東海農政局の第4回検討委員会のパイピング破壊は、複合的要因とした中間報告を読んだ感想である。
明治用水頭首工の漏水事故について、昨年中間的な要因が中間的に報告されている。それを読んで、頭首工の上流の左岸魚道近くから漏水が始まり、流量の増大、止水版の矢板がない、コンクリートの劣化、地盤に砂層がある、古い設計など複合的要因でパイピングにより漏水が拡大した、中間的な漏水原因の報告がされた。説明を受けたわけでないが、妥当な判断と理解できる。このような施設は他にもあり、老朽や地震、気象などの状況の変化など維持管理の点検補修の必要性がありうる。上流の鵜の首の改修工事との影響は無いのか?利用目的が工業用水へと変化にどう対応するか?一般市民や市職員の技術者への原因と教訓の説明会が求められる。
東海農政局の「明治用水頭首工の漏水事故」第4回検討委員会(2022.9.30)の資料
◆発生要因、経年・劣化関係
○明治用水頭首工は、昭和26年度~昭和32年度までの7年間で建設。 その設計は、河川計画(当時)の計画高水流量2,800m3/s(頭首工地点)に基づいたもの。
○昭和49年に改定された河川計画では、計画高水流量は、頭首工設計当時の約2倍の5,500m3/s(頭 首工上流地点)に変更。
○設計当時の想定を超える流量が度々流下しており、エプロン等への外力が発生。
◆複 合 的 要 因 に よ り 、 パ イ ピ ン グ に よ る 浸 透 破 壊 が 発 生
設計
・設計は基準が制定される前の昭和20年代のもの (エプロン継目に止水板が存在しない)
・左岸側取り付け部に岩着の止水矢板が存在しない (現存する図面が不正確(存在しない矢板を記載))
地盤
・堰下に、厚さ2~3m程度、N値10未満の砂層が分布
・上流及び下流エプロン下に、砂層が分布
劣化作用
・経年による材料や地盤の変化 エプロン接続部のコンクリートの劣化や緩み 魚道横の張(コンクリートやエプロン下の基礎地盤の緩み 石礫等の接触による魚道横の張コンクリートやエプロンの損傷)
教訓
1 漏 水 発 生 前
( 1 ) 最 新 の 基 準 に よ る 設 計 の 照 査 ・ 浸 透 路 長 の 確 認 ・ 止 水 矢 板 の 有 無 確 認 ・ 上 下 流 エ プ ロ ン 継 目 の 止 水 板 の 有 無 確 認 ・ 魚 道 や 張 コ ン ク リ ー ト 部 の 基 礎 の 確 認
( 2 ) 地 盤 の 確 認 ・ 緩 い 砂 層 な ど 、 パ イ ピ ン グ の 危 険 性 を 把 握
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます