豊田の生活アメニティ

都市デザイン、街歩き・旅行、くらし

スペイン市民戦争

2012-02-26 | 気になる本

石川捷治・中村尚樹(2006)『スペイン市民戦争とアジア』九州大学出版会
 今はユーロ圏の中で危険とされているPIIGSの一つスペインですが、かっては大航海時代など世界を股にかけたスペインでもあります。一度はゆっくり訪ねてみたい国でもあります。1930年代後半の世界政治史における焦点の1つはスペインにありました。図書館で気になったこの本は、アジアとの関わりでした。「中国の抗日統一戦線の形成や戦中・戦後のアジアの民族解放闘争の展開と勝利は、スペイン市民戦争の教訓をなくしてはありえなかったはずである。日本や朝鮮半島、中国をはじめアジアの今を考える上でも、第2次世界大戦の前哨戦となったスペイン市民戦争の意味を再検討することは、今日的意義がある」。戦争に関わったアジア人を地道に取材しています。
 教職者・臨時公使のアルパレスの関連記事で、「教育の目標は、有る意味で善と悪の区別をつける判断力。簡単です。・・・命令する者がだれであれ、それをすべきか、すべきでないかは、本来、自分で判断しなければならん。その判断力を与えるのが教育です(朝日新聞1979年)」。これは橋本市長にも聞かせたい一説です。
 スペイン市民戦争は、「日本帝国主義や外国の帝国主義・植民地主義との闘いという、自らの自由を求める闘いとして位置付けられた。大規模な内戦を経験した(国)、つまり、スペイン市民戦争の終結が、中国や朝鮮、ベトナムにとって、別の新しいスペイン市民戦争の始まりを意味していた」。次に、五木寛之の「わが心のスペイン」を引用した後で、「私たちは時代閉塞の状況から「混乱」、「恐怖」、「権威主義的独裁」、「戦争」の社会へと突き進む可能性をもつ新たな「危機」の時代に生きている。そのような時代にスペイン市民戦争という過去からどのようなことを学びとればいいのだろうか、今日においても貧困や抑圧と言った「構造的暴力」に対する闘いはこれまで以上に求められる。」という一文は、今日の時代に通じます。
 エピローグでは、「スペイン市民戦争とファッシズム支配を経験したヨーロッパはEUを形成し、強固なものにすることによって、平和へのステップを一段上がった」。「いまアジアでは、大きな構造変化と平和の共同体に向けた奥深い動きが起こっている。ASEANは、国の規模や歴史・文化も違う10カ国が協力して発展させた地域機構である」。「しかし日本はこうした流れにともすれば不協和音を持ちこみ、改憲と日米の軍事的融合という逆のベクトルに進もうとさえしている」。いまの普天間基地の問題、TPPがそうかもしれません。(写真は昨年12月旅行した宮古島のハイビスカスです)
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ひまわりネット再加入で失敗

2012-02-24 | 市民生活・企業都市

 テレビが地デジ化し、コミファー光に変えて2年が経ったのを機に、地元のひまわりに戻しました。コミファー光でも今一早くなかったし、動画がぶれるのがいやでした。接続に来てくれた人が、グッドウイルを紹介してくれて、1Gを2Gに安く部品交換できました。そこまでは良かったですが、ネットと電話とテレビで5000円ちょっととの説明が、見ないBSが1年契約でした。3カ月は無料とかでしたが、加入時の説明が不十分で後悔しています。説明者は臨時の人のようで、電話してもいませんでした。写真は枯れてしまったレモンです。囲いをしましたが、今年は特に寒かったです。
 <特記>
河村市長の南京虐殺事件はなかった発言で、歴史をみない人だなと思いました。中国への侵略戦争もなかったというのでしょうか。もう一度南京を、3月に訪問しようと思います。
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銀行屋さんも消費税反対

2012-02-14 | 市民生活・企業都市

自宅へ銀行屋さんが営業にみえました。景気の冷え込む消費税増税は、マイナスだと意見が一致しました。他にも日本経済の閉塞感で、成長に限界があること、世界経済恐慌、若者の雇用不安、年金崩壊、日銀の打つ手なし、「インフレターゲット」論、実態経済の不況、ヘッジファンドの規制など話がはずみました。民主党が自民党と同じ政治課題を掲げ、国民の選択肢がなくなっています。政治的には閉塞感が「既成政党」打破を望み、橋本さんが支持されているということでした。マスコミと世論が持ち上げていることは事実ですが、変種の「構造改革論」は破壊だけで、次の国家戦略がないとエジプトみたいになってしまう危険があります。営業マンは中国の尖閣諸島をあげ、アメリカの「抑止力」期待と「押し付け」憲法の問題を言ってました。政治的な見方は異なりますが、不景気のこの時期に消費税増税反対は一致しました。(写真は市役所近くの銀行の向いにオープンした、1~2坪のうどん屋さんです。)
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平成不況の本質

