成」と巨石を配置したデザインは圧巻です。座敷に座ってじっくり、喧騒を離れのんびり寛ぎたいものです。

 次に、食べ損ねていた「のっぺいうどん」を食べ、長浜の街を散策しました。そして4月に改装オープンした長浜城博物館へ。展望台から伊吹山がまじかに見えるのに驚きました。最後にヤンマーミュージアムへ、お茶して憲法改悪を許さない署名に協力してもらい、岐路に着きました。

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豊田市でも、マンションの前に高層マンションが

2022-04-10 | 都市計画・まちづくり

 

 豊田市の都心で、ついに高層マンションの直ぐ南側に、高層マンションの建設が始まっている。既存マンションの方は反対している。主な理由は日照と通風、眺望等であろう。こういう問題がいつか起きるとは、心配していた。小泉構造改革から都市計画や建築基準法の規制緩和も始まり、大都市だけでなく地方でもディベロッパーの利益追求で高層化が進んで来た結果である。都市計画法、建築基準法では適合とされ、利害関係者との調整は手続き条例による「話し合い」である。建築自由の都市制度では住みよい住環境は損なわれ、sustainableな都市はできない。絶対高さ制限や日陰規制の見直しが必要である。

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石出「これならわかる 戦争の歴史Q&A」

2022-04-08 | 気になる本

石出法太・石出みどり(2000)『これならわかる 戦争の歴史』大月書店

 ロシアのウクライナ侵略が始まって、罪のない市民が殺されている。どんな理由があって、他国を武力で攻めるのは、国連憲章、国際法に違反するのは明らかである。連日テレビで戦況を報道し、軍事評論家などが解説している。どうしたら戦争は止められるのか、どうして戦争はおきるのか?武器支援でウクライナを応援しロシア兵を追い返すか、核を持つべきか?経済制裁、難民、国連、9条の意義と役割など考える必要がある。この本は過去の主な戦争の疑問に絞って解き明かしている入門書である。以下、主なものを抜粋したメモである。(  )内は私のコメント。

「ネルソンさんあなたは人を殺しましたか?」、元アメリカ兵ネルソンの講演の後での質問であった。若い人はほんものの戦争を知らない。(高齢者でも知らない人が多い)

 国民の士気を高め戦争をやり遂げるには、報道や情報伝達の厳重なコントロール、巧みな操作が必要だ、という「教訓」を、軍と政府、戦争遂行勢力に与えた。

Q 日清戦争 なぜ朝鮮が戦場になったのか?

 日清戦争の主戦場は朝鮮半島。当時朝鮮には、日清両国の軍隊が駐屯していた。朝鮮政府は1894年2月、甲午農民運動を鎮圧できず清に出兵を要請した。日本も居留民保護を名目に出兵した。

 日本軍はその後、旅順で虐殺事件をおこした。下関条約により日本は割譲された台湾で、植民地化に抵抗した人々を多数殺害した。(「成果」が大きかった。)

Q 日露戦争 日本海の海戦は?(この後の展開は?)

A 1905年ロシアのバルチック艦隊が対馬沖に現れた。ロシアは7か月かけ、地球を半周して来た。日本の連合艦隊の戦艦は全てイギリス製だった。(昔から武器の能力が上回ると戦争で優位であった。韮山の反射炉は大砲を作り武器の技術開発をした。究極の兵器は生物兵器であり、核兵器に行き着く)。明治の「富国強兵」と日清戦争が過信になり、資源と市場の拡大で侵略戦争へと進み、アジア太平洋戦争で敗北した。日本人が310万人、アジアなどは2000万人の死者であった。)

Q 満州事変 1931年柳条湖で満鉄の線路が爆破された。中国軍の仕業として交戦し、満州を制圧した。そして1945年の敗戦までの、「15年戦争」となった。

Q 日中戦争 「南京事件はなかった」か?(笠原十九司「南京事件」)

A 1937年北京の盧溝橋から開始された戦争。日本軍は当時の中国の首都南京陥落を目指し進軍した。日本軍は南京近郊、城内で中国軍の敗残兵、捕虜、近郊の農民、市民などに殺傷や暴行をおこなった事件である。日本政府は公式見解として歴史的事実と認めており、教科書にも記載されている。(南京での虐殺を数万人~20万人、河村名古屋市長はなかったという。従軍慰安婦もなかったという人もいるが、いわゆる歴史修正主義である。)

Q 朝鮮戦争 1950年北朝鮮が一方的に南を攻撃した。

A 北はプサンまで迫った。「国連軍」は仁川から挟み撃ちにした。「国連軍」は日本から出動したアメリカ軍が主体である。米中代理戦争となった。犠牲者は200万人。(同じ民族の分断となった悲劇の戦争である。ポスコを見ようと言った時、浦項に記念館があった。日本は朝鮮特需を得た。関口の近現代史では、日本も戦争に加わっていた、と言っていた)

Q ベトナム戦争 トンキン湾事件とは

A 1945年ジュネーブ休戦協定でベトナムが南北に分断され、アメリカは南を応援した。1964年トンキン湾で、アメリカの駆逐艦が北ベトナムの魚雷艇に2度攻撃されたとして、報復のため北ベトナムを攻撃した。(アメリカ軍は北のジャングルに枯葉剤を撒いた。世界の反戦の世論で、1969年ニクソンはベトナムから撤退した。韓国は軍隊を送っている。日本は参戦しないが、アメリカの北ベトナム攻撃を支持し協力した。沖縄基地は米軍の出撃基地であった。1970年アメリカ議会はトンキン湾決議を取り消した。75年南ベトナム政府が崩壊、翌年南北統一がされた。ベトナムへは3度訪問した。蒸し暑い国であり夏には行きたくない。北の歴史都市には行って見たい。)

Q イラク戦争 「戦争の民営化」とは?

A 2003年ブッシュは、イラクが大量破壊兵器を保持しているとして攻撃し、フセインを倒した。2004年護衛のアメリカ人4人が殺害された。アメリカ軍は武装勢力の拠点とされるファルージャを攻撃した。市民10万人が巻き込まれ、死者7000人行方不明者が多数でた。(イギリスでは戦争の検証が行われたが、大量破壊兵器は見つからなかった。日本の小泉政権も直ちにブッシュの仕掛けた戦争を支持し、検証も反省もない。それだけでなく、日本は多国籍軍に135億$拠出からPKOの自衛隊の海外派遣から、秘密保護法、共謀罪法、海外で戦争する「集団的自衛権」行使の戦争法である安保法制の強行である。そして、敵基地攻撃能力(先制攻撃)、核共有、憲法改革が現在の自公政権、維新、国民党の動きである。7月の参院戦は平和か改憲で戦争への道かが大きな争点になる。

 コメント

 この本では多くの戦争から絞って、戦争の問題点を簡潔に解き明かし、戦争か平和かを考える判断材料となる。戦争の多くはフェイクも含まれ、真実が国民に知らされないことが多い。NATOの東方への拡大、ネオナチとの闘いなどいかなる理由があっても、ロシアの侵略戦争は国連憲章、国際法に違反し許されない。ロシア国民には真実が報道されず、情報は操作される。日本でもテレビではウクライナの悲惨な戦況、が毎日放映され軍事評論家が解説している。国民はウクライナ「がんばれ」、武力の拡大をという気持ちも醸成される。ロシアにも憲法9条の他国を侵略しない思想が欲しい。国連のあり方も問われている。また、戦争する国は言論統制し国会を閉鎖し、警察、裁判所、軍が国民を弾圧する。

この他、1980年チュニジアのジャスミン革命からシリアの内戦など「アラブの春」、ミャンマーの軍によるクーデターなど民主化を国家権力の軍や他国が軍事介入する問題がある。香港の人権、台湾問題もある。古代から戦争が絶えない。原因は様々で、領土、宗教、民族、石油などの権益、覇権主義、利益の独占による富と貧困の格差などがある。

人類、国家指導者はなぜ戦争をしたがるのか?人間を信頼し、争いを話し合いで解決できないのか?人間は戦争の歴史から学ばないのか?この点で疑問が残る。

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アベ・キシダ政治を許さないin豊田

2022-04-04 | 平和・人権・環境・自治制度

 3日は澤地さんの呼びかけた統一行動です。この日は日曜日の春休みで、百貨店の閉店後にT-faceの一部がオープンしたので、人通りは多かったです。

 私も一言発言しました。コロナがぶり返しています。政府の後手後手でワクチン接種が遅れています。アベノマスクの処分に3億5千万円の無駄使いです。豊田市でも2日の感染者数は155人と多いです。市民団体がPCR検査の拡大、市内にホテルの療養所を確保せよ、と要求しても市は応じません。国は医療の削減を進めています。これがアベ政治の悪政を引き継ぐキシダ政治の1点目です。

 2点目に、ロシアのウクライナ侵略を口実に、自民党は「敵基地攻撃能力」を持つべきだ、さらに維新も核共有を言い出す始末 です。岸田首相も9条を改憲するよう前のめりです。

 3点目に、国際世論がロシアの侵略批判で経済制裁を進めていますが、新年度予算ではロシアへの経済協力が21億円も含まれています。アベ元首相は27回もプーチンと会い、勝手に2島返還を持ち出し、和平交渉も破綻しています。しかも、プーチンの侵略を領土問題でない、と擁護しています。当時、キシダ氏は外相でした。

 4点目に、アベ政治の悪政で加計学園の文書改ざん、桜疑惑、広島の買収事件など、うやむやのままキシダ政権は引き継いでいます。

 参院選挙では市民と野党の共闘で平和と生活を守るために、改憲を進める自公と維新を減らす必要があります。

 

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半藤、加藤、保坂「太平洋戦争への道」

2022-04-02 | 気になる本

半藤、加藤、保坂(2021)『太平洋戦争への道』NHK出版新書

 ロシアのウクライナ侵略を理由に、核共有、改憲を自民党、維新は言い出した。平和か戦争への道か、憲法9条は他国への侵略を反省しできた条項であると思う。改めて「太平洋戦争」へ突き進んだ、日本の歴史を読み解く必要があると思う。以下、本のメモ書きである。(  )内は私のコメント。

半藤 日本が軍事的に表に出ていくのを後押ししたのは、実は日本のマスコミである。軍縮ブームから満州事変が起きてから、新聞はがらりと論調を変えた。

*保坂 柳条湖事件1931年、日本の侵略戦争の始まり、翌年満州国を建国。

保坂 柳条湖事件は、日本が経営する南満州鉄道の線路が何者かによって爆破された。関東軍が自ら行った。政府に無断で、戦争不拡大の方針に逆らって進めた。

保坂 1933年日本が大きく変わった。小林多喜二を拷問で殺害。暴力の是認、弾圧立法、(戦争に反対する)共産主義者などへの弾圧。京都大学の滝川事件。(菅の学術会議の人事   介入に似ている)

半藤 治安維持法は大正時代にできて、1928年に改定され、拡大解釈されていく。

加藤 2・26事件の1週間前に選挙で、対外侵略に消極的な立憲民政党が勝利した。国際協調の外交や政党政治が潰された。

半藤 1936年日本はドイツと日独防共協定を結んだ。ドイツが仲介で中国国民政府と停戦交渉を進めた。協定の前に、軍が領土拡大を目指し、南京攻略戦を始めた。(今のロシアと ウクライナの停戦交渉みたいである)

半藤 日独伊3国同盟は、アメリカの参戦を促した。日米戦争への道を踏み出した。

加藤 なぜ戦争を避けられなかったのか。アメリカも抑止に失敗した。石油の禁輸は日本の戦略物資を失う。

保坂 ハル・ノートの背景に、日本は妥結を好まない、開戦に追い込む意図があった。

加藤 アメリカは日本の10倍のGDP,石油の備蓄が700倍、そんな国と戦争しても勝てないのは明らかだ。

保坂 最終的には午前会議で決定。軍人教育が決めて行った。

加藤 1930年代、世界不況の中、日本は軍事危機に対応を迫られた。国際連盟で、日本にとってほとんどの国が敵国で無かった。(日本は国際連盟脱退)

保坂 彼らは生まれた時代が悪かったのか、若くして戦争に行かされた。戦争を決断する政治的、軍事的な上層部は戦略や戦術面だけでなく、総合的に考え、戦争を避けるべきである。

半藤 昭和の日本人は不勉強だった。スターリン、ルーズベルト、ヒトラー、蒋介石など勉強していなかった。若い人には勉強して欲しい。

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