公式サイトの予告の映像をちょっと目にしただけでも、じわ~っと涙ぐんでしまいそうになって・・・映画館の大スクリーンで観たら、私はいったいどうなってしまうんだろう?と心配で
本当は、公開初日に飛んで行って観たかった映画『レ・ミゼラブル』・・・やっとのことで観てきました!!
映画『レ・ミゼラブル』 2012.12.30(日)12:10~15:00 横浜ブルグ13 シアター7
舞台の『レミゼ』大ファンとしては・・・もう、あの冒頭の音楽を聴いただけで血圧が
しかもほぼ、舞台と同じように全編“歌声”で話がつながれていくのは、ファンとしてはたまらなかった(感動!!)
舞台を何度も観ている舞台ファンとしては、舞台と同じである部分に喜び、多少違った部分に?だったり、ちょっぴり不満だったり、逆に迫力を感じて、大きなスクリーンにうつし出される映像には、舞台では味わえないリアル感もひしひし伝わってきて、すごくインパクトがありました。
また、逆に細かい部分で言えば、舞台ではなぜ?どうして?の部分がちゃんとつじつまが合っていたことや・・・たとえば、マリウスの祖父が出てきて、ああ、そうだった、マリウスっていいとこのおぼっちゃまだったということや、だから最後にあんな盛大な結婚式ができるんだ、とか、砦で戦って死んでしまった学生たちとは別に貴族の友達もいっぱいいたんだ、とか。
大昔、小学生の時に読んだ原作『ああ無情』(少年少女名作シリーズ?)のシーンに近い、と思いだしたシーンや。
たしか・・・バルジャンがコゼットを迎えに行った時、ショーウインドーに飾られているフランス人形があって、それは街中の女の子のあこがれのお人形で、エポニーヌも買ってもらえないくらい高価で・・・それをトウモロコシの芯にボロ布を巻いて(映画ではただのボロ布)お人形代わりにして持っていたコゼットに「プレゼントだよ」とバルジャンが渡すのです。そうすると、エポニーヌがうらやましそうにして、それをテナ夫人が「・・・あとで取り上げてやるから」って。(←細かい
)
役者さんたちのレベルが高いのもよかったです。
バルジャン/ヒュー・ジャックマン
冒頭の痩せこけたバルジャンから立派な市長へ。そしてコゼットの成長と共に年老いていく様がリアル。・・・ちょっとハンサム過ぎるのが難点(?)
しかし、とにかくお歌が上手いのでびっくり。何度となく繰り返される“Who I am”・・・常に自分に問いかけながら生きていくバルジャンの心情が色濃く出ていて、元々のバルジャンの誠実さが見えて(そういえば最初の、パンを盗んだのだって、妹の子供のためだったよね
)
噂の新曲「Suddenly」、これもよかったです。バルジャンがいかに今まで孤独に生きてきて、コゼットがこれからの人生の生きる希望になったかがうかがえる一曲でした。
ジャベール/ラッセル・クロウ
ジャベールにしては表情がちょっと優しい?でも、武骨そうで融通が利かなそうで、そういうところはジャベールのイメージに近いかな。
それにしても「対決」シーンで、あんなせまい病室でサーベルを抜いて振りまわしたらメチャクチャ迷惑だと思うのですが
「Stars」では、なぜあんな高い場所の端っこを歩くのか
観ているこっちが心臓に悪い~
バリケードの中で捕えられて、バルジャンに助けられてしまい(?)死にかけたマリウスを救おうとするバルジャンを止められないジャベール。
“法の番人”だと自負する自分が、どんどん“正義の人”になっていくバルジャンを許すしかなくなって・・・バルジャンを肯定すれば、自分を否定するしかない。
「自殺」も、なにもあんな高い橋の上から身を投げなくても・・・と思いましたが
(あれはセーヌ川に沈んだというより、絶対川底にぶつかった衝撃死に見えた
)
ファンティーヌ/アン・ハサウェイ
もう、あまりにも薄幸のファンティーヌで、どのシーンもうるうる。
ファンティーヌが工場を追い出され、ペンダントを売り、髪を切られ、歯を売るシーン(というより無理やり抑えつけられて抜かれる!?)娼婦の一人が「奥歯にしな」と囁くのを聞いて、背筋がゾワ~っと
・・・これって、その後の“仕事”に差し支えないようにだよね
あんなに清楚でかわいらしい少女のようだったファンティーヌが、娼婦にまで身を落としていく惨めさ。
CMで聴くたびに、胸が苦しくなった「I Dreamed a Dream」は、その身を震わせるように歌うファンティーヌの姿と心情が切なくて、涙がこぼれました。
病院のベッドの上でコゼットの幻を見るファンティーヌは、もう演技というより、ファンティーヌが乗り移っているようで(ちょっと怖い
)
リトルコゼット/イザベラ・アレン
かーわーーいいーー
あの“リトルコゼット”の絵から本当に抜け出してきたよう。しかも、この子が成長したらちゃんとあのコゼットになるなぁという予感がするリトルコゼットでした。
(そして、日本の子役タレントの“谷花音ちゃん”にもすごく似ていると思う
)
コゼット/アマンダ・セイフライド
美~人~~
修道院の奥で育った無垢なコゼットの感じがよく出ていて、本当に美しい花のようなコゼット。マリウスが一目で恋に落ちるのがわかる。
「A Heart Full of Love」は柵ごしの語らいがすごく初々しくてピュアで素敵でした。
マリウス/エディ・レッドメイン
学生たちの中にいても、どこかしらおっとりしたお育ちの良さを感じるマリウスでした。
祖父の登場で貴族の実家とは絶縁しているのがよくわかり、コゼットに一目惚れしてぽわわ~んとなる様子は、誰が見ても一目瞭然。
仲間を失ってひとり歌う「カフェ・ソング」がすごく切なくてよかった。
コゼットとの並びがすごく似合っていて違和感がなく、バルジャンではないけれど、この若い二人の愛をどうにかして成就させてあげたい!!と思ってしまう。
え~っと、個人的にはちょっとした理由から“小出恵介”に見えて仕方なかった・・・
エポニーヌ/サマンサ・バークス
どこかで会った?・・・と思ったら25周年の『レミゼ』コンのエポ!!