2012-02-13 | 気になる本

大瀧雅之(2011)「平成不況の本質」岩波新書
 失業率の悪化、消費の低迷、日本経済の不況はデフレが原因か。経済成長至上主義からの脱却、社会資本の充実を訴えるのが、主題です。時代区分として、80年代後半を「バブル期」、90年代を「失われた10年」、2000年代を「構造改革期」としています。納得のいく理論で、平成不況を考察するにはわかりやすい書です。幾つかの論点を拾ってみます。
 はじめにで「2001年の小泉内閣成立から現在の民主党政権に至る一貫した政治的潮流である『構造改革』、一言で言えば国家規模での『規制緩和』が、日本経済の景気にいかに影響を与えたか」という点は的確です。加えるならば、アメリカいいなり、大企業の成長支援策、そして公務員と福祉の切り捨てである新自由主義の流れが、マスコミまで依然止まっていないことです。新自由主義の分析は渡辺治などが早くから分析していました。民主も自民も同じ路線が鮮明になり、形を変えた新種の構造改革論がみんなの党であり、ポピュリズムに乗った橋ズムでもあります。対抗軸として新福祉国家構想、脱原発の新エネルギー政策がまだ浮上できないところが問題です。それは巧みな「改革論」のすり替えで、国際競争力、国家財政破綻による世代間不公平、公務員優遇論、アメリカ軍の「抑止力」などがあります。「土木・建築業をどうみるか」では、「コンクリートから人へ」の民主党のキャッチフレーズを批判していますが、諫早湾干拓、長良川河口堰、神戸空港、高速道路など大型公共事業のつけが、膨大な国の借金となっていることにふれていません。公共事業でも公園、住宅、人的な社会資本への転換が遅すぎたのでしょう。災害復旧における土木・建築の役割は必要ですが、規制緩和による土建国家は反省すべきで、リニアを凍結すべきです。
 1章「デフレとは何か」の中で、「失業率化GDP成長率化-成長戦略は『ねずみ講』」での分析は正論です。私もよく使うトリクル・ダウンの破綻です。「経済成長の「おこぼれ」(trickle down)に低所得者層はあずかっていない。経済成長は逆に雇用者間の絶対的不平等を引き起こしている可能性が大きい」としています。下村治氏はゼロ成長を早くから主唱したとのことです。最近では都留重人「市場には心がない」、広井良典の「定常型社会」があります。古典ではJSミルのゼロ成長論があります。「日本的経営」は何であったか、95年日経連の「新時代の日本的経営」で、(労働者の流動化が)生産技術の質を落としたと疑問視しています。
 2章「なぜ賃金が上がらないか」で、労働組合が弱いからとは言ってませんが、海外投資により「日本は失業と利潤を輸入し、雇用機会と資本を輸出していた」と指摘しています。さらに、株主主権がもたらす影響、企業が利益をあげようとして「対外直接投資が進むほど、為替レートが円高ドル安となる」として、「合成の誤謬」が問題としています。
 3章「企業は誰のものか」で、「派遣法緩和で喜んだのは誰か、利潤最大化行動はどこまで正当化されるか」問題提起しています。「労使どちらが得をするかでなく、社会全体としてどれほど豊かになっているかが問題」としています。大企業が利己利益のみ追求し、労働者の所得、雇用、社会保障の不安で、デフレ、経済不況を招き持続不可能な日本となっていることが、わかりやすく経済理論で説明されています。
4章「構造改革は何だったのか」、終章は「いま、何が求められているのか」です。円高、デフレ、借金財政の下で、構造改革は何だったのか、グローバル化をどう読み解くか、消費税問題、TPP問題、日本の「豊かさ」を考えるのに、理論的根拠となる本だと思います。(写真は2・11の第33回トヨタ総行動で、場所は白浜公園)
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豊田で大雪

2012-02-02 | 市民生活・企業都市

豊田で雪が降るのは、稲武などの山間地を除いて年3回ほどです。年末と厳冬期と春先です。早朝に用事があったので、昨夜からチェーンを引っ張り出し準備していました。昔のようにチェーンを着ける人が少なく、通る車では判断できません。途中で外せばいいかなということで、安全をみました。幹線道路はいいですが、路地裏では積雪がありました。用事を済ませ帰りかかると、6時頃から雪が激しく降り始めました。チェーンが正解でしたが、ガソリンがEで心配でした。途中スリップしてガードレールに追突した車を1台、トラックが坂を登れず立ち往生しているのを1台見ました。10㎝ほど降りましたが、昼前には道路面はほとんど融けていました。雪国では大変ですが、この程度の雪ならこの辺の子どもは喜んでいるでしょう。
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