日々草

「つれづれなるままに・・」日々の事を記す。

おセンチな秋の夜の理由

2015-09-28 | Weblog
運命と呼べる出会いの瞬間を、君ならどう理解する?
もう少し、分かりやすく、云うならば運命と運命じゃない出会いの差とは何であろうか?



がーんと殴られた頭の痛み
視界の色彩の変化、
瞳孔の開き、
早鐘を打つ、鼓動。



この症状は一歩、間違えれば、救急車。
運命の出会いと、生死をかけた重大な病の兆しと同じだったのね・・・

恋の話は病いの話題となり、おしゃべりに花が咲くのはおしゃれレストランではなく、病院の待合室で。

 

                         中高年に合いの手を!
 
                          いや、愛の手を!



最近、ニュースで訃報が多いような気がしている。
個人的には先日の川島なお美の訃報はビックリしたのだけど、周囲はふーんという感じ。
それで福山雅治の結婚のニュースで悲鳴があがるってどうよ。
今度はあたしふーんっていう番。
だって、随分前から報道されていたし、あの年だし、驚かないし。
世の中、やはり欲しいものは愛の手で、合いの手ではないことがよーく分かった。
ほかに驚くべきニュースがあるはずなんだけど、巷を駆け巡るはこういうニュースの方が早いのである。

福山の結婚にも、千早ジュニアの結婚にも動じないあたしは中高年のレッテルがはられたようでちょっとおセンチな秋の夜。




美と陶酔のボルドーワイン

2015-09-23 | ギャラリー
酒に陶酔したいあたしと、美に陶酔したいあたしが、これは行かねばと思っていて、
会期終了間際、シルバーウィークまっただ中に上野へ出かける。
美と陶酔の都へと銘打たれた「ボルドー展」@上野 西洋美術館


思いの外、展覧会自体は空いててホッとするも、お茶するにも、ご飯食べようにも
あちこちワサワサとしており、酒、つまり本日は酒=ボルドーワインなのであるがそれを堪能できる場所がないのである。
美に酔いしれるだけでもボルドー展ではなく、
美とボルドーワインに陶酔してこそのボルドー展なのである。

太古の遺物はボルドー色=赤ワイン色の什器に収まり
18世紀のワインクーラーやワインのエチケットが展示され
ボルドーで花開いたドラクロワの大作とモンテスキュー(学校で習いましたよね?)の直筆をみてボルドーの美に酔えても、肝心なワイン酔えないなんて・・・。


およよよよ・・



飲める場所がないのなら、すたこらと家に帰れば、
我が家にはボルドーワインがないのである。


およよよよ  よよよ


帰路をとって返し、近所のスーパーではお高めのボルドーワインを選んでお買い上げ2000円。



既に、この値段で察していただけようが、全然、うまくないワインでして、
輸入元はENOTECAで五大シャトーのひとつムートン・ロスチャイルド所有のほにゃららと書いてあったから期待したのだけど赤ワインは高いのに限る!
ああ、生殺しのボルドー展。陶酔ではなく悪酔い。


ああ、甘美と繁栄の杯を我が身にも一杯。
この一杯のワインの後、麦茶を飲んで床につくという悪夢。
さすが美と陶酔のボルドーは遠い。









何をしていたかといえば江戸城とか

2015-09-19 | ギャラリー
ホーチミン旅から帰って来て、もう夏も終わり。
粛々と日常を送っていたら、もうシルバーウィーク。


粛々となんていってはみたものの、粛々と何事もなーくというよりは
週末に力を使い切ってしまい月から金曜日が非常に長いという日々だった訳。
あまりにつつがなく進む仕事がコワイくらい。
これを嵐の前の静けさというのだろう。

心の片隅、トラブルの予感。


良いことも、悪いことも長くは続かないものですから。


さーて、週末。


長野旅へ。
詳細はホーチミン日記をやり切ってから。


そして江戸城とか。
勢いで行くことになった東京江戸博物館の「徳川の城展」
城の魅力を余すところなくご紹介というこの企画。
城マニア必見の俯瞰図や城郭図、特大の間取り図もばばんと展示。
城好きを満足させるスペシャルエキシビジョンでありますが、
図面とか間取り図とか、はっきりいうと城に興味がないあたしはどこを見れば良いのか?
その答えは



「葵の御紋」である。






一番、会いたい芸能人「里見浩太朗」を公言して憚らないあたしの見所は葵の御紋の一点である。
水戸の見所 「梅」にもじったかわからんが
おみやげはどうだどうだ!控えおろーの梅干し 一粒 葵の御紋入り





葵の御紋グッツは数あれど、梅干しは初である。
斬新である。
その昔、切り口が公方様の御紋に似ているというだけで、武士はキュウリを口にするのをさけていたらしいのに、恐れ多くも御紋をぺろりと頂きます。





旅は小説より奇なりのホーチミン【ホーチミンの匂い COHINE SAIGON)】

2015-09-19 | Weblog
これが最後の旅は小説より奇なりのホーチミン記。


ミトーに行った道すがらの、都市の生活とは違うヴェトナムの光景の感想とか、
これから、もっと有名になるであろうヴェトナム料理の花鍋のことも、記憶が新鮮なうちにと思いながらもだらだらと書き続けている。
見聞した体験というものが、時間とともに思い出に変わり、それが経験値として変化していく様も面白いなのだけど、情報が思っている以上に主観にまみれてしまうと、備忘録にはもうならないからここで打ち止め。


今回は小説の世界と、日常から離れた旅先という世界を行ったり来たり心地よく漂うな旅だったからこそ、伝えたい。
あたしはホーチミンの匂いを、少しでも。





開高健 『輝ける闇』より

もし書くとすれば匂いですね。いろんな物のまわりにある匂いを書きたい。匂いのなかに本質があるんですから

使命は時間がたつと解釈が変わってしまう。だけど匂いは変わりませんよ。汗の匂いは汗の匂いだし、パパイヤの匂いはパパイヤの匂いだ。
あれはあまり匂いませんけどね。匂いは消えないし、変わらない。そういう匂いがある。消えないような匂いを書きたいんです。使命も匂いをたてますからね




一番、すきなところ
この一文。
少しでもこの備忘録で、ホーチミンの匂いが読んでくれた人に、伝わればいいと思う。


実際のホーチミンは排気ガスの匂いと、食べ物の匂いにくるまれていたけど
今、こうして家に帰ってくるとそれらの匂いの中に南国特有の甘さと湿気を帯びた花の香りがする。
この香りは見聞が経験値になった証。
そして経験値が熟成されたとき、放つ香りはきっとこの匂いであるに違いない。
COCHINE SAIGONのホワイトジャスミンとクチナシの香り

日本未上陸のCOCHINA SAIGON






南国の強い雨の中を、ずぶぬれになって走ったのも、よい思い出。
どしゃぶりの雨が、バイクを町から消し排気ガスの匂いを洗い流して、湿気と熱で押し出されるようなガーデニアの甘い香りとジャスミンの白い香りがしたような気がするから。
ホーチミンを思い出す匂いのキャンドルを灯す。
散らかった、混沌としている部屋で。
ホーチミンの交差点のくちゃくちゃ具合と同じだと思われるこの部屋。
また小説や旅の世界に逃避したいのだけど、現実は目の前に横たわるワンピース。
何故ここにワンピース、しわくくちゃ・・・だし。
掃除せねば。


旅は小説より奇なりのホーチミン 【お土産にはチキンフロスを】

2015-09-19 | Weblog
食べまくりのホーチミン
ついでに買いまくりのホーチミン
例えば、HA PHUONG SOUVENIR SHOP(ハーフーン スーベニア ショップ)の刺繍製品



繊細な繊細な刺繍のテーブルクロスやクッションカバーを買ってダイニングが整ったら、
次はキッチン用品。
野菜をなみなみに切れるナミナミ包丁やらアルミのおたま。
キッチン用品を買ったなら、おみやげ食材も忘れずに。


だってこの匂い。
お腹がすく匂いがあちこちからしてくる道端を行くのですから。




夕陽は黄色いサイゴン河におちかかって、水や木やホテルにサフラン色の靄がかかっていた。
河岸には屋台がでて、洗面器でバナナを揚げたり、スルメを焼いたりする匂いがただよっていた。

開高健 『輝ける闇』より



四角いライスペーパー(丸いものしか見たことなっかったから驚き)
ライム塩コショウ
ハート形のエビせんや、PHOのスープの素も。
忘れてはいけないのがあれ。
なんなのかさっぱりわからないのだけど、マジェスティックホテルの朝食で食べたお粥にのせて食べたさきイカのようなチキンとカリカリ?も欲しい。
あれでも通じないし、これでも通じない、見たこともないもの。

スーパーでうろうろしてみたらおつまみコーナーと乾物コーナーでらしきものを発見。
gaと書いてあるということはチキンに違いないと確信してお買い上げ。


して、味は?


チキンを繊維状にまでにしたもの。
さきイカのチキン版。 サキチキンとしか表現できないのがもどかしい
ネットで調べたらチキンフロスと呼ぶのですね。
そしてカリカリの正体はオニオンでなくネギでもなくエシャロット。フライドエシャロット。
これを家でつくったお粥にのせて頂きます。




これがあたしのベトナムの味。
カンを頼りに恐る恐るながら買ったベトナム食材、
買いまくってくるんだと後悔をしたサキチキン
スーパーで見つけたら買うべしCha Bong Ga。
おつまみに良くて、見つけたら買うべし。








旅は小説より奇なりのホーチミン【おすすめフォー のPho hoa】

2015-09-19 | Weblog
アジアの麺料理は庶民の味方。
日本における、ラーメンもご多分にもれず、そのくくりの中に存在する。
気取らない食べ物だからこそ、こだわりは強く、強ーくなるのは必然なのね。
個人的にラーメンはベタベタが好き。脂は偉い!
さっぱり食べたいのなら、ラーメンではなく蕎麦にしろと言いたい派会長であるあたし。

バンコクのパッタイ
台北の麺線
ソウルの冷麺
上海の加哩牛肉面
長野の蕎麦
讃岐ウドン

どの国の、どの都市にも繁盛している麺屋は必ずあって、いつだって人々のお腹を満たしつづけてくれている。
ホーチミンのpho (フォー)も同じく。
道端にしゃがんでるおばちゃんの正体はフォー屋の店主。
のんべんだらりとそこに佇んでいるだけに非ず。
ドンコイ通りをじっくり観察すれば、ここにも、あそこにも青空フォー屋。





酢漬けの赤トウガラシをポリポリ噛みつつ麺をすすっていると口に火がついたようになるが、辛辣は南の朝にふさわしい味であるように思う。

開高健『輝ける闇』より






phoという食べ物は日本のラーメンよろしく、お手軽だからこそ、自分好みの店があり、食べ方があるのだ。
ライムをたっぷり、ベトナムハーブを少々、
テーブルの上、赤トウガラシをどっさり入れても良い。
インスタントでもそれなりに美味しいし、家で手抜きクッキング向きなphoだけど、
家で作るより、外で食べるものとは現地ガイドの弁。






そんなホーチミンのフォーの有名店 「Pho hoa(フォー ホア)」
中途半端な時間にもかかわらず、次々Phoを食べにやってくる人達。
つっかけで、汗をふきふき、おじさんが。
友人とぺちゃくちゃ喋りながら、若者が。
壁に貼ったメニューを凝視して、唸るは我ら、ツーリスト。






食べるなら、Pho ga(フォーガ)、チキンのPhoが無難であるが、ここは名店のおすすめ Pho bo(フォー ボー)にする。





薄いピンク色の牛肉。
つまり、ほぼほぼ生の牛肉なんですがね。これ。
一瞬、いろいろな心配が駆け巡るけど、箸をとる。
あつあつのスープが牛肉にまとわりついて、暮れなずむ夕日を闇に変えてくかのごとくに、刻々と牛肉の色を変えていく。
一口食べれば「あっこれ大丈夫なやつ。美味しいやつ!」と心の中でガッツポーズ。
ライムをたっぷり、トウガラシ少々、卓上の葉っぱ類を入れて。
もやしも忘れてはいけません。
モヤシとスープの取り合わせにもうっとり。
モヤシにかつてこんな執着を感じた事があっただろうか?
ベトナムのモヤシは総じて旨いのだから、陰の主役と呼んでおこう、モヤシ。





人によっては店の薄汚れ感と腹の調子、体調と要相談だけど、
ホーチミンで食べるならこのPhoをオススメしたい。
さっぱりと麺が食べたいなら蕎麦を食え派会長も、さっぱり食べたいのならPHOもあるよ大使を兼任することになって帰りにスーパーでPhoセットをお買い上げ。

麺とスープ
キューブのPho boのスープの素。
pho gaのスパイス。
フライドオニオンとさきイカならぬ、さきチキン。

やさしいフォーにトウガラシを入れて、辛辣な味、ベトナムの南部 ホーチミンを曇天の日本ですする妙。
あの味を思い出して、ライムとモヤシをたっぷり用意して秋のフォーも思い出。






旅は小説より奇なりのホーチミン 場面その8
Pho hoa(フォー ホア)
住所 :260 Pasteur,Dist3,HCM City
営業時間:6:00-24:00
クレジットカード 不可
日本語 不可



現地ガイドもすすめる、ホーチミンのPhoの老舗。
ローカル度満点で怯むけど、メニューのPhoの文字を頼りに注文すべし。
机の上のお惣菜は食べたらお会計に加算。 値段はまさかの時価。
中華的要素を振りまく内観の店内。
それがベトナムの歴史と文化を象徴しているようで、面白かった。
お味は流石、老舗のコクみたいのが出ていたような気がするけど、どうだろう?
あちこちで食べたPhoの中でダントツに複雑な旨味を感じて、あたしはこの味が一番、好き。












旅は小説より奇なりのホーチミン 【食べ忘れ注意のバインセオ46a】

2015-09-19 | Weblog
ガストロノミーの実習と銘打ったこの旅。
バインミーを食べ、カニを食べ、フォーを食べ、ゴイクンを食べ、この後も花鍋、エレファントフィッシュやソイ・チェン・フォン(日本語では風船餅という)紙風船をパンパンにふくらませたようなお餅に舌鼓を打ち続ける。

舌鼓後、腹鼓。

ソイ・チェン・フォンや花鍋(ラウ・ホア Lẩu hoa )のように見たことも、食べたことのない料理も旅の楽しみの一端なんだけど、やっぱり日本で食べていて、美味しいと思っている料理が現地でどんな味で出てくるかを確かめるのも楽しみなんである。
美しい景色、歴史の1ページも、壮大な自然より食べ慣れたあの味の本来の姿に感動したい。
日常が、文化が、歴史がとけ込んでいるその一皿。気取らない店の、街の素顔を味わいたい。


食べまくって、腹づつみを打ちながら向かうのはバインセオ46a

タクシーにのって、ハイバーチュン通りとディンコンチャン通りがぶつかるところ、ピンクのド派手な教会を目指す。
教会がインド風味になるときっとこんな感じねというドピンク具合。
目印とはこういうものをいう。
すごく吠える白い家の犬とか、角に止めてあった真っ赤かな自転車とか、廃墟のガソリンスタンドではなく、どピンクな教会。
大通りのハイバーチュン通り、どピンク教会の前でタクシーを降りて
小さな通りディンコンチャン通りをすたすた行くと、いきなりのオープンキッチン登場。
なんて分かりやすい!


おばちゃんが使い込まれたフライパンでわっせ、わっせとバインセオを焼いている
貫録、たっぷりの鍋仕事にほれぼれして、早速、バインセオをオーダー。




(あたしが薦める)正しいバインセオの注文の仕方。

おばちゃんの鍋さばきに関心する。
早く食べたいとい衝動をおさえる。
ビールを注文
ゴイクン(生春巻き)を注文
すかさず届く生春巻きをビールで流し込む。




バインセオのぱりぱりを狙い、テーブルに届くやいなや箸をもちつつく。


「Ngon!」(ンゴーン)美味しいと言う

二口目は葉っぱに包んで、大きな口でかぶりつく
「Ngon!」(ンゴーン)美味しいと言う


次の葉っぱを手に取り、さらに葉っぱの組みあわせを替え、自分好みを探り
「Ngon!」(ンゴーン)美味しいと言う
バインセオを頬張りつつ
「Ngon!」以下略







「Ngon!」が何回か続くと皿はちょうど空になるという算段。






太板(タイパン)がいうとおり、みんな申し合わせたように《33》ビールの小瓶を一本をまえにしている。

開高健 『輝ける闇』より



オープンエアとビールの関係の考察
ビールとバインセオの味覚相乗の効果について
いま、あたしの腹鼓の音色を聴講させたい ロッシーニ。
食事という行為の喜びを高らかに歌い上げる舞台の名はBANH XEO 46A





旅は小説より奇なりのホーチミン 場面その9
BANH XEO 46A(バインセオ45A)



住所:46A Dinh Cong Trang,Dist1,Dist1,HCM City
営業時間:10:00~22:00
現金のみ
日本語は通じないが、日本語メニューあり


覚えていいことあるかもベトナム語講座

「Ngon!」  美味しい!
(ン)ゴーン 発音はンは軽く添える程度でゴーン

「 dừng ở đây」 (タクシーで)ここで止めて!
ユン アー ダイ  発音はカタカナなのでいまいちだと思うけど、通じたので良しとする。

「Tinh tien」 お会計して!
ティン ティエン これも覚えて良かったフレーズ。
旅行中、一番使用頻度が高かった言葉。
日本語メニューがあっても、バインセオが読めても、ゴイクンが読めても最後に行きつくはお会計。

この3フレーズでローカル食堂は制覇可能








旅は小説より奇なりのホーチミン【ベトナムのおしゃれ番長THUY  DESIGN HOUSE】

2015-09-08 | Weblog
ちらり、ちらりと見える素肌の艶めかしさよ。
すらりと腰高のアオザイのシルエットに三角の傘 ノンラー。
通勤時間に着物を着ている人を、日常でみかけなくなって久しいが、やっぱり風土と文化に育まれた民族衣装の装いは、その国の空の色や空気の色と相まって美しさとなる。

美しさとは勿論、女の。


素娥はうなずいてアオザイの襟をたて、うどんや椰子の実を売る屋台のほうへ歩いていった。

開高健 『輝ける闇』より



民族衣装の女性には目がいくもの。
見渡せばオバちゃんも、バイクに乗ってるオネーさんもアオザイの裾をはためかせて行き交っている通勤時。
インドでは道路工事のおばちゃんもサリーが仕事着。
ホーチミンの日常で一張羅も、日常着もこれだけアオザイが溢れていれば、ぽっとでのデザインなんて売れないわけで、そうなると世界を股にかけるファストファッションが関の山。
そんなものには、これっぽっちも興味がない私のベトナムのホーチミンで洋服を買いたい魂はどこへ行けば良いのか?

インターネットで調べれば、大抵の事はわかるこのご時世において、
「ベトナム ファッション」 「ベトナム ブランド 」「ホーチミン おしゃれ 洋服」「ベトナム人 デザイナー」、「ホーチミン ファッション おすすめ」 「ベトナム ドメスティックブランド」 思いつく限りのキーワードで下調べするも、ベトナムではおしゃれドレスにはぶち当たらず。
「アオザイ おすすめ」、「 ホーチミン オーダー かわいい」、「ホーチミン アオザイ オーダー」とかにすればごまんと行き着くオススメショップ。

あたし、アオザイは憧れるけど・・・・・いらないの。
欲しいのは、おしゃれで、ホーチミンでしか買えない会社に着ていける服。
ルージンで、コムデギャルソンでも買っとく?と諦めの境地の達したところで、ウィンドウをのぞくとシルクの光沢が美しいドレスが目に飛び込んだ。






がちゃり




重い扉をあけると
キモカワイイ 水上人形劇に出てきたあの人形がちょこちょこと洋服の波間に見え隠れ。









そこには色鮮やかなシルクとみっちりとした刺繍、重厚さと華やかさを備えたお召し物がずらり。
夢にまでみた最上の「旗袍」がここに。
ずらりと並んだ華麗な洋服の眩しさが目にしみて、鼓動が早鐘。
ベトナムにもちゃんとあるのね、おしゃれドメスティック ブランド。
市場やそこらへんのオーダーメイドの店より、圧倒的に高価ですが、デザインも素材も一級品
ローマでもショーをしているらしいTHUY DESIGN HOUSE










ベトナムに見え隠れする中国的要素をテキスタイルに落とし込んで、世界に通用するこの華やかなデザイン。
勿論、アオザイも芸術品に昇華して纏うことが出来る。
会社に着ていけるかと言われれば・・・・着て行けるね。
たっぷりとしたAライン 総シルクのミニドレスをお買い上げ。
日本円で30000円ぐらい。シルクのクオリティから考えるとこれはかなりのお買い得。
スキかキライか分かれるような気もするけど、結婚式とかパーティーに着ていくのはいかがでしょう。
ミニ丈でドレッシーすぎないのも、秀逸なところ。
ミニ丈だから派手でも、気にならない(あたしだけ・・か)のもスバラシイ。
細かいところまで抜かりなく。

ベトナムのおしゃれ番長に任命しますTHUY DESIGN HOUSE!




旅は小説より奇なり イチオシショップ
THUY DESIGN HOUSE  
日本語でなんと読むのかも分かりません。
お店はこちら



一見するとひくぐらいの高級感。
ベトナムドンの桁におびえないで是非、袖を通してほしい洋服。
決して安くはないけど、日本ではこの値段では買えないので安いということに(無理やり)する!

旅は小説より奇なりのホーチミン 【ひっそりとざわめきのLusine(ルージン)】

2015-09-06 | Weblog
その昔、あたしはこんな記事を書いていた。

たどりつかない店


この夢は驚くほど現実的で、いまでもあの手触りと光と色を覚えてる。
不思議な、不思議な、たどりつかない店。
迷いこんで、たどり着いた路地にひっそりとあるはずの、そのお店が、もし目の前に現れたとしたら、きっとそこはホーチミンである。
いかにもお土産的な絵画を売る店、ベトナムに風景を切り取ったポストカードのような安っぽさをふりまいている絵を眺めながら、暗いトンネルのような通路から陽の当たらない細い階段を上るとそこには、白と黒のモザイクタイルの床がひろがる、明るい空間が広がるのだった。
ドンコイ通りの裏を照らす日差しは、大きな通りのそれとは違い、柔らかくのびてくる。
通路に置かれたイスとテーブル。密やかに、もれ聴こえるざわめき。



重い扉を開けるとささやきはざわめきに変わり、各国のツーリストが思い思いに食事とおしゃべりを楽しんでいる。

ペルノーをすすりつつ眺めると、バーにぎっしりアメリカ兵が並んで、声高に笑ったり、叫んだりしている。

開高健 『輝ける闇』より



本当にここはホーチミンかと訝るぐらいのおしゃれ空間で、手前がカフェで、奥がセレクトショップ。





夢に見たたどりつかないお店は、確か、こんな佇まいであったわ。
その時は人っ子一人いない、静謐な空間だったけど、現実はカップケーキはカワイイし、マリアージュ フルールのお茶はすこぶる安く、サラダの量が多くて驚く満員のカフェと、高級そうでいてどことなく、ベトナムのゆるさを残す雑貨と洋服が並ぶおしゃれ空間。


洋服はあるけど、お召し物はなく、夢の中ではなくて現実で。
明日、着ていく洋服が売っているLusine(ルージン)
連日、通ったこのLusine(ルージン)、ホーチミンで行くべき店である。
きっと、ちゃんとたどり着いてLusine。




小説より奇なり旅 場面その7
Lusine(ルージン)
住所:151/1 Dong Khoi Street 1st Floor, District 1
営業時間:10:00-22:00


ホーチミンでおしゃれなところと思うならここを外してはいけない。
残念ながら、洋服はベトナムのドメスティックなものは少なくて
KWNZOとかACNEとかCOMME DE GARCONSとか東京でも買えるもの多し。
せっかくだらかベトナムらしいものと思うならルージンのカフェでも使っていたWetter Indochineのものや、AMAI(アマイ)の器、、MAROU(マルゥ)のチョコレートなどがオススメ。

旅は小説より奇なりのホーチミン 【Ipa-Nimaのチャーム】

2015-09-02 | Weblog
海外旅行に行ったら、必ず洋服を日常で着られる洋服を、さもなければ使えるものを買うと決めている。
日本のいつも行く店で、売っていても欲しいと思えるようなものしか、買う価値はないと思っているのだけど、このハードルはなかなか高い。


素娥がおだやかに、「私、ハンカチがほしいわ」とつぶやいた。
しばらくして「二枚ほしいわ」といった。

開高健 『輝ける闇』より



アオザイも素敵だけど、絶対着られませんぜ。日常で。
南国でありがちな、プルメリアの髪飾りなんて、幼稚園のお子様じゃあるまいし、
口の中で溶ける気がしない空港のチョコレートもあたしはいらない。
安っぽい雑貨なんて全く興味がないのよね、
うっかり立ち止まったら最後、買うまで帰れないベンタイン市場を這う這うの体で後にして、ドンコイ通り。
おしゃれなお店はこちらに!とガイドブックにでているじゃないの。
ピンク色の物欲にくるまれた日本女子のグループと、次々すれ違うも、
欲しいものと、買うものが見当たらないドンコイ通り。
なんだか買物魂が騒げば騒ぐほど、から回るこの通りはドンコイ通りでよろしいか?
ことごとく食指が動かず、何も買わないなんて、それもねーとエセバイヤーの名折れだし、あたしの物欲はどこにぶつかればいいのさーと飛び込んだIpa-Nima(イパニマ)。




Ipa-Nima
VOGUEにもとりあげられたというベトナムのデザイナーズブランド。

キラッキラッのスパンコールと、みっちりな刺繍にまみれた過剰な装飾のバックがお出迎え。
JAMIN PUECHほど繊細ではなく、Samantha Thavasaよりクラフトよりで ANNA SUIより健康的。
スキかキライかわかれるような気もするけど、そこらへんの雑貨店と比べると断然、魅力的。
さすがベトナムで一番有名なブランドだけあるわね・・・・と納得してチャームをひとつ。
日本で買う値段とほぼ、変らないようですが。
Ipa-Nimaのシマウマ。









このあと、目の色が変わったドレスとの出会いがあることも知らずに。
シマウマでホクホクのワタシ。