豊田の生活アメニティ

都市デザイン、街歩き・旅行、くらし

神野直彦「地域再生の経済学」①

2024-05-19 | traveling, town walking

神野直彦(2002)『地域再生の経済学』中公新書

「財政と民主主義」を読んでの再読である。そこには財政あっての経済とある。国家債務が危機的な状態にある中、国の失敗を国民と自治体にしわ寄せする。それでも武器の爆買い、自民党の裏金である。国民の怒りは3補選で野党勝利に表れた。以下本の抜き書きである。(  )内は私のコメント。

 工業都市が衰退しているのも、歴史が工業社会から情報・知識社会へ転換しているからである。情報・知識社会になったからといって、ものづくりが終わりを告げるというわけではない。(ものづくりは農林業も含むべきである。)生産性の向上とは、人間の知識の向上のたまものである。工業社会から情報・知識社会へと転換するエポックに、工業都市は衰退し地方都市は荒廃する。そこで都市再生が課題となる。(全国的に工業都市は衰退したが、地方都市の豊田市の工業は衰退していないけれど、人口減や下請け企業と農林業の衰退などがみられる。)

 ヨーロッパの地域再生とは、市場主義によらない地域再生であり、それは市民の共同の経済である財政による地域再生と言うことができる。都市再生のキーワードは環境と文化である。自動車の侵入しない人間が歩きたくなる市街地の地価は上昇し、高級ブランド店やフランチャイズ店が進出して商店街は活況を呈している。市場主義による都市再生によって市街地の地価が下落し、かつ商店街が荒廃している日本の現状とは好対照をなしている。(現在はEUでは移民が増え右翼ナショナリズムが台頭。豊田市では再開発で高層ビルが出来、人口が増えても既存の商店は追い出され、百貨店、スーパーも閉鎖に追い込まれている。それでもイベントを軸に都市整備をトヨタと進めている。)人間的都市に優秀な人間が集結し、新しい産業が芽生え、ストラスブール(フランス北東部の都市)では雇用も増加している。

 失敗に学習することなく、今また市場主義に基づく都市再生が展開している。大地の上に巨大な構造物が竣立するけれども、大地の上から人間の生活は奪われ、無機質な死せる都市が誕生するだけである。地域再生とは、人間の生活の場の創造に他ならない(豊田市では駅前再開発で高層マンションは増え、綺麗になったが賑わいがない。地元商店は追い出され、ついにメグリアまで撤退に追い込まれた。それでもイベント型の都市整備をすすめる。失敗に学ぶことがない)。サスティナブルシティは人間の生活の場としての持続可能性である。つまりサスティナブルシティとは工業の衰退によって、荒廃した都市の生活の場としての持続可能性(sustainable)を目指す都市に、再生しようとする動きである。(豊田市のすすめる「コンパクトシティ」は駅周辺に人口や都市施設を集約するが、農山村は放置し衰退している)。地域社会再生は帝国を目指す覇権国アメリカが、推進するグローバリゼーションへの対抗モデルでもある。グローバリゼーションこそ自然破壊の最大の脅威であり、人類の生存を脅かす破壊者でもある。良好な自然環境とともに人間的接触(交流)を可能にする公共空間が提供されなければ、地域文化を沸き立たせることはできない。(スタジアムのある中央公園は、農地を潰し洪水浸水区域に木をたくさん植える公園計画で、スタジアムのための大駐車計画でありPFIでトヨタ系会社が作ろうとするものである。市民に知られては困り、情報が未開示である)。市場主義を拒否した地域再生とは、市民の共同の経済である財政による地域再生であることを意味する。地域再生とは「公」を再生し大地の上に、人間の生活を築く戦略だと言うことができる。

 農業では生活の場は生産の場と一致する。農業社会の都市とは農村の余剰生産物が取引される市場であり、周辺に配置されている農村の交流の場ということができる。都市には、二つの顔がある。一つは市場という顔で、もう一つは自治という顔である。

 終わろうとしている大量生産・大量消費の工業社会は、国民国家の時代でもあった。このエポック(時節)には、国民国家の時代も激しく動揺しているということができる。国民国家が競争原理に基づく市場経済を、福祉国家を形成して制御することで実現した大量生産・大量消費の工業社会が行き詰まっているからといって、それが失敗だったというわけではない。歴史的使命を終えたということができる。

 生産性上昇の恩恵にあずかれるものは、企業に雇用されているものだけである。働いていない失業者や、働くことのできない疾病者あるいは高齢者などは除外されてしまう。そこで政治システムが所得再分配を実施する。例えば埼玉県が、所得再分配を強化すれば埼玉県に貧しい者が流入し、豊かなものが流出してしまう。これが地方自治体が所得再分配を実施しても意味がない、という理由である。所得再分配国家の前提だったブレトン・ウッズ体制は、1971年にアメリカの一方的な通告によってもろくも崩れることになる。一環としてドルと金の交換を停止し、実質的にドル切り下げとなる輸入課徴金賦課を発表したからである。

 工業では自然が排除され、合成ゴムに限らず自然には存在しない多くの合成物質が、現在では利用されている。そうした合成物質が自然の再生力を奪い、ひいては人間の生活を破壊して行くことになる。「ヨーロッパ・サスティナブル都市最終報告書」も「市場メカニズムに依存していたのでは、都市の持続可能な成長は実現できない、と述べている。

 リストから財政学が継承した思想は大きく二つにまとめられる。第一に、市場経済の外側にある非市場経済をも考察の対象とするということである。第二に、コミュニティつまり地域共同体を重視するということである。 1980年代になると、ブレトン・ウッズ体制が崩れ、金融自由化が進み、資本は一瞬のうちに租税負担の低い国民国家へとフライトしてしまう。逆に貧者に手厚い現金給付を施せば、貧者は流入してくる。そうなればたちまち財政は破綻してしまう。そこで第二次大戦後のブレトン・ウッズ体制の下では資本の自由な動きを制御する資本統制の権限が、国民国家に認められていたのである。

 社会的セーフティ・ネットが存在し、努力しないでいい敗者になったとしても救済されてしまうから、モラルハザードが働く。努力した者が報われる社会を形成しよう。効率の悪い者が破れ、効率のよいものが勝者となる 頑張った者は報われる、競争社会が活力を生む、という新自由主義社会である。

 やがて皮肉な事に、唯一の地場産業として地方には公共事業が残るだけになった。地方都市が唯一の地域産業である公共事業に、縋らざるを得ない状況が出来上がってしまったのである。(豊田市の財政は恵まれているが、ハードと大企業優遇である。自民党は普通建設事業300億円以上を要望し、市はそれを実施している)。

地域社会に根ざした食文化を失えば、自給率は急速に落ち込む。日本は食の文化を破壊して、食料自給率を落ち込ませてきたけれども、工業製品を輸出することで食糧の輸入を確保してきた。工業製品を製造する工場は1990年代に海外へとフライトをし始めた。(みよし市の食料自給率は9%と議会答弁しているが、豊田市で聞いても教えてもらえない。以前は15%と聞いたことがある)。

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豊田市の秘密主義を問う③

2024-04-09 | traveling, town walking

 

 市長側より私の意見書に対し、写真のように再弁明書が出された。主な点は、1,議題すら公表しないこと、2,私の意見者は担当課の事業内容、HPから推察できる、3、未公開の理由に情報公開条例第7条4号を、自分の評価で決めている、ことに問題がある。次回、私の意見書2で批判する。

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豊田市の秘密主義を問う②

2024-04-08 | traveling, town walking

2024年2月22日

豊田市情報公開・個人情報保護審査会 様

審査請求人 本多弘司

 

 意見書及び資料の提出について

 令和6年諮問第1号について、以下のとおり提出します。なお、便宜上区画整理支援課・市街地整備課、都市整備課等、公園緑地つくる課のテーマ別に非公開テーマを考慮推察して、意見を3部に分けます。

 

区画整理支援課・市街地整備課の提出議案について意見①

 経営戦略会議での本議案は名鉄の上豊田駅周辺の開発と推察される。

 豊田市は人口が総合計画で予定されていた42万人を切り、予想より早く人口減少期にあり自然減、社会減(特に25~39歳の転出)である。出生数の激減、非正規労働者が定住できず市外へ転出している。

当該地は市街化調整区域であり、人口減少期に予算と期間のかかる区画整理事業で、市街地の拡大をすべきでないと考える。市街化と調整区域を分ける区域区分、いわゆる線引きは愛知県の都市計画区域マスタープランで決定される。それによると、区域区分は「都市的土地利用の無秩序な拡大による社会的費用の増加と環境悪化の防止、計画的な都市基盤施設の整備による良好な市街地の形成、市街地近郊の優良な農地との健全な調和などを図ります。」とある。都市計画法では、市街化区域は整備された市街地と10年以内に整備される区域で、市街化調整区域は市街地を抑制する区域とされている。

現在、豊田市は市街化区域でも駅周辺に住宅や都市施設を集中する立地適正化計画を進めている。それは人口減少期に入り、市街化区域が相対的に過剰となり市街地を縮小する流れにある。なのに当市の計画は調整区域を区画整理事業で市街地で拡大しようとするものであり、県の区域マスタープランや立地適正化計画と矛盾する。財政状況も法人市民税が半分近く国費とされ、景気に左右されることから厳しくなり、ハード事業を縮小しソフトへの予算転換がされるべきである。行政運営の基本に関わる課題を市民に公開し、総合計画、都市計画の情報を開示し議論を進め、市民参加を促すべきである。

参考資料

愛知県都市計画区域マスタープラン(区域区分)

豊田市立地適正化計画(コンパクト、新市街地拡大)

豊田市8次総合計画後期(人口見通し)

豊田市の人口ビジョンR3

豊田市「令和3年度公共施設等最適化検討業務委託」

 

都市整備課等の提出議案について意見②

 この議題は、これまでの都心開発を踏まえ、今後の都心再整備を議論されたと推察される。

豊田市駅を中心に都心は、「豊田市の顔」として1~5次の再開発事業など30年1000億円以上、さらに「選択と集中」(予算編成方針、普通建設事業費300億円以上)で投資してきた。しかし、市民の声は「中心市街地ににぎわいや魅力」(市民意識調査2023)を感じない人が59.8%と、行政運営が市民意識と乖離している。これまでの検証と今後の計画を、人口減少の時期に財政的にも見直す必要がある。

昨今、市はイベントを軸に都心開発を促進してきた。ラグビーでは約73億円の経済波及効果があった、としているが百貨店の撤退、都心の店舗売上、賑わいなど効果は目に見えない。また、市の評価は都心の人口増、通行人の増加を議会で答弁しているが、一面的である。歩行者天国と東口駅前広場、バスターミナル西口集約など進めようとしている。市駅利用者のバス利用者の実証実験を行ったが、計画では東口の駅手前で下車し西口ターミナルに回るので、東口利用者の利便性が落ちる。歩行者天国は2026年のサッカーアジア大会誘致予定までは凍結としているが、その先は未定である。

私は先回も本件を公開請求したが、タイトルのみで全面的な非開示である。その後、当面の事業概要は市HPで一部公開されているが、基本的な位置づけ、目的、方針、予算などが不透明である。市民が多大な市予算を使った事業の公共性を確認し、市民が思う魅力や賑わいに供する計画かを知るには、経営戦略会議での検討内容、資料が必要であり、固有名詞は伏せたとしても全面的開示が不可欠である。R2年11月9日の第5回経営戦略会議の議題2は都市整備課提案であり、今回再度公開請求したがテーマ、趣旨、協議内容が、前回同様ほとんど黒塗りで、魅力や賑わいをどうつくるのか不明である。市民の知る権利を保障し市民参加のために、公正で透明な市政運営を求め審査請求するものである。

◆参考資料 都心での主な事業経過                    

  • 施設建設

・スタジアム建設2001年450億円、現・指定管理(株)豊田スタジアム、豊田市中央公園

・美術館建設1995年、現・博物館建設中

・1次・T-face,そごう百貨店誘致、撤退 追加出資約51億円

松坂屋誘致、撤退 追加出資約30億円

・2次・ギャザ(店舗、事務所、住宅、駐車場など)

・3次・参合館(店舗、図書館、コンサートホール、駐車場など)

・4次・コモスクエア東西(店舗、事務所、住宅、駐車場など)

・5次・Kitara(店舗、映画館、福祉施設、住宅、駐車場など)

  • 主な計画とイベントなど

・都心環境計画(豊田市H28.3)市HP

・「都心の未来デザインブック」(駅前広場、イメージ、2016年頃?作成者不明)市HP

・ラグビーワールドカップ 2019 (経済波及効果、スポーツ課)

・第5回経営戦略会議(2020・R2.11.9都市整備課議題2) 情報公開請求2回

・中心市街活性化計画(R5~9年度)2023 (都市再生推進法人TCCM)

・ラリー2023年度(ラリーと地域振興)

◆参考資料

・H28.3 都心環境計画(都市整備課)市HP

・2019年5月30日更新日 市HP 駅前広場事業認可の設計概要縦覧について

・2020年 第5回経営戦略会議(百貨店撤退、駐車場約4,000台、都心開発の転換か?)

・2021年 市民意識調査 市HP

・2023年3月25日更新日 市HP 駅東口広場の実証実験 交通影響調査結果

・2023年4月19日更新日 市HP 都市再生整備計画(都市構造再編集中、ウオーカブル)

・2023年 市民意識調査 市HP

・2023年度 豊田市駅周辺の整備お知らせ 市HP(都市整備課)

 都心環境計画における整備の内容、東口まちなか広場整備、今後の駅西口整備など

・2023年度 駅西口広場整備に関する技術協力の業務委託(工事費、報告書、技術提案)

・更新23.11.24      〃   プロポーザル(結果) ECI方式、仕様書

 大林組、矢作道路共同企業体、(設計者 中央コンサル、ランドブレイン)

 

公園緑地つくる課の提出議案について意見③

 本議案は中央公園2期整備の計画、事業の推進と推察される。

 当該地は市街化調整区域の農地であり、豊田市洪水ハザードマップでは浸水区域になっている。現在豊田スタジアムがあり、イベント時には一時的に交通が問題となる。過大な都市施設の立地は適切でない。

 豊田市は人口減少期に入り、財政逼迫・流動化、コロナと消費税増税で都心での空き店舗の増大、松坂屋の撤退など、都心に魅力を市民は感じていない。これまでの大型公共事業を見直し、ハードからソフトへの転換、特に少子化対策、若者・子育て支援策の財政強化が必要である。このことから以下の疑問があり、どのような理由で優先されるようになったのか、経営戦略会議での資料を公開して、市民の都市計画への参加が求められる。

 計画への疑問点

1 事業予算、期間が明確でない。基本計画のある毘森公園など他の既存施設の整備が遅れる。P-PFIを前提にしていることに問題がある。

2 規模が適正でない。サッカーコート、ハーフメイド広場など規模と計画が市民要求に合っていない。市の「緑の基本計画」(都市計画課)では、計画決定した地区の公園整備が遅れている(初陣公園、新生公園、自転車道など)。車で来ることを前提として、大駐車場が計画されている。車で行く公園は鞍ケ池公園があり競合する。

3 中央公園は市街化調整区域(農地)で、洪水ハザードマップで浸水想定区域である。立地適正化計画の「都市機能誘導拠点」ではない。

4 農地を潰し「森林の大切さ」をレガシーとできない。自然観察の森が有り、山間地の自然保全、間伐材の活用が不十分である。「木と森と水のつながり」を展示する必要はない。

 参考資料

中央公園第二期整備計画推進会議(第1回)H30

中央公園第二期整備の基本構想H31

     〃    基本計画R1

〃    事業認可説明会資料R3

豊田市緑の基本計画2018

*以下続く

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西谷「私たちはどんな世界に・・」②

2023-11-30 | traveling, town walking

戦前の日本の強権的な統治とか、創氏改名を強いられて塗炭の苦しみを舐めてきた人たちに対する負い目のようなものが、「日本人」から振り払われてしまって、日本が妙に自信を持つようになった。これが「日本修正主義」の勝利である。拉致問題は、解決を遠ざけたからこそ維持しうる「問題」になった。

 朝鮮半島の場合、停戦になっているが、基本的には対峙状態のままである。三十八度線をはさんで、同じ民族の敵と向き合いながら国を作ってゆくという状態に置かれるのである。

 北朝鮮が国家維持のためにどうするか。核武装することだ。市場開放したら、たちどころに吞み込まれてしまう。それはソ連や東ドイツが示したことだ。

 冷戦後、アメリカは核不拡散を重要な世界戦略にした。新たな核抑止力を持つ国をなくしてアメリカ自身がグローバルな軍事的優位を確保する道である。

 核武装は対アメリカであって、韓国も、ましてや日本も眼中にない。核があればアメリカと交渉でき、国が潰されないという確証を持てれば、それで韓国と対等以上にやれる。そうなったら核兵器は必要ない。

 日本にとって世界を規定していた西洋的な転換より、「明治の終わり」が大事件だった。そこから世界史の基本的な方向と、近代日本の進路にずれが始まり、その逸脱による破綻を脱したのが敗戦だった。

 国民国家の実質構造は崩れていく。そうなった時に統治層はアメリカに対して、「お役に立ちますぜ」ということで、自分たちの地位を確保してきたから、アメリカの言うとおりに

ついていき、言うとおりにかじを切り、軍事の肩代わりをするわ、国の資産をアメリカの市場に提供するわ、いったいどこの国の政府かわからなくなる。

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河合「日本銀行 我が国に迫る危機」③

2023-06-24 | traveling, town walking

河合小百合「日本銀行 我が国に迫る危機」

5章 異次元緩和が支えたアベノミクスと残された代償

2012年第2次安倍政権が掲げたアベノミクスがある。2008年のリーマンショックと11年東日本大震災があり、閉塞感が強くデフレ脱却を目標に3本の矢がある。①大胆な金融緩和、②機動的な財政出動、③民間投資の成長戦略である。(株価は上がったが、賃金やGDPは上がらなかった。消費税増税は法人税引き下げに消えた)安倍氏は22年「日銀は政府の子会社」、「1000兆円の半分は日銀に買ってもらっている」。財源の裏付けのない「バラマキ政策」で国民の支持を集めた。

日銀の債務超過は、「国民」が免れてきた利払い費のつけである。日銀がこの先超過債務の赤字に転落することになるのは、長期間国債の金利を0に抑え込んで、その国債を(市中銀行から)日銀が抱え込んだからである。

ETF買い入れで人為的な株高を演出。異次元緩和は国債の利払い費の増加抑制や株の吊り上げ、と政府にとって都合が良い。

6章 事実上の財政破綻になったら何が起きるか

110兆円の予算の36兆円は新規国債である。「わが国には2000兆円の家計貯蓄がある」。「ギリシャと違って、国債のほとんどを国内で消化している」。GDP比260%を超えて本当に大丈夫か?「昭和財政史」で戦後の財政破綻が報告されている。皮切りは「預金封鎖」で国民の資産を差し押さえ、ハイパーインフレになったらデノミネーション。私たち「国民が税の負担」を嫌がり、平気で多額の赤字国債を発行し続けて後世に負担を押し続けるという、財政運営の大いなる甘えがまかり通っている。

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岐阜市立中央図書館視察

2023-02-27 | traveling, town walking

 行きたいと思っていた伊藤豊雄設計の図書館で、行きそびれていた。図書館を考える市民の会の視察に同行させてもらった。雑誌などでは見ていたがオープンして早7年、隣に岐阜市役所も新設されていたので、そこでランチを食べた。建物の色は地味であるが、2階建ての知、文化、交流の複合施設である。周辺にせせらぎの並木を配置し、デザインも自然に溶け込んでいる。何よりも市民の声が大事に生かされている。読書スペースがたっぷりあり、私のように予約して本を借りるだけでなく、滞在型の楽しめる図書館である。レイアウトはグローブごとに分けられ、企画展示など職員に働き甲斐が感じられる。

 気になっていたのは屋根と天井材で、東農のヒノキを使っていることと、耐火性能評定を取っている。中央の柱は細い鉄の丸パイプで、大空間の構造も興味深い。HPの経過を見ると、基本構想、基本計画、パブリックコメント、としっかり時間を取り市民の声が反映されている。施工から管理一帯の「PFIの検討」と経過に書いてあったので質問したが、運営は直営に近くPFIではなさそうである。

 豊田市の効率優先の指定管理では、職員もやる気が出ないのではないだろうか。雑誌も多く置いて、滞在型のくつろげるコーナーも欲しい。岐阜市の司書への質問コーナーも楽しいし、学校との連携も学ぶところである。豊橋の駅前図書館の分館も楽しめる図書館であるが、岐阜市も駅前に分館がある。大きな市域の豊田市では、分館が必要である。それと、射水市のような絵本図書館や自然観察の森での図書コーナーなども欲しい。公共施設は計画、設計、施工、管理と市民参加による合意形成を、公開で丁寧に行うことが必要である、と感じた。

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明治用水の頭首工漏水事故の要因

2023-01-29 | traveling, town walking

東海農政局の第4回検討委員会のパイピング破壊は、複合的要因とした中間報告を読んだ感想である。

 明治用水頭首工の漏水事故について、昨年中間的な要因が中間的に報告されている。それを読んで、頭首工の上流の左岸魚道近くから漏水が始まり、流量の増大、止水版の矢板がない、コンクリートの劣化、地盤に砂層がある、古い設計など複合的要因でパイピングにより漏水が拡大した、中間的な漏水原因の報告がされた。説明を受けたわけでないが、妥当な判断と理解できる。このような施設は他にもあり、老朽や地震、気象などの状況の変化など維持管理の点検補修の必要性がありうる。上流の鵜の首の改修工事との影響は無いのか?利用目的が工業用水へと変化にどう対応するか?一般市民や市職員の技術者への原因と教訓の説明会が求められる。

東海農政局の「明治用水頭首工の漏水事故」第4回検討委員会(2022.9.30)の資料

◆発生要因、経年・劣化関係

○明治用水頭首工は、昭和26年度~昭和32年度までの7年間で建設。 その設計は、河川計画(当時)の計画高水流量2,800m3/s(頭首工地点)に基づいたもの。

○昭和49年に改定された河川計画では、計画高水流量は、頭首工設計当時の約2倍の5,500m3/s(頭 首工上流地点)に変更。

○設計当時の想定を超える流量が度々流下しており、エプロン等への外力が発生。

◆複 合 的 要 因 に よ り 、 パ イ ピ ン グ に よ る 浸 透 破 壊 が 発 生

設計

・設計は基準が制定される前の昭和20年代のもの (エプロン継目に止水板が存在しない)

・左岸側取り付け部に岩着の止水矢板が存在しない (現存する図面が不正確(存在しない矢板を記載))

地盤

・堰下に、厚さ2~3m程度、N値10未満の砂層が分布

・上流及び下流エプロン下に、砂層が分布

劣化作用

・経年による材料や地盤の変化 エプロン接続部のコンクリートの劣化や緩み 魚道横の張(コンクリートやエプロン下の基礎地盤の緩み 石礫等の接触による魚道横の張コンクリートやエプロンの損傷)

教訓

1 漏 水 発 生 前

( 1 ) 最 新 の 基 準 に よ る 設 計 の 照 査 ・ 浸 透 路 長 の 確 認 ・ 止 水 矢 板 の 有 無 確 認 ・ 上 下 流 エ プ ロ ン 継 目 の 止 水 板 の 有 無 確 認 ・ 魚 道 や 張 コ ン ク リ ー ト 部 の 基 礎 の 確 認

( 2 ) 地 盤 の 確 認 ・ 緩 い 砂 層 な ど 、 パ イ ピ ン グ の 危 険 性 を 把 握

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岡崎駅前、リバーサイドテラス

2023-01-12 | traveling, town walking

11日東岡崎前のリバーサイドテラスへ、割引券をもらったのでうなぎを食べに、初めて行きました。駐車場の他にレストランがあります。乙川の景観を生かし、川沿いの散歩道を活かした設計です。身の丈に合い、地の利と利便性を活かしています。豊田市はスタジアムを中心としたイベント型、外来型の駅前再開発で、「にぎわいと魅力がない」市民は64%です。市議選の争点にして欲しいです。

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江之浦測候所

2022-11-10 | traveling, town walking

 

 11月8.9日と2人で、江之浦測候所へ予約して行きました。まずはランチに福浦漁協のみなと食堂へ。昼前で行列ができ、20分程待ちました。刺身定食が2500円とちょっと高いですが、とてもおいしかったです。測候所へは15分程でした。天気も良くのんびりと、野外作品を散策しながら見学しました。

 帰り道時間があったので、「美の条例」の原点・真鶴半島の先端へ30分程急ぎ足で回りました。宿は湯河原で、月食を露天風呂から少し眺めました。次の朝は万葉公園の予定でしたが、ナビが上手く誘導できず断念しました。MOA美術館は会館の9時半前に着きました。先ずはcafeでモーニングです。昼食は桜エビのかき揚げとそばを食べました。

 小田原に寄ろうと思いましたが早めに岐路に着き、岡崎SAの矢場とんで早い夕飯を食べました。みやげに美味しい食パンを購入しました。(写真は測候所の100mほどの鉄の作品で、冬至に日差しが通るそうです)

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10・19改憲NOin豊田

2022-10-20 | traveling, town walking

 

 日が短くなって来ましたが、2015年安保法制強行に反対し豊田市民アクションは定例のスタンディングを、豊田市駅で行いました。

 国葬、統一協会、アベノミクスの失敗、アベ政治と外交の失敗など、3人が訴えました。私も予定していましたが、時間切れで省略しました。

 国政は岸田支持率の続落で、潮目が変わりつつあります。主な理由は統一教会と自民党のズブズブの関係、物価高・円安にあると思います。

 第1に、統一教会と自民党の癒着は調査が不十分です。アベ元首相や細田議長、萩生田政調会長など、それに地方議員の実態が調査・報告されていません。宗教団体としての法人格を解散すべきです。首相は質問権を使うと言って時間かせぎの予定が、民法の不法行為も解散請求の要件に入ると、世論に押されて一夜で変更しました。

 第2に、物価高があります。消費税増税、コロナの影響、ロシアの侵略戦争、そして急激な円安です。アメリカなどはインフレ抑制で金利を上げていますが、日本は多額の借金のため上げられず、日銀は金融緩和を継続の方針です。1ドル150円は時間の問題です。アベノミクスの柱である金融緩和の失敗です。軍事費を削って消費税を5%にすべきです。

 そして、台湾有事を理由に敵基地攻撃能力、軍備増強でGDP1%の防衛費を倍加しようとしています。今こそ、統一教会の解散、消費税の引き下げ、軍事費の削減を中心に、市民と野党が結束すべきです。

 

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