とにかくマリウスを見る目が切なくて健気で、マリウスの喜ぶ顔が見たくて、マリウスが悲しむのはいやだから・・・とコゼットのところへ案内しちゃうエポ。
舞台と違ってコゼットからの手紙を隠してしまうのは、原作どおり?
雨の中で歌う「On My Own」は、切なくて哀しくて・・・もう涙腺崩壊。
ここではマリウスを庇って撃たれるエポニーヌ。マリウスの腕の中で息絶えるエポニーヌは本当にマリウスにすべてを捧げたんだと
ガブローシュ/ダニエル・ハトルストーン
パリの街に生きるストリート・チルドレンの力強さがよく出ていました。しかも利発で大人顔負けの行動派。エポが死んでしまって誰がマリウスの手紙をコゼットに(バルジャンにだけど)届けるの~?とあせっていたら・・・そうか!ガブがいたっけ
バリケードで弾を拾いに行って、撃たれて死ぬシーンはやっぱり壮絶。・・・しかも目を見開いたまま。う~~リアルだ・・・
アンジョルラス/アーロン・トヴェイト
美形のアンジョでしたが・・・ちょっとオーラが薄め?(アンジョ押しの私としては、ちょっと不満
)ABCカフェでの学生たちのシーン、誰が誰だかわからない
グランデールはちゃんとわかったけど。
革命の理想に燃えるリーダー・アンジョルラス。あの追い詰められた最期は、わかっていても悲しい
テナルディエ/サシャ・バロン・コーエン&マダム・テナルディエ/ヘレナ・ボナム=カーター
あくどい感じも出ていたけど、なかなかコミカルな夫婦でした。コゼットの名前をほぼ間違えるテナとそれをいちいち直す夫人はボケとツッコミ?
それにしても、あんなソーセージが出てきたら・・・テナの宿屋には間違っても泊りたくないなぁ
下水道のシーンでテナの歌がなかったのは非常に残念。
ミリエル司教/コルム・ウィルキンソン
うわわ~~これまた、初代バルジャンだったあの方!!慈悲深い司教さまを演じていらっしゃいました。
バルジャンが神の御心に沿って生きていくようにと、銀の燭台を授ける司教さま。
その後、仮出獄許可書を破り捨てて生まれ変わるバルジャンは、常に悩みながら正しい道を選んで苦しむけれど、最期の時に、「あなたは神が遣わした人」とバルジャンにコゼットという宝物を託してくれたファンティーヌに導かれ、神の国へ行くと、そこには、恩人ともいえる司教様が待っていて・・・
舞台のように、ファンティーヌの横にエポニーヌがいないのはちょっと寂しかったけれど、マリウスの手紙はガブがバルジャンに渡しているから、エポニーヌとバルジャンのつながりができないもんね、と勝手に納得しました
もちろん人物だけでなく、映画ならではの迫力と広がりのある背景は、スケールの大きさと、そして、現実のリアル感を見せつけられ、なんともいえない気分でした。
舞台の空間では想像できない、広さ高さ大きさ。
あの大がかりなバリケードに勢ぞろいした学生たちや民衆の歌う「The People's Song」は圧巻。
やっぱり、『レ・ミゼラブル』は素晴らしい!!
舞台同様、心が震え、涙がこぼれる、すごい映画でした。
そして、同時に舞台フリークの私としては、ツッコまずにはいられない部分が・・・いろいろ
・・・これは別記事で