豊田の生活アメニティ

都市デザイン、街歩き・旅行、くらし

低炭素都市・地域づくり

2013-02-19 | 都市計画・まちづくり

 2.12国土交通省主催の「中部圏低炭素都市・地域づくりフォーラム」が、豊田農協ホールで行われました。基調講演は名城大学の海道先生で、各市町からは首長が報告しました。豊田市では次世代自動車とスマートハウスの実証実験を企業がベースにし、モデル地区では市がそれをPRをしています。
 写真は後に視察したモデル地区で、水素ガスの供給スタンドが建設中でした。普通のガソリンスタンドでは建設費1億円だそうですが、これは5億円と高いそうです。これを2億円くらいまでにしたいなどと、所管の部長と担当の方が現地に居合わせ説明してくれました。水素ガスは水素と酸素が結合する時に熱を出し、それを電気にする装置を車に乗せるそうです。廃棄物は水だから安全です。水素ガスは輸入だそうで、水素が安く製造できるかも問題です。6億円の建設費は民間企業の設置だそうです。
 浜松市長は役人時代に六か所村の「核燃料の再処理工場」を、自慢げに話されていました。浜松市は多様な産業の集積が、環境都市づくりにどう生かされているのか、聞きたいところです。飯田市の場合は視察に行きましたが、市民出資による太陽光共同発電事業を紹介していました。ここではペレットを1000tの事業ベースに乗せたのも参考になります。しかし、大企業のメガソーラやリニア誘致の開発思想は疑問が残ります。幸田町は相見地区のJR新駅と土地区画整理事業の紹介でした。近いうちに見学したいと思います。
海道先生の話は地球温暖化と低炭素の関わり、コンパクトシティ論とその事例で参考になりました。先進的な事例が一堂に会し話が聞けるのは、さすが国土交通省中部地方整備局の力です。低炭素社会の構想は原発事故前に造られたもので、そこからの転換、自然再生エネルギーの抜本的利用などの視点は欠けていました。
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第34回トヨタ総行動

2013-02-12 | 市民生活・企業都市

 雪がちらつく寒い中、トヨタに対して社会的責任を果たすよう、集会、パレードが2月11日に行われました。集会は午後は1時から山の手公園で、約1000人が集まり、本社へパレードが行われました。トン汁が用意され2回もいただきました。トヨタ労働者、ソニー美濃加茂労働者、民主商工会、東京大気汚染裁判団から決意表明がされました。決議の要旨は、内部留保を一部活用し、下請け単価の改善、労働者賃上げ、正社員の採用が目玉です。この10年間で賃金は下がっても、内部留保は増え続けました。トヨタも14兆円となりました。また、安倍政権に代わって一時的に円安、株高になっています。日銀に物価上昇率2%を押しつけ、消費税増税の根拠にするものです。労働者への賃上げがなければ、デフレ不況は克服できません。アベノミクスは①金融緩和でお金の量的緩和、②公共事業のばらまき、③成長戦略で労働規制の緩和、企業の減税など、小泉内閣で失敗した政策です。特に、若者の正社員化を大事にしないと、日本の将来は希望が持てません。写真は本社に向かってパレードです。
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静かなる大恐慌

2013-02-06 | 気になる本
 
 柴山桂太(2012)『静かなる大恐慌』集英社新書
今日の時代を大恐慌と見ることに賛成です。なぜ1929年の大恐慌と違ってドラスチックでないのか、各国政府がてこ入れし問題を先送りしているからです。サブプライムローンの住宅バブルや、金融工学、債権の証券化などアメリカ発の経済危機と思っていましたが、EUの銀行もしっかり投機をしてつけが回っているのです。アメリカ、EUがだめになると日本も中国はじめアジアもダメになるのがグローバル化経済です。それにしてもアベノミクスは小泉政権で失敗した構造改革路線であり、大局を見ないものだと思います。金融緩和で円安、株高に当面なっているので後のつけが怖いものです。この本はケインズの理論を基本とし、長いスパンで分析しています。発行が12年9月のためアベノミクスについては触れていません。以下著書の気になったポイントを拾います。
 経済危機の本質を見誤る「3つの壁」(p19)を指摘しています。1、今の世界経済危機は単なる景気循環による一時的な落ち込み。2、グローバル化や自由化の果てに国家間の対立が表面化。3、経済危機にとどまらず、国内政治の危機を伴っているのに、両者の関係を分析。
 「大量の資金が有利な投資先を求めて、世界中どこでも流れ込み、一瞬に引き上げます。どの国の政府も、このような資金の流れを管理することができません」(p32)。G20でもコントロールできず、実態経済との乖離も問題です。アメリカの力と信用も失墜し、IMFも機能しているとはいえません。世界の利益か自国の利益か、それとも多国籍企業の利益か、展望の見えないところです。「アジアの成長を取り込む」ことが果たして可能か、アメリカの枠組みに取り込まれるのか。TPPへの対応が問われます。
日本経済も世界経済も不況から抜けられず、資本主義体制の限界でしょうか。アメリカも製造業の再生と輸出拡大を狙っていますが、一旦産業空洞化(脱-製造業)した経済の再生は容易ではありません。「通貨切り下げで、産業の空洞化は止められない」(p78)のが著者の考えです。これは今後の日本が真剣に考えることだとしています。先行き不透明です。日銀も機能しているとは思えません。
 「パクス・アメリカーナは終焉したのでは?」(p83)と指摘しています。ソ連が崩壊し冷戦が終結し、唯一の超大国アメリカが国際秩序を維持し平和が実現できるのか。リーマンショックはアメリカの威信を傷つけ、イランの核開発、中国と周辺国の争いなど多発しています。
 ロシア、中国を「国家資本主義」と規定し、一方欧米を「自由市場資本主義」規定しています。どちらもそれぞれ難題を抱えています。「自由資本主義と国家資本主義の「違い」は、それほど明確ではありません」。例としてアメリカが「大きすぎてつぶせない」として、金融機関、GM、AIGなど全面的救済しました。中国もアメリカも軍事力を背景に、石油資源の確保を強引に進めています。「資本主義はすべて本質的に国家資本主義」と、規定しています。その通りだと思います。
 他にも沢山の考えるヒントと議論するテーマが整理されている本です。
(写真は大林のmotomachi coffeeです。テレビでもやっていたので、初めて行きました。洒落た店で流行っていましたが、改造のため段差のバリアにつまづいてしまいました。)
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