Con Gas, Sin Hielo

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「ブラックウィドウ」

2021年07月10日 20時30分53秒 | 映画(2021)
再起動。


何度の公開延期があっただろう。フェーズ4の冒頭を飾る作品が予定より1年余り遅れてついに劇場公開された。

長いブランクに加えて、ネット動画でのシリーズ作品配信が始まり、果たして新しいフェーズについていけるのか心配であった。

主役は初代アベンジャーズから登場していた、いわば古参のブラックウィドウ。「アベンジャーズ/エンドゲーム」で究極の選択に携わった彼女を新たなサーガ第1弾の主役とするのは、当然思惑があってのことだろうが、少なくとも上述の不安を持つ者にとっては入りやすい仕掛けになっている。

物語の時代は、「シビルウォー/キャプテンアメリカ」「アベンジャーズ/インフィニティウォー」の間。まさにアベンジャーズ内戦の真っ只中に、再集結へ繋がるキーパーソンだった彼女に何が起きていたのかが描かれる。

オハイオの住宅街で暮らす普通の親子4人。夕食の席で父親が「これから待ちに待った冒険に出かけるぞ」と下の娘に告げる。無邪気に喜ぶ娘を待っていたのは常に死と向き合う過酷な闘いの日々であった。

ロシアのエリートスパイであり家族を持たない天涯孤独な人物として描かれてきたナターシャ。オハイオで一緒に暮らしていたのは、任務として潜入していたスパイで偽装家族であった。

先にスパイ養成組織であるレッドルームを抜けていた姉・ナターシャに次いで、妹のエリーナも偶然の事故から洗脳が解け、二人は共闘して、自分たちの人生をめちゃくちゃにし、今度は世界を乗っ取ろうとしている組織に反旗を翻すこととなる。

20年以上昔のたった3年間だけ家族として過ごした4人。敵なのか味方なのか、信じるべきか疑うべきか。大きな敵を目の前に、次元の違うもう1本のスリリングな縦糸が物語を引き締める。

そして全体を彩るのはハリウッド大作の超絶アクションだ。あまりにありえない場面の連続だけど、それが懐かしい。やっぱり映画館はいい。

本作はほぼ同時期に動画配信されていて、そのうちそちらが本流になっていくのかもしれない。いつまで時代遅れの人たち向けのマーケットが成り立つのかわからないけど、まずは戻ってきたことに感謝だ。

「私には家族がふたつあった」。居場所があることはうれしい。エンドロール後には、マーベル作品恒例の次の居場所案内もしっかり確認。新参とは思えない貫録のF.ピューとはまた会うことができそうだ。

(75点)
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