日々草

「つれづれなるままに・・」日々の事を記す。

旅は小説より奇なりのホーチミン 【ニューランのバインミー】

2015-08-21 | Weblog
食べ物の美味しさを言葉のみで伝えるというのは大変に難しい。

シズル感や匂いまで、ありありと伝える。
情景で、描写で、会話で。
映像でヒントがあるはずのTVのグルメ番組だって、なかなか伝わりづらいもの。
表情で、態度で、様子で。

それでも一級の小説家の食べ物の描写というのはかくも美味そうなのは何故か。
池波正太郎、向田邦子、高田郁 。
勿論、開高健もその一人。








車庫からの帰り、橋のたもとに屋台がでて、燻した豚の胃を鉄鉤に吊るして売っているのを見たので、それを半分と棒パンを二本買い、下宿にもどってサンドイッチにした。

開高健も『輝ける闇』より




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フランス統治時代の置き土産になるのだろうか。
ベトナムのパンは総じて美味しいらしい。
特に棒パン、フランスパンが。
開高健も食べつけたに違いない bánh mì(バインミー)
美味しいフランスパンがあるならば、
そこに現地のおかずが挟み込まれるのは必然といえよう。

さっくりとした歯切れの良いソフトフランスパンにレバーパテ、ハム数種類にたっぷり野菜。
パクチーやなますも入れてニョクマムをかける。
紙でぐるりと包み込まれて渡されるバインミー。



初めてのバインミーならホーチミンの有名店 ニューラン(Nhu Lun)へ。




レバー嫌いのあたしは恐る恐る口にするも、レバーの存在感がないことに気を良くして、かぶりと噛みつけば、ハーブと野菜にハムの味とニョクマムの塩気が絶妙で、あっという間に紙屑だけが手の中に残る。
ピリリとチリの刺激も心地よい。


お店の中でも食べれるけど、バインミーだけならテイクアウトして、
交差点の向こう、ベンチみたいな石に座って、Nhu Lunを眺めながら食べるのも一興なのである。
鉤に吊るされた肉やら、見たことのないお菓子やら、ふかふかと蒸したての中華まん
山のように積まれた果物のジュースコーナー。




誰もが無心に口を動かしている。
携帯を眺めながら食べるのは味気ないが、交差点の向こうのニューランを眺めながらホーチンの日差しの下、バインミーを頬張る。
店内で食べたとしても、ほぼ屋外で、バインミーは街角の食べ物だからこういう食べ方もあるんです。
食べ物から伝わる何か。
喧騒とホーチミンの熱気、在りし日のフランスの香り。
そんなニョクマムとクラクションの音にまみれた、美味なるバイミーを食べるための魔法の言葉。

「một cái bánh mì」



  một cái=ひとつ、1個
bánh mì=バイン ミー



「モッカイ バインメイ!」









これで確実にニューランのバインミーにありつけます。
どんなバインミー屋でも、自転車で売ってる超ローカルなバインミーにもありつけることは言わずもがな。
棒パンのベトナム風サンドイッチ。
ホーチミンに行くなら、これを食べなくては!
合言葉は、

『モッカイ バインメイ』


先ずはニュー ランで『バイミンミー ひとつ!」と言ってみなされ。
ホイと渡されるバインミーの美味さよ。
バインミーにありつけたあかつきには次の魔法の言葉でお楽しみ。










小説より奇なり旅 の必須会話フレーズ
một cái bánh mì !(モッカイ バインメイ!)


観光客も多い、ニューランで先ずは腕試し。
作り置きの紙袋に入ってるもの、ショーケスの上。
『バ』にアクセントをおいて怯まず、恥ずかしがらず、「バインミー」といえばOK
金額はレシートを渡してくれるから心配ナシ。
これで貴方もローカルなどんなお店のバインミーでも手に入れることができるのです。




小説より奇なり旅 場面その1
Nhu Lan (ニューラン)
住所 50 HamNghi St,Dist1,HCM City
電話番号 08-3829-2970
営業時間 4:00-翌日1:00

地元の人も観光客もこぞって通う、B級グルメの殿堂。
テイクアウトもイートインも可
ドンコイ通りからも近く、観光名所のサイゴンスカイデッキの前とくれば、寄らない手はない。
ニューランにはバインミーBBQやバインミーシウマイもオーダー可
写真はスカイデッキの入口のところ小さな広場、ベンチから交差点の向こうのニューランの光景。