日々草

「つれづれなるままに・・」日々の事を記す。

ビュフの冬、美

2015-12-29 | Weblog
長き夜の 遠の睡りの 皆目覚め 波乗り船の 音のよきかな
なかきよの とおのねふりの みなめさめ なみのりふねの おとのよきかな




江戸時代の七福神がカポーンと宝船にのってやってくるの図にそえられたこの文章。
上から読んでも、下から読んでもOKな回文でできた初夢のおまじない。
途切れることなく続く文は、良い夢が途切れないようにと、願いを込めて枕の下に。
最近、夢見がよくないものですから、せめて初夢ぐらいはフルカラーのすごいやつを見たいのである。
良いことがあったと浮かれたら、どかんと吹っ飛ばされて、這い上がって、吹っ飛ばされてるいつもの私。
調子にのるからいけないのだと分かっているんですけどねえ。
つまりこれを回文にすると




見飽くものと 元の木阿弥
みあくものと もとのもくあみ



そうなんです、良い夢はあっという間終わると相場が決まっており、儚いもの。
かといって悪夢も続かず、泥のように吸い込まれて眠るのみ。


ワタシ、負けましたわ
わたし まけま したわ


端的に言うなればこういうことでしょう。
長引く風邪もおちついて、負けを認めて眠り呆けていたら、おかげでスーパーとかデパートとかあちらこちらが、いつのまにやらクリスマスから賑々しく、新年の寿ぎの形相に代わっていた。


よいか、世相はウソ世界よ
よいか せそうはうそせかい よ


クリスマスからお正月への早すぎるシフトチェンジに夢うつつのあたしはついていけない。
特にデパートの売場。
クリスマスの欠片一個すら落ちてない売場。


そうそう去年の伊勢丹はミロコマチコのアートに彩られてそれはそれは素敵だったのに、今年はイマイチで
つまんなと思っていたら、なんと新年の装いがニコラ ビュフであったのだ。
ニコラ ビュフ好き。
ポップで、繊細で、圧倒的な唯一無二。
ミロコマチコもニコラ・ビュフも空間を我が物顔で染め上げて、空気も人も、想いも取り込んで空間と自分が溶け合う感覚を味あわせてくれたのに。

ビュフの冬 美
ビュフのフユ ビ


原美術館でみた展覧会『ポリフィーロの夢』面白かったもんなあ、で夢つながり。
初夢はニコラの描く七福神と宝船にこの回文を添えて、
いざ、



夜 寝るよ
ヨルネルヨ










コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

蠱惑のスープドゥポワソン

2015-12-19 | トラットリア
スープドゥポワソンときくとなんだか蠱惑とか、魅惑とかそういう枕詞ぼわんぼわんと浮かんでくる。


蠱惑のスープ ドゥ ポワソン
魅惑のスープ ドゥ ポワソン


きっとそれはpoissonのせい。
フランス語で魚を意味するpoisson(ポワソン)と毒を意味するpoison(ポワゾン)。
それはsの一字で変わる。

一つのsは毒となり、二つのsは魚になる。
濃厚でベルベットのようなスープ、スープドゥポアソンは惑溺性の毒をもつということか。
だからこのアラを使ったスープは淫靡でエロスを思わせる。
2時間ドラマ、事件のはじまりはスープ ドゥ ポワゾン
うっ、うっ バタリ。
そして、そこに居合わせるのは片平なぎさ。









只の魚のアラのスープと侮るなかれ、スープドゥポワソンは魔性の味で
ダイイングメッセージはこの香り。



だって、ポワゾン(poisson)といえばDiorの夜の濃厚な香りの香水。
つけるシチュエーションはすごく限られ気がするけど、香水の定番で、傑作。
官能を嗅覚で味わうためのもの。
では、官能を味覚で味わうには?


血滴る、ステーキ。
すっぽん
ポルチーニ茸


そして、あたしは濃厚なスープ ドゥ ポワソンを加えたい。
相変わらず、風邪でぐちゃぐちゃで家で大人しくしていた一週間。
味がイマイチわからないものですから、濃厚でいて見目美しいスープを
きちんとちゃんと盛り付けて正装気分で頂く。(実際は鼻水とともにすするようなもの)
もどきの手抜きですが、毒は毒で制することにして、ウロコ柄のスープ皿にたっぷりと。
マスクでおしゃれも気分もままならない時には、こんなおしゃれもいい。
スープ皿はmerciのウロコ柄。
味がわかるように快復したら、美味しいスープドゥポワソンを食べに行こう。
ついでにおしゃれしてdiorの官能の香りを買いに行きたい。


魚と毒と官能と。
華やぐ季節、風邪で滞ってる場合ではない。








コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

血は争えないので、本日は、お日柄もよく

2015-12-16 | リブレリア
例えば、2世タレント 柄本時生


一目みたら忘れられないあの個性。
父上は柄本明 ナルホドね。
柄本佑も同じく、濃ゆいなあ。
父子ともに、兄弟をならべてもアク強さは飛び抜けて他を圧倒する。
父は父の個性で、息子は各々の個性で我が道を行く。
なんだか目が離せない存在という集合体。

個性は一朝一夕で出来上がるものではないのだからこそ、
どういう漬け込み方をしたらあの鮒鮨級の存在感になるんだろうか?
臭いものほど旨味と惑溺性でできている。
サラブレッド血統の梨園の某も同じこと。
血は争えない。
然るに鍛錬や訓練で身につかないセンスというものは、きっと彼らの血潮に溶け込んでいる。






