豊田の生活アメニティ

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時間かせぎの資本主義

2019-03-02 | 気になる本

ヴォルフガング・シュトレーク・鈴木直訳(2016)『時間かせぎの資本主義 いつまで危機を先送りできるか』株式会社みすず書房

 マクロ的な経済理論の書であり難解であるが、資本主義は成長が行き詰まり危機的状態にあると思う。まさに問題を先送りしそのツケは大きく跳ね返ると思っているが、誰もその問題に触れたくないようだ。主にEUの事例であるが、借金大国、日銀の異次元の金融緩和、虚偽のアベ政治、不正の企業社会の蔓延など、経済破綻は「日本を取り戻す」戦争前夜にならなければ良いが。

 背表紙にこの本の要旨・現代資本主義論が書いてある。

 「資本主義は危機を『時間かせぎ』によって先送りしてきた。

 70年代、高度成長の終わりとともに、成長を前提とした完全雇用と賃上げは危機を迎えていた。そこで各国はインフレによる時間かせぎ、つまり名目成長に実質成長を肩代わりさせて当面の危機を先送りした。

 80年代、新自由主義が本格的に始動する。各国は規制緩和と民営化に乗り出した。国の負担は減り、資本の収益は上がる。双方にとって好都合だった。だがそれは巨額の債務となって戻ってきた。債務解消のために増税や緊縮を行えば、景気後退につながりかねない。危機はリーマンショックで一つの頂点を迎えた。

 いま世界は、銀行危機、国家債務危機、実態経済危機という3つの危機の渦中にある。いまEUは最大の危機を迎えている。

 資本主義は危機の先送りの過程で、民主主義を解体していった。危機はいつまで先送りできるのか、民主主義が資本主義をコントロールすることは可能か。ヨーロッパとアメリカで大反響を呼び起こした」。

「租税国家から債務国家」、p107「税率の引き下げ競争にさらし、世界中の政府に法人税の最高税率の引き下げを促した」。p116「債務国家への移行過程では、もう一つの機能不全がある。債務国家が及ぼす分配政策上の影響が公共的議論の中ではほとんど完全に無視された」。

訳者解説から、本書はリーマンショックから3つの危機を相関的危機として記述している。4つの手法の時間稼ぎで、①70年代のインフレによる時間かせぎ、②80年代のインフレ抑止策で、新自由主義のスタートである。③93年のクリントンから社会保障の削減、増税と緊縮で国家債務の家計債務への付け替えである。サブプライムローンの破綻で08年のリーマンショックとなった。④各国の中央銀行は0金利、国債購入、株購入である。戦後復興期のケインズ的な介入資本主義が、新自由主義的資本主義を経てハイエク的な市場主義的へと転換してきた過去数十年間の歴史に、現代資本主義と民主主義の源泉を見ている。

現代資本主義論は日本で受けるであろうか?私に本書は理解できない面もあるが、論理的に正しいと支持する。日本の国家債務は1000兆円を超えている。しわ寄せは福祉に来る。地方自治体にくる。一方で軍事費の増大、大型開発である。日銀の異次元緩和はいつまで持つか?オリンピックまでであろう。国民は好景気を実感できない。アベ内閣はデーター偽装で取り繕っている。沖縄の辺野古基地建設反対の県民投票の結果は無視する。マスコミは取り込み、東京新聞記者の質問は無視しようとする。日本の民主主義は壊れつつある。するどい分析した理論であるが、どう対応すべきか指標が欲しいところであるが、3つの危機と時間稼ぎを多くの人が認識できるかどうかである。また、グローバル資本主義のもと、日本の場合はアメリカに従属する政治的自立がある。

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「EVと自動運転」

2019-02-13 | 気になる本

 鶴原吉郎(2018)『EVと自動運転 クルマをどう変えるか』岩波新書

 人気の本で1カ別近く待って図書館で借りられた。

 これまでの自動車を作って売るから、環境、社会、生活スタイルなど時代の変化にどう対応していくか、特にEVと自動運転をテーマにした本である。なぜEVと自働運転か、日米欧の技術力は先行している。市場である中国は追いつけないし、大都市の環境汚染はひどい。そこでEVなら参入しやすく、自動化にも適する。日本の電機産業は空洞化した。その要因は海外での生産、部品外注など技術力の低下だけでなく、液晶化などトレンドを見誤った。(さらに追い打ちは東芝など原発投資であろう)車はカーシェアやレンタルの時代、あるいはIoTなど社会情勢が激動している。クルマの「サービス化」に手を打ち始めた。

