豊田の生活アメニティ

都市デザイン、街歩き・旅行、くらし

津波てんでんこ

2011-09-23 | 都市計画・まちづくり

 津波てんでんこは、津波がきたら家族や病人をかまわず、一目散に高い所へ逃げろという教訓です。山下文男の「津波てんでんこ」という本のタイトルでもあります。彼は近代の津波の被害を丹念に調べ、その恐さを書いています。彼自身も今回の津波を、陸前高田の病室で遭遇し、観察していたところ危うく巻き込まれるところでした。
 昨年12月に書かれた河田惠昭の「津波災害」は、津波の恐ろしさと理論的解説を分かりやすくしています。津波は防波堤にぶつかると、位置エネルギーに転換し5割ほど高くなること、0.5mの津波でも人間は立っていられないこと、引き波だけでなく押し波もある、1分と長く揺れる地震は津波に注意することなど学ぶことが多いです。ただ、津波による原発の危険性までは指摘されていませんでした。「津波てんでんこは悲しい伝承とは限らない」として、声をかけあって逃げることだとしています。しかし、今回の津波では消防団、警察官、自治体職員、あるいは家族など助けにいって犠牲になった人も多くいます。生き伸びた人も助けれなかった人のことを考えると悲しみを背おっています。9月23日の毎日新聞で石塚孝志記者の「悲しい決断をせずに済む備えを」という記事は、津波てんでんこの教訓を理解した納得のいくものでした。住宅の高台移転も大事な復興政策ですが、現実はなかなか進んでいません。広域で複合的で多様な東日本大震災の被害は深刻で、住宅と仕事の確保を優先した復興を急ぐべきです。近いうちに調査旅行に出かけたいと考えています。
 写真は実家から貰った庭先の彼岸花です。暑さ寒さも彼岸花とはよく言ったもので、台風一過涼しくなりました。
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東日本大震災と防災・減災まちづくり

2011-09-21 | 都市計画・まちづくり
 やっと「西尾の歴史まちづくりの実現性について」のレポートがまとまりました。しばらく休んでいたブログを書きます。西尾市街地再生は犬山モデルが最適と思いますが、市役所にその気があまりありません。そこで、建築学会で聞いた椎原昌子さんの台東区谷中学校の、金なし、人なしで始めたまちづくりから、学ぶことが適切と考え、情報収集のため、facebookとツイッターを始めることになりました。

 さて、本日は台風が東海地方に接近で、自宅待機していましたが浜松へ上陸しました。災害は忘れた頃にやってきます。普段の備えと危険を察知する学習・イメージ力が大事だとおもいます。9・16に名古屋市立大学人間文化研究所のサイエンスカフェに行ってきました。お話は山田明教授で、先生の専門は地域政策、地方財政、公共投資論、都市まちづくりなどで、防災は専門ではないと言って見えました。しかし、3.11以降ほとんどの図書、写真集、新聞切り抜きを集め、現地にも3回行って見えます。津波は想定外とか、原発の安全神話を唱えた学会よりも、畑違いの方が真理を突いている場合が多い時代です。先生が集めた資料から作成したレジメは貴重な資料で、私もまず現地に観光でもいいから、行こうと決めました。以前は神戸、台湾、輪島、新潟など飛んで行ったものでした。先生の熱意に感銘し、液状化、高台移転、原発と代替エネルギーなど調査をしようと考え直しました。意見交換からも、情報の伝達と的確な個人の判断の重要性、広域複合の大震災からの教訓、神戸との違い、「異端者」とされた京都大学の小出裕章氏の話など教訓的でした。非常時に慌てることなく、食料の備蓄、近所の付き合い、住宅の耐震診断、家具の固定、連絡方法、スリッパ、懐中電灯などできることは準備しなくてはと、自助努力を確認しました。写真は市大病院のエントランスの横にある、サイエンスカフェの入口です。
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