魔女の宅急便の一幕

ウルスラ:
魔法って 呪文を唱えるんじゃないんだ

キキ:
うん 血で飛ぶんだって

ウルスラ:
魔女の血か… そういうの好きよ
魔女の血 絵描きの血 パン職人の血
神さまか誰かがくれた力なんだよね
おかげで苦労もするけどさ…



血の中につまり、DNAに組み込まれている先天的な才能。
意外なところでつながっている血縁関係はナルホドなと思わせるものがあるし、
さすが親と子、兄弟だと膝をうたせる。


結論      原田マハ



血は争えない。
兄はあたしが好きな原田宗典。
よくよく考えれば、その人の妹だもの、面白く無いわけがない。
読了後だからこそ、ひとつの家庭から二人も売れっ子作家を輩出すると
いう血の不思議という感想もこぼれるけど、
血縁関係は一切関係なく、単純に読み物としてして面白く、その世界観に引き込まれた。
何故に今まで手に取らなかったのかが、悔やまれるぐらいに。


朝、駅の小さな本屋でみかけた
原田マハ著 『本日は、お日柄もよく』
朝の通勤電車で読みだして、
帰りの電車、途中下車してホームのべンチでラストを読み切って、自宅。




もう一度言う、原田マハ。
朝夕まさかの2冊買い。
帰りがけに本屋に駆け込んで2冊目は『楽園のカンヴァス』。
読み始める前から、楽しみでしょうがない。
人によっては今さらなのかも知れないけど、最近のあたしのここ一番の収穫。
血は流石。













コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

週末のビブリオセラピー

2015-12-13 | リブレリア
風邪をひいたようで、ツライ。

喉が痛いだけのはずが
鼻がズルズルしてくるようになったところ。
これから、どこまでこの風邪が進行してくれるのかが見ものです。


あたしに寝込んでいるヒマは無い!
忘年会もつづくし、師走だし。仕事も忙しいもので。
それでもさすがに今日は1日のぐったりで家でゴロゴロ。
家に風邪薬がなかったから、うがい薬とこの薬袋。

bibliotherapy
あなたを癒す 70の処方本
薬袋に見立てた紙袋の中に本が一冊と効能書が一枚。

行き詰まった時
恋につける薬もここにはあるのです。
あたしが手にとった一冊にはこんな効果効能が



強制的に息抜きを与えます。
本書は人間の難問奇問に満ち、くだらなさがあふれております。
落ち着きたいとき、または笑いたいときに服用ください。







どんな本かは、手にとって欲しいからヒミツ。

風邪にも効くかしら?
病は気からと申しますので。


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

疲れた時にはあたしを包むチョコレート

2015-12-08 | ドレステリア
疲れた時の一粒のチョコレート。
沢山はいらないけど、美味しい一粒は何よりの気分転換。

先日、ヘトヘトで帰宅。
仕事が捗らず、案の定、残業で迂闊にも家で残業の残業。
そんなやり切った後、チョコレート。
疲れた心身に沁み渡るのは包み紙すら美しい田園調布 ROZA洋菓子店のチョコレート。


 




そして深夜、あたしを癒しと活力を与えてくれたのは、たった一個のチョコレート




の包み紙。




その包み紙が泣けてくるほどのご褒美のなのであった。
このフォトジェニックなチョコレートは、お菓子がもつ乙女をチュクチュクさせちゃう要素の結晶が原料になっているのだと思わせる。
だからこういうことに





ROZA洋菓子店とTHEATRE PRODUCTS(シアタープロダクツ)がコラボ。
あの包み紙が私を包むスカーフに。


 



伊勢丹で平野紗季子がイベントを開催していて、その名も『(食べられない)フード天国』の目玉がこのコラボ。
こんな企画があることに気がついたのはイベントが終了して一週間後で意気消沈。



行けなくてもせめてもROZA洋菓子店のアイテムだけでも手に入れられればと悶絶。
(買えたのなら、行けなくても良かった・・・とは言わないけど、本音は多分こっち)
初日完売のアイテムがネットで手に入るわけもなく幻のお宝となる。




長い1日が終わり、ご褒美のチョコレートは、ROZA洋菓子店のチョコレートが良いなあと思いながら、諦めきれずに、疲れた体にムチを打つかの如く、決して満たされることのない欲望に悶えながらネットをサーフィンしていたら、





まさか、欲しいと思っていた柄だけ、それだけ一枚だけ、地方の行ったこともない(小さい)セレクトショップでまさにそれが、あれで、ナニしていたのだ!


で、



やっと今日、佐川急便さんが家に届けてくれました。
疲れた時ほど、一粒のチョコレートは効くのだと納得した出来事。
これで忘年会シーズン(のオシャレ)も乗り切れるわ。








コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

蓼食う虫も好き好き

2015-12-02 | ホーム
キリンが、



まさかの花瓶が







妙にセクシーなんですが!






花瓶で、キリンで、セクシーという普段、となりに並ぶことは、なかなかないであろう言葉の組み合わせに、イタク感動いたしました。



ということでよろしいか?
このキリンが流し目をくれているNASHの花瓶を買った訳。
花瓶を買って、ウキウキと花屋に行くのも楽しくて。
これを生活の潤いというに違いないと宣言してカニ歩きで退散。

好きも嫌いも 蓼食う虫も好き好き。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする