幸福の理想像

今、間違いなく自分はしあわせであると断言できる瞬間というものに、人は人生で何度出会えるだろうか？
それは、ふかふかのベットに埋もれた異国での朝かもしれないし、いつも見慣れた部屋の光景に温かいお茶の一杯でじんわり感じるものかもしれない。
特別な時でも、特別じゃない日でも、心許せる人と、若しくは一人であるがゆえの幸福と形を変えて。

日曜日 出かけ先、何気なく入った店でその瞬間は訪れたのである。
暑すぎる陽気であり、お昼時で待ちの列、店は大衆的なものであって何も特別なところではない。
いつものような日曜日の外ゴハン。


横浜 一鶴





例えば、仕事で不完全燃焼とか、買い物で完全燃焼した後の一人ゴハン。
あたしはこういう店を選べる人でありたいと思うのだ。

デートでゴハンを食べようとなった時、好きな人を目の前に骨つき肉に躊躇なくかぶりつける人でありたいし、相手もそうでって欲しいし、こういう店を楽しめる関係を希望する。
特に初デート。

小洒落た店で見栄はって、気を使って、モジモジして、ネコをかぶるのではなく、美味しいものを気兼ねなく君とシェアしたいというスタンス。
口の周りを脂でテカテカにして、香ばしく揚げ焼きにされた肉に、がしっとかぶりつく。ワイルドに！
あれ食べに行こうとなんとなく意見の一致をみるのに、会話なんかないけど、一緒にいるのが当たり前な熟年夫婦も同じように見渡して、新米もベテランも家族も一人も、皆んな同じものを美味しそうに食べてると思ったら、なんでもない日曜日にビールをのみながら、こうやってゴハンをここで食べていることに珠玉の幸福を感じてしまったのである。




くっきり幸福の姿が見える瞬間。
だからあたしは一人でもこういう店を選べる人でありたいと思うのだ。
おいしくて、気張らず。


皆んなで行けばなんてことはないけど、女、一人で行くにはちょっとハードルが高いビールジョッキ片手に、ため息のかわりにぷはっーと息を吐ける店。
この店に大手を振って、一人でも行けたら無敵。
あたしは無敵。
いろいろと。
怖いものはない。

打たれ弱いボクサー

いきなり、歯が痛くなって、泣く泣く歯医者へ駆け込む。
すでに治療中のところがあるんだが、突然、唐突に、まさに晴天の辟易のごとく別の箇所が痛くなる。
何年かぶりに行った歯医者で、一箇所虫歯がありますが、メンテナンスしてないのに良い状態ですとのお墨付きをもらったばかりだというのに。
へべれけで帰って、化粧も落とさずに寝るけど、歯だけはきっちり磨いていた成果にほくそ笑んで、
今後も歯磨きはどんな状態であってもしっかりしますと誓ったのにこれだ。
泣くしかない。




歯医者なんて行きたくないのに



泣く。



痛いのよう



泣く。



なんでー、どうしてー、メンテナンスの為に行った歯医者で泣く子が起きたか？寝ておった虫歯が起きたのか？



(T ^ T)



あまりの痛さで「虫歯がぁ痛いのでふ」ともごもご電話して急患で駆けこみ診察してもらったところ、まさかの方向へ話が進んでびっくり。
虫歯ではないです！と断言された。
涙が乾く瞬間というのはこういうことをいうのだろう。
ズキズキする歯をさらしながらぽかーんですよ。ぽか〜ん！


レントゲン写真を指し示しながら、「この歯(痛い歯のこと)が他よりちょっと長くて噛み合わせの問題かと思われるので調整しますね。」と先生がにっこり。
歯を食いしばっている跡もあるので、歯に力がかかりすぎているのかも、歯ぎしりもひどくないですか？とダメ押しのにっこり。
ほらねと魅せられた口内のほっぺの裏側に歯を食いしばってできた歯を跡もくっきり写真に、思わず、あたし太ったんでと口答えしてしまい先生に苦笑される始末なのであった。



まさかの歯ぎしりの方向へ。


キュイーンとちょいちょい削って、ハイ終了。
ついでにナイトガード、つまりマウスピースも作りましょうと型取りへ。
まさかの展開で、痛みも治らない歯を抱え腑に落ちない感じで帰宅した。
先日、とんでもない寝言を口走ってると笑撃(衝撃ではないのが救い)の告白をされたばかりなのに、無意識の歯ぎしりの事実も突きつけられ動揺するばかり。

思かえせば、整体の先生に気張りすぎで肩上がってるよといわれて、ついでに歯を食いしばって仕事しているということだったんですねえ。
あたし打たれ弱いボクサーだったことがこんな形で露呈するとは。
いつだって必死で、ファイティグポーズは一丁前、それでいてボコボコ。

隠れ打たれ弱いボクサー型人間はなかなか多いようですので、虫歯になりやすい方やら、肩こりの方はお気をつけ下さい。
歯が痛くなるのは虫歯だけに非ず！！

はるばる来たぜ、函館！

さかまく波の下を新幹線でビューンと。
青函トンネルに入る直前、車内アナウンスがあったにも関わらず、あれよあれよと言う間にトンネルに入ってしまい、いつもの通勤電車のような呆気なさ。

それでも





はるばる来たぜ、函館へ。

もちろん観光のハイライトは函館山。
海外からの観光客も多く、日本各地からの観光客と一緒くたにお団子状になって頂上の展望スポットでひしめいている。
うむ、これは埼京線の通勤電車のようである。
それでもマシな方ですよと連れていってくれたタクシーの運転手の言葉に視線を人の隙間に差し入れたら
広がるのはこの光景。





年々、函館の市街地も広がってここまで大きくなりましたといわれた夜景、1300万円の夜景
本日の香港ドルのレートは1香港ドル 約13日本円。
香港の100万ドルの夜景より明るい。
一瞬の派手さないけど、ずっーと一晩中、楽しめるという意味では函館の勝ちだと思うのだけどどうだろう。
帰りのロープウェイは40分待ち。埼京線のやら、ディズニーランドやら、どこかでお会いしましたえねえ的な混雑具合を尻目にタクシーで帰る優雅さよ。
タクシー代 90分 5000円少々。
往復 1200円のロープウェイ代＋ホテルからのタクシー代＋運転手さんのガイド代を考えると1人ではタクシー代はもったいないけど2人ならモトとれる感がビンビンして4人ならタクシーの方が安くなる。


夜景をみながら、きちんとコストも計算して、目の前の夜景のキラキラが増した夏の夜。
見上げれば夏の大三角形と北斗七星。
さらに、目の前の夜景にはハートが隠れているんですと運転手氏の声。
脳内舞台では北島三郎。
はるばる来たぜ函館へ。

イカソーメンも堪能して今宵あたしは函館の女。

ハロー レミさん

くだんの北書店。
忘れて、流してくれていいのだけど、週末、テレビを見ていたら、ぶり返す出来事、および衝撃を思い出す。


北書店



ハロー レミさん！

まさかのレミ押し！！

食関連の棚はもちろん、児童書の棚にも、子育てエッセイ、音楽(レミさん、シャンソン歌手！)系にも出没していて、入っていの一番、入り口にハロー レミさん！
紀伊国屋でも、ジュンク堂でもここまでお目にかかることはないであろう平野レミ。


日曜日の朝、もにゃもにゃと起きて、ついていたTVに目を向けたら平野レミがうわっ〜と喋っていて、女古舘一郎と思って、チャンネルを代える。
そして3分後に再度、平野レミで、1分後には再々チャンネルを代える。
そして新潟 北書店のレミ押しを思い出した。

こわいもの見たさとはこういうことを言うんじゃないだろうか、
もしかして、実はすごく平野レミの事好きなんじゃないか？
やっぱりハロー レミさんを買ったほうがよかったのではないか、悶々。


でもハロー レミさん まさかの1000円。
ブロッコリー盆栽にも負けない価格。
でも、なぜ、このところいろいろと平野レミ？

縁、感じてます。

イチローが泣いた日

ついに、イチローが3000本安打を達成して、サングラスの奥に隠して、それでもこぼれ落ちた光る涙と汗を見て、思わずもらい泣き。
イチローとインタビュアーのやりとりは相変わらず禅問答のよう。
そんな求道者や哲学者の域に達した偉人の目が赤いとは！
プレッシャーなんて一言では言えない葛藤やら何やらが滲み出して、人間イチローの一面が垣間見えた瞬間、偉業の「偉」の部分がよりくっきりとしてくる。


祝 ！ 3000本


この記録ができる長い道のりの間に、CMのセンスがないことに定評があったあのTOYOTAも、進化して、見違えるようになった。
WHAT WOWS YOU TVCM 「イチローが嫌いだ」編



イチローが嫌いだ。あの人を見ていると、限界という言葉が言い訳みたいに聞こえるから」
一ノ瀬メイ選手



「イチローが嫌いだ。あの人を見ていると、どんな逆風もチャンスに見えてくるから」
山本聖途選手


「イチローが嫌いだ。あの人を見ていると、努力すら楽しまなきゃいけない気がするから」
芦田創選手



「イチローが嫌いだ。あの人を見ていると、自分にウソがつけなくなるから」
三木拓也選手




イチローが溢れる思いを口の端に乗せ記録について語っている会見をみて、
冷静さすらほとばしる感情の結晶であったのかと思う。
クールなイメージで易々と大記録をつくったかのようなイチローが泣いた日
嫌いなイチローがみせた涙。
イチローはTOYOTAのCMも軽々のりこえていったわ。
このCMが薄っぺらく見えるほどの感情をみせつけられて、
そしてこのCMをみるとどれだけのものを乗り越えたかがさらにわかるという仕掛け。
TOYOTAも化けましたのお。


そして特設サイトからのメッセージ



他のひとより鍛えたか。
他のひとより悩んだか。
他のひとよりもがいたか。

このコピーをイチローは否定した。

「他のひとより、という考え方は
自分のなかにないんです。」

鳥肌がたった。

2015の不振に囁かれはじめた限界説を、
今年、見事に覆してみせた。
限られた出場機会のなかで
データだけを見ると、
圧倒的な数字を叩き出した数年前より
速球に対する対応の変化など
いくつもの進化がわかる。
完成形を目指すのではなく
進化し続けることができるこの人を
天才と呼んで自分と関係のないものにするか。
その言動に自分の何かを変化させることができるか。

イチローは、
僕たちに問いかけている。

君はどうする？

WHAT
WOWS
YOU.




イチローが泣いた日
あたしも泣く。
そして、日本が、世界が歓喜と賞賛で。
その戦いを称して！
wowに久しくお目にかかってない身としましては。

ラフォーレにて渡辺直美展

四川　いや視線をかえるとこのボリューム



ボリュームの女王



でも

ＬＩＧＨＴで




ＤＩＥＴ




ラフォーレにて渡辺直美展
怪味をみせつけられるような盛り沢山な内容で、味は濃いめ。





お笑いにもアイドルにも疎いのだが、どーしても行きたくて当日券　８００円を支払って、普段行かないラフォーレにも足を踏み入れさせた直美の魅力はスゴイ。


前回の記事の答え怪味味を擬人化するとこうなるのです。 (前回記事はこちらから→怪味ソースのW)
イニシャルＮ．Ｗとはそう、Naomi　Watanabeで間違いありません。
思いの外、盛り沢山の内容でして、あんなものやこんなものまでみられて、
あんなことや、こんなことまで❤
お土産までいただいて当日券　８００円　太っ腹な企画。

太っ腹具合をみに行く価値あり。


怪味ソースにまみれた渡辺直美。
美味、怪味！

怪味ソースにまみれたＷ

怪しい味とかいてかいみと読む
四川の味　怪味

旨味　塩味　酸味　甘味　苦味に四川の奥義、辛味としびれをきかせたタレ、ソース。
四川料理でいうところの複雑な旨みを表すのだといえば怪が快になり期待もふくらむ。
そんなソースを蒸し鶏にかければ怪味鶏、麺に会えれば怪味麺。
怪人二十面相のように変装してじつはこの味、怪味なんです　はっ　はっ　はっーと高笑い。


だから、今あなたの目の前にあるすげえ美味い棒棒鶏は棒棒鶏のふりをした怪味鶏なのかもしれません。
はっ　はっ　はー！！
唐揚げから火がついたというこの怪味ソース、どんなに美味しくても、やっぱり「怪」という文字の怪しさはぬぐいされないから、そのイメージを擬人化するとすればオファーはこの人以外に思いつかない



イニシャルは



Ｎ.Ｗ






こわいもの見たさという表現がいいのかわからないけど、
ダメ男ほど魅力的にみえる女ゴコロとでも
可愛さとその反面
あの体形でそのキレ・・・・一人、美女と野獣。



さて、ここでクイズです。



怪味な有名人ときいて思い浮かぶのは？



唐揚げタワーで、山盛りポテトなあの人なんです。

本で旅をする

旅行記を読むのも旅の体験。
小説を読む事も一種の旅といえなくもない。
本で旅をする。
本屋を目指して旅をする。


本屋は旅の目的地になるのである。
京都の恵文社、神保町の古書店、地方都市の個性派書店。
都内でも有楽町の無印良品、丸の内のマルノウチリーディングスタイルといった書店の枠にとらわれない本屋を目的地として出かけるのもアリである。
どんな本をセレクトするのか、どんな切り口で本を陳列していくのかあいうえお順に並んだ品揃え重視の大型本屋では目の端にもかからなかった一冊に出会いたい。



最近、足繁く通っている新潟。

買い物も楽しい
食べるものが美味しい
観光にもよい
酒が旨いの4拍子。

その中でもやっぱり 、食べ物というのは大事な要素。
そこは、新潟さすがなところでご当地ラーメンなんて四大勢力になっている。
三国志より複雑な勢力図を構成しており、へぎ蕎麦は四面楚歌？ イタリアンなる宇宙人みたいなメニューまで登場してきちゃって新潟で麺一つ語ろうにもこれだよ。
どうせ、他にも食べてばかりいるんだろう、呑んでばかりいるんだろうと思われている通りその通り。
でも、そうじゃない。
旅行先で二日酔いというまさに笑えない状況におちいって、なーんにも食べられないというオチ。
これは飲みすぎたあたしが悪いのではなく、美味すぎるお酒がありすぎる新潟という土地が悪いのである。
へべれけ。

さて、口に入れるもの以外に、旅の楽しみや目的になるのが観光なのだが、ーこういう場合(二日酔い)はどこに行くのがいいのだろう。
炎天下、アウトドアみたいなことしたら死んじゃうし、少し歩いただけで道端に寝転びたい衝動に弄ばれるし、
トイレに駆けこまねばならない山場はやってくるし、寺社仏閣なんて不謹慎で行けそうにもない。



そんな時には本屋である。







新潟には新潟市には北書店があるのである。





二日酔いになったから行くのではない。
二日酔いであっても行きたいところ。
史跡旧跡、絶景、名物のうまいもの、
旅とは見聞をひろめるものであるからこそ本屋へ行こうではないか。
スルーしたはずのdancyuやblutusといった雑誌のバックナンバーやら、大好きな作家の知らない一編。
びっしり並んだ背表紙から見た事のない熱気が放射されてくらくらする。
見た事のある本も、あまり手に取る事のない作家の本も手招きをしていて、セレブ買いしたい。


「ここから、ここまで 頂きますわ！」
まさかの妄想の棚買いをしたところでリアル、棚買いをしている人がいて、段ボールで数十冊の本をお買い上げ。
家の近くにこんな本屋があったらいいけど、あっても困るとちらりと思う。
本屋を目指して旅する。
旅の醍醐味。
きちっとディスプレイされているという整然さはないけど、棚の上、棚の陰、棚の下に好奇心がもしょもしょせいそくしているような北書店。
硬派な品揃えはきっと店主のお人柄そのものなんだろうとおもわせる。


あたしが買ったのは久しぶりのdancyu 旅先で旅とごはん。






穂村弘 君がいない夜のごはん



ごはんの棚にこんな二冊がならんでいたら買っちゃうよな。
そしてとなりにはカレー屋。
本と旅とカレーはやっぱりとてもよく似合う。
本買って、カレーを食べる日常のような旅行はいかが？
二日酔いに関係なく、北書店を目指して新潟旅をパンパカパーンとおすすめしたい。