 アマゾンは倉庫を持たないから、持つようになり常識を変えて強くなった。トヨタのe-palletとは、「トヨタはCES 2018を利用してビジネス戦略の方向転換を鮮明に打ち出した。豊田章男社長はキーノートに登壇し、『モビリティー・サービス企業を目指す』と言明した。e-Palleteはいわば何でも書き込める白紙のような移動のためのプラットフォームだ。Uber、滴滴、Pizza HutAmazonを始めとする多数のパートナーの発表に至るトヨタの動きを観察すればモビリティー・サービスに対する取り組みがきわめて真剣なものであることが分かる。」(Darrell Etherington、翻訳滑川海彦)

 自動運転と買い物、ロボットなどの活用、市民の所得、生活スタイル等どう変わるか。まだまだ不透明で、水面下のビジネス戦が続くだろう。

 都市計画では人口減少社会に対応して、鉄道駅周辺に人口を集中、いわゆる「コンパクトシティ」に向けようとしている。駅から離れていても車で自動運転できれば、また都市は拡散するだろうか。と気になっていたら、最終章にそのことが書いてある。さらにエピローグでは、これらの話は10年後ある。FCVのことや、トヨタの研究開発施設の位置づけなどは触れていない。EVによる下請け構造の変化も気になる。さらに、国家財政のデフォルト、日銀破綻。トランプのINF,パリ協定離脱など、将来は混とんとしている。読んでみてSF小説のようでもあり、興味深く読めた。どこまで実現するか未知数であるが、政府のようなフェイクでもなさそうだ。

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界壁が無いのはなぜ?

2019-02-11 | 都市計画・まちづくり

 アパートでの界壁が無く問題となっている。界壁とは共同住宅や長屋住宅の遮音と防火のために、隣の住戸の境に床から屋根裏まで壁を設けるものである。建築物で構造偽装や最近ではパイルの不正が問題となった。問題が発覚するとマスコミなどは上辺だけを取り上げるが、本質的な問題になかなか迫れていない。さらに、再発防止の制度ができたかも問題である。

 そこで思うのは、設計(&申請)、施工(&監理)、検査、維持管理など一連の流れで分けて、責任と役割をみる必要があると思う。今回は施工が手抜きで、検査で見落としたことに問題がありそうだ。施工者は工事費を安く叩かれ、下請けも工期に追われる。見えない部分は手抜きされやすい。組織的に手抜きは暗黙に勧められた可能性もある。施工監理が独立してなく、外国と比べて権限がほとんどない。行政の検査も規制緩和で、検査機関が民間で行われる場合が多く、検査の規定もなく見落とされる。その責任も問われない。結局コスト削減で安全性が危なくなる。嘘とごまかしのアベ政治が、広く日本社会に蔓延しつつある。

 現在、建築基準法の改定で一定の規模以下のものは、界壁を設けなくても良くなった。これとの関係も明らかにすべきである。

 PS:先日名古屋道路公社のトンネル天井板撤去工事(東山)の情報を見た。定期検査で安全性は確認されているが、より安全、安心のためと説明している。別の情報によれば、笹子トンネルと同じ構造のためとあった。笹子トンネルの設計に問題があったのか、専門家や議会での検証が気にかかる。

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「住宅過剰社会の末路」その2

2019-01-31 | 気になる本

野澤千絵『老いる家 崩れる街―住宅過剰社会の末路』

 この本を読むのは2回目である。昨年からの愛知県の区域マスタープラン、豊田市の立地適正化案がでて、まとまろうとしているので関心があった。これまでの行政の資料を見ていて、経済の成熟化、人口の減少期、そして住宅過剰社会の現状認識があるのか、根本的な問題に疑問を感じている。第1に、社会保障・人口問題研究所の人口予測と自治体の将来計画のずれが、どこの自治体にもあると言ってよい。第2に、安い家賃の公営住宅に入りたい人は多いのに、行政は「住宅は足りている」としている。ミスマッチ解消は家賃補助をするべきである。古い住宅は更新がされていない。リフォーム助成すべきである。所得が減って、勤務先から遠くても安い住宅を求める。立地適正化で駅周辺に誘導をしようとしているが、生活圏を無視した居住誘導策で、住民の理解と議論が全く欠けている。さらに、東京など超高層マンション開発を進めている。オリンピックまで持つだろうか。国の借金体質、日銀の異次元の緩和、マイナス金利、政府・企業のデータ不正など、先行きは暗い。

 とにかく人口を増やしたい、よそはどうでも自分のまちは増やしたい「人口至上主義」である。「農地所有者や不動産、建設業界は組織として票の力がある」。ようやく住生活基本計画で量は足り、空き家増加抑制を目標にした。(豊田市の場合、空き家対策は山間地のみの対策である)

 災害危険区域などであっても、「日本では、災害が起こる前には、住宅の新築を禁止するという規制的な手法をとることがほとんどできない」。

 サ高住は、「コンビニやスーパー、病院や介護機関等の施設といった周辺のまちとの関係が重要になり、高齢者が安心して住み続けられる立地を重視すべき住宅である。しかし現状では、立地と関係なく、サ高住の要件を満たせば、様々な優遇措置や補助がされる」。

 「立地適正化計画は、本来都市計画法の基本的な枠組みを抜本的に見直すべきだったのに、都市再生特別措置法により制度化されたので、抜本的に課題を解決するには実効性が弱い」。「市街化区域で都市計画税を払い居住誘導区域ができたり、それを払っていない調整区域で、これまでと変わらない基準で開発許可がされるのか」疑問がある。調整区域に拡大したスプロールの原因分析と、開発許可の規制強化がされるのか?調整区域の地区計画の確認、駅周辺の開発助成など調査、議論の余地が残る。また、居住地域で子ども園、介護施設、店舗の施設が歩いて行ける距離にあればよいのか?公園や食事場、交流の場も欲しい。

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愛知県区域マスタープラン

2019-01-23 | 都市計画・まちづくり

 

  愛知県区域マスタープランの変更案が、昨年4月の閲覧から請求しても非公開だったものが、明らかになりました。2月4日の都市計画審議会の資料として愛知県HPから、豊田市は11地区72haで理由と場所は、「地区計画に基づき住宅用地の開発が行われた区域等(豊田市リバーサイド寺部地区、井上北地区、岩滝菅生地区、東山地区、西中山東宮前地区、西中山三ツ田地区)、地区計画に基づき住宅用地の開発が行われる区域等(豊田市平戸橋波岩地区)、地区計画に基づき工業用地の開発が行われた区域等(豊田市西広瀬工業団地東部地区、貞宝地区、御船山ノ神地区)、地区計画に基づき工業用地の開発が行われる区域等(豊田市花本産業団地南部地区)について、計画的な市街地形成を図るため市街化区域に編入するものである」。

 主に、調整区域の地区計画を市街化区域に入れるものである。大学跡地や工業団地である。心配した豊田市の立地適正化計画での「新市街地」(司、御幸地区、若林駅周辺地区、上豊田駅周辺地区)の拡大は、今回含まれていなかった。新市街地の位置はH30年11月26日の豊田市都市計画マスタープラン策定懇談会の資料2である。http://www.city.toyota.aichi.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/013/409/09shiryo02.pdf

写真は越戸町波岩地内、大学跡地で調整区域の地区計画による開発団地

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まちべん3、関連「豊田市立地適正化計画」を読む

2019-01-21 | 都市計画・まちづくり

 H30年11月26日の豊田市立地適正化計画を、改めて読み直した。概要とコメントは、①コンパクトシティ+ネットワーク(公共交通基本計画:鉄道、バス)である。関連計画に住宅マスタープラン、都心環境計画(デッキ延長、駅舎改築、バス停東に集約、駅の下を車通行可能等)②対象区域は都市計画区域で、市街化区域に居住区域と都市・生活機能区域を設定する。市街化区域には重点居住促進区域居住促進区域(人口維持)、さらに新市街地区域(人口増加を受ける区域、区画整理、調整地区計画)でこのエリアが県の区域マス案(14地区92ha、公聴会終了、原案非公開)と広大でコンパクトと言えるか疑問である。パブコメ終了。都市・生活機能区域は都心の高度利用、重点整備する区域と、拠点形成区域である。(生活圏と駅との核の関連が不明確である。)③人口減少を想定しながら、総合計画は人口増加を設定し受け皿で新市街地の拡大を方針とすることに矛盾がある。さらに財政の縮小も予想している。④具体的指標として、拠点形成区域の人口密度を15年度102.6人/ha,25年度114人(社人研104.3人)である。スーパー、介護施設、こども園への徒歩圏を800mとしている。⑤届け出制度ができ、計画による国の補助金・交付金がある。かなり専門的な用語から制度の知識が必要であり、住民への情報提供、説明、議論が不十分で、自分の住居の場所による問題は不明のまま、都心機能整備だけが行政の思惑で進みそうである。

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まちべん、「豊田市の将来都市構造」 その2

2019-01-19 | 都市計画・まちづくり

豊田市の都市構造・「多核ネットワーク」(鉄道中心)

 豊田市の総合計画及び都市マスにある将来の都市構造はコンパクトな「多核ネットワーク」で、都心と産業技術核(トヨタ本社)を中心に、主な鉄道駅を拠点地域核にしている。しかし、2つの疑問が生じる。例えば、土橋も拠点地域核であるが、ここは生活核ではない。地域会議でもどこを生活圏の中心核にすべきか、議論がされていない。第2に、仮に土橋駅を核としたなら、そこから交通網をどう整備するのか方針がない。これらの問題が議論されなかったのは、総合計画を受けて都市マスを2年(2回)に分けて地域説明会(支所単位)を開催したが、1年目が都市構造の理論的な説明だけで、どの会場も住民参加者より行政側の方が多かった。本来は地域課題を基本に、ワークショップなど住民参加で熟議して作るべきである。合併前は中学校単位で説明会と地区カルテの資料が説明された。そしてもう一つ、14年に立地適正化計画が国から示されていたのに、都市マス策定後の翌年にまた立地適正化計画を今年度策定中である。複雑さと分かりにくさや無関心が同居している。さらに、愛知県の区域マスタープラン(線引き見直し)が今年度いつのまにか行われた。意見を言う機会すら失ったが、線引きの拡大を最低限にしたのは良かった。(「人口増加市場主義」野沢千絵)

 そして気づいてみれば、引き続き都心を整備、名鉄の高架・複線化の推進、土橋の区画整理に続いて若林駅の開発方針である。豊田市の人口の転出超過の1位は名古屋市、2位は岡崎市、3位はみよし市である。名古屋市へは通学が多いと思う。名古屋市へ行く人はどのくらいいるのだろうか。名古屋市のベッドタウンを長久手、日進、みよしのように狙うのか、不明である。それよりも住みよい豊田を創るには、市内の公共バスの充実が望まれる。(高速道路、外環状、内環状など幹線道路の問題は別の機会にする。)少子高齢化、人口減少時代のコンパクトシティと矛盾を孕んでいる。市内では住宅の老朽化、空き家も目立ち始めている。

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まちべん、「豊田市の将来都市構造」 その1

2019-01-18 | 都市計画・まちづくり

 「都市構造」という言葉に惹かれ、豊田市都市交通研究所の88回目の「まちべん」に、1月16日初めて参加した。研究所は都市交通だけでなく住宅、店舗、工場配置など広く都市問題を、行政と独立して研究すべきであると思っている。やや自動車に特化した都市交通の実験に思え、成果が市民に利用されているとは感じられない。しかし、公開で発言自由な「まちべん」の姿勢は評価できる。

 30分は「豊田市の目指す将来都市構造」の説明で、そのあとは質疑・意見交換であった。短時間であり、過去・現在の都市構造の確認、検証はなかった。3点ほど質問し議論を踏まえ、改めて豊田市の都市構造について考えメモした。

1 「都市の広域化、スプロール化」では、これまで「人口増加時代では広域化しスプロール化が進んだ」とレジュメにある。

 広域化、スプロール化は事実である。なぜ進んだのか?私の考えは、高度成長では市外から労働力が流入し、住宅は地価の安い所を購入した。郊外地の下山であり、藤岡であった。行政なども保育園、学校建設、住宅建設を進め、民間も郊外地の団地開発を進めた。豊田市は岡崎市と比べて時間のかかる区画整理事業は行ってこなかった。交通など利便性の良い中心市街地は敬遠され、開発者は郊外地で新規の造成費が安い、購入者は車通勤を前提にする。既存市街地の地主は賃貸アパートや貸駐車場に資産活用(「恩恵」)した。さらに、合併が繰り返され、「低密度の分散型市街地が形成された」(佐藤圭一)。なぜ、市街化調整区域や都市計画区域外(藤岡は編入)は開発制限がされなかったのか?既存の権利、農家の分家、沿道サービス、集落店舗、公共施設など、線引きの目的をスルーしてきた。これがスプロール化の要因であった。(石田頼房に倣って歴史的な区分を整理してみたい。)区域区分と現在の立地適正化計画との関連、コンパクトシティ論との関連を明らかにすべきである。市街化区域も虫食い的に乱開発されてきたが、現在の豊田市の立地適正化計画では市街化区域では虫食いがない、人口密度はあり住宅開発の余地がないとしている。

 駅前再開発の超高層マンションをはじめ、建築規制の緩和で不揃いの高層マンションがあちこちに乱立している。(都市の魅力や価値を下げるものである。)

2 人口の将来展望

 国立社会保障・人口問題研究所の人口推計と豊田市の人口の将来展望が違うことは、私も気づいていた。2030年には430423)千人、2040年は424409)千人である。国などは人口減少社会、「成熟社会」を想定しているが、県内の多くの市も根拠なしに「夢のある」人口増加にしていている。つまり成熟したまちづくりは想定していない。

 発表者は将来の目標人口を達成するために、2つにまとめている。1つは、現在の区画整理事業での人口増加。2つは。駅周辺の人口維持である。(市の立地適正化計画では新市街地を拡大し区画整理を行う、調整区域の地区計画推進で住宅地供給策である。新市街地の拡大方針は県の区域マスタープランでは実現しなかった。)

 これに対して、新市街地の拡大はもちろん、区画整理事業は時代遅れ(「過去のもの」西村幸夫)である、というのが私の意見である。理由は人口減少期にある。毎年出生数の総数は減少している。人口の社会増減は産業の盛衰に関わる。自動車も先行き不透明である。豊田市は社会人口が名古屋市、岡崎市、みよし市に多く転出している。魅力的な子育て支援の政策を打たなければ、人口増加はない。(非正規を減らし正社員の定職に就かなければ定住できない。さらに給料が良くなければ好条件の住宅は取得できない。)岡崎市の区画整理事業の施行率は高くすでに終わっている。地価の上がらない時代に減歩率が高くては区画整理は進まず市施行が多くなる。(それに国家財政は破綻寸前であり、富裕自治体の法人税は国にピンハネされるなど、財政事情は厳しくなる。)豊田市の住宅マスタープランでは、地価は他市と比べて高くないとしている。

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19年目標

2019-01-01 | traveling, town walking

 昨年の目標で、旅行は神戸、鎌倉、バルト3国と実現度7割。山登りは乗鞍のみで目標の1割。水泳はスキーで痛めた方の施術で目標の6割。改憲ノーは、臨時国会で自民党改憲草案を提案できなかった。健康面では、視力も運転免許書き換えで条件なし、特定検診も良好であった。

さて、今年の目標は?

旅行 八ヶ岳・夏、北欧・秋、乗鞍・冬、街歩き(富山、奈良)

都市 駅前再開発、企業都市の住みよさ、魅力ある公園(毘森、初陣)

調査 公共バス、公営住宅(実態調査、自治体キャラバン)

政治 改憲ノー、消費税ストップ、原発ゼロ

健康 水泳、ストレッチ

 

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白川方明『中央銀行』

2018-12-13 | 気になる本

白川方明(2018)『中央銀行』東洋経済新報社

 日本の今の中央銀行は自立しているのだろうか?アベ政権と一心同体で、国家財政の借金増大、マイナス金利、金融緩和路線で日本経済は長期不況になるのでは?オリンピックの前後に破綻が表面化するのではないか。国会でも経済・財政学会でもまともに議論されていない。この本は総裁だった白川方明さんの経験した39年の記録である。今の日銀を直接批判されていないが、よく読めば違いが判る。厚い本などのじっくり読めないが、気になったポイントだけを書き記す。(カッコ内は私のコメント)

 空洞化論について、第1に、円高自体が対外直接投資の趨勢を決める主な要因ではない。日本企業の海外進出を空洞化と捉える理解の仕方である。労働人口の変化や技術の変化に応じて、比較優位を有する財・サービスは変化していく。総裁退任後、大幅な円安進行下でも日本の電機産業の輸出競争力は回復せず、この分野の貿易収支は赤字となっている。

 先進国のレトリック

 先進国もかっては為替市場介入を行っていた。為替市場介入積極主義の最後となったのが1985年のプラザ合意と87年のルーブル合意である。その後、92年の英国ポンド危機の際の介入とERMの離脱という失敗を経て、90年代半ば以降は単独介入には否定的になり、先進国では市場介入は基本的に行わないと言うのが通例になった。これに対する例外は、日本とスイスである。

 財政の持続可能性

 日本の中央政府と地方政府を合計した財政の状況をフローベースでみると、2007年度の財政赤字(借金?)は6.5兆円、GDP比では1.2%であった。ストックベースで見ると、名目GDP比で144%という高水準であり、この時点で日本の財政はすでに厳しい状況にあった。日本における財政赤字の原因は、歳出、歳入の両面で生じている。歳出の増加は社会保障関係費である。公共投資は減少した。(アベノミクスでは増加に転じている。さらに、建設国債の縛りや規律もなくなっていると思う。)税収の落ち込みの主因は、経済の低迷を反映した所得税、法人税の減少に加え、90年代に行われた各種の控除措置の拡大による減少が挙げられる。法人税の減少には、大幅な赤字決算(意図的にもありうる)によって繰り越し損失が拡大し、景気が回復しても繰り越し損失が解消するまでは法人税が増えない構造となっていたことも影響している。その典型は、90年代から2000年代初頭にかけて不良債権の処理を進めた金融機関である。(09年度から5年間トヨタは法人税を納めなかった。豊田市の法人市民税も激減した。)消費税は974月に3%から5%に、14年に5%から8%に引き上げられた。97年~98年の景気後退は、97年に発生したアジア金融危機と、同年秋以降深刻化した日本の金融危機が主な原因であったが、消費税犯人説が消費税引き上げ反対の有力な論拠として強い影響力を持ったのは不幸なことであった。(財政赤字の穴埋めを庶民に思い消費税に期待するのは問題である。公共事業や軍事費の抑制、法人税の国際的な減税競争にあると思う。)

 財政政策に対する考え方の変化

 日本の財政政策の運営スタンスはこの30年ほどの間に大きく変化した。バブル崩壊直後の景気後退局面では、伝統的なケインズ的財政政策が採用された。日本の経常黒字圧縮を目的とした日米構造協議の結果、日本政府は10年間で総額430兆円(その後増加)の公共投資を行うことを決定しており、このことも財政支出の増大につながった。リーマン危機の発生は状況を一変させ、積極的な財政政策を採用した。税制上のインセンティブの付与によって耐久消費財(自動車、家庭用電気製品)や住宅の購入を刺激する措置が採用された。(いわゆるエコ減税が自動車産業のV字回復に寄与した。それと下請け単価の引き下げや派遣切りであった。)GDP成長率にたいする政府支出の寄与度は、10年度はほぼゼロであったが、114月の東日本大震災の発生によって再びその寄与度は高まった。(民主党政権も08年のリーマンショック、11年の大震災と不運であった。それに社会保障と財政改革があった。)

 財政バランスをどのように改善するか

 財政状況が先進国中最悪であり、景気の落ち込みや物価の緩やかな下落に直面する中で、そもそも財政改革を優先すべきか、それとも景気対策や「デフレ」対策を優先すべきかという基本的な点をめぐって論争が続いた。インフレによる返済負担軽減は国会での議決を経ない、なし崩し的な増税措置である。私は増税が必要だと思っていたが、増税は民主主義のルールに従って、国会での承認を得て行うべきものだというのが、当時も現在も変わらぬ考えである。

 税・社会保障改革の必要性

 公的年金制度について、2004年には「100年安心年金」と呼ばれる改革が実施され、「マクロ経済スライド」が導入された。(少子高齢化で現役世代の負担を少なくするために年金を減らそうというものである。この考えには年金生活者としては同意できないし、裁判も行われている。)

 日本の財政問題の深刻さは社会全体として十分に認識されているとはいえない。その最大の理由は、財政状況の悪化にもかかわらず、財政危機や金融危機が起きておらず、事態が「平穏に」推移していることである。そのため、将来の財政危機について警告を発する論者は、「狼少年」扱いされることが多い。

 日本のバブルの一因は長期にわたる金融緩和であり、緩和の修正がなかなかできかなった大きな理由は当時の物価の超安定であった。この苦い経験を経た日本において、グローバル金融危機が発生する以前の従来型のインフレーション・ターゲッティングの採用を求める論者の主張は、わたくしには到底理解できないものであった。(その後、安倍、黒田によって財政赤字と金融は異次元緩和で膨張した。)

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