日々草

「つれづれなるままに・・」日々の事を記す。

ジブリ美術館 「食べるを描く」展

2017-09-26 | ギャラリー
ジブリ美術館で絶賛公開中 「食べるを描く」展に行く。




チケットがとれたあの日からそわそわと待ちわびて、満を辞して三鷹まで。
初ジブリ美術館行きを決意させたのはジブリの美味しいもの達で満たされたいとの思い。
ハクが差し出したおにぎりやら、ポニョが足踏みしたラーメン、ジブリ作品に登場する食べ物はどれも普通でありふれていながら、ありふれていない特別な輝きを放っている。
ジブリ作品にとって食べ物というのは名脇役の位置を担って物語をピリリとしめるスパイスの役割。
食べるという行為は日常でいて、日々に、物語に、コクと深みを与えるうま味なのだ。
そんなうま味ぎゅっと濃縮したにちがいない展示は、美味しいだけではないあらゆる感情と機微を見せつけてくれるに違いないと期待して行ってみれば、ジブリの目を通して、美味しいは楽しいということ、美味しいから泣けてくること、美味しいをつれてくる方法を余すとこなく公開してくれている。
やはり子供だけに楽しませるのは勿体なさすぎる内容で、おばちゃん、すごく楽しんでしまったワケ。
いやあ期待以上、期待以上。
入り口には



美味しそうな料理が並び、
いかにジブリが美味しさにこだわっているかを知って

こんな隠し味のような展示もあれば

もちろんあのキッチンも2Dから3Dへ完全再現。


天空の城ラピュタ タイガーモス号のキッチン 片づけ後バージョン。

ディズニーランドみたいに細いところまで再現されている上、さらによりリアルで、扉も鍋のフタも開け放題、締め放題!
シータの作った煮込み料理がデミグラスシチューであることを確認することも簡単!

今日の晩御飯はシチューにしようと脳内宣言!

もう一つの目玉はとなりトトロのさつきとメイの家の台所、



ここではお父さんと同じ格好で流しに向かうことも出来る。



この特別展示は人それぞれの最たるものである「食べる」を描くことの難しさを見せてくれたし、
「食べる」に繋がる感情をちゃんと表現しきるジブリの実力を見せているとも言える。
千差万別で十人十色の味覚の本質を描いているから世界中で愛される作品になるのかしら。
カフェで実際に腹を満たせば、身も心も完璧に余すところなく膨れてシアワセな思いがする。

デザートには美術館の場内 土星座で上演されたショートフィルム
「星を買った日」
登場人物の名前が違うからこれはひとつの完結した世界観を持つ物語だけど、裏設定とされるハウルの動く城のハウルの少年時代と荒地の魔女の若かりし頃の話だとみればストーリーは格段に広がっていく。
先入観なしでみたから心に染みたのか、前情報ありでじ〜っくり見るのも見方が変わって絶対面白いはず。
もう一回、「食べるを描く展」&「星を買った日」を味わいたいのだけど来月では上映映画が変わってしまう。
食べることって一瞬の積み重ね、この感動も束の間で繰り返しがきかないからこそより印象的になるのかも。


ジブリの食べるを描く展に行った日。
シチューを作る日。
美味しいの作り方に目を向けた日。


ごちそう様でした。
















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上野の熊猫 岡埜栄泉でパンダ

2017-09-24 | トラットリア
熊のようで猫のようで。
漢字の国から来た彼らには絶妙な漢字があてられていてニュースの一瞬では飽き足らず、ネットでその姿を再確認してさらにもう一回と念の入れよう。
熊であり、猫でありをチェックするのが最近の日課。





ライオンに感じるしなやかな猫の要素とはちょっと違うけど、白熊とか〇〇熊(ツキノワグマとか・・・俗にいう熊一般)より猫的器用さを感じるから見飽きない。
画像のみで腑抜けにされる仕草の愛らしさと、目があったからと薯蕷饅頭一個を食べる食べないで悩ましい気持ちにさせるパンダにはやはり『熊猫』の文字がふさわしい。
上野の岡埜栄泉総本家の薯蕷饅頭は熊猫型。


パンダと書かないのは、ブームではなく定番なんですウチは!という上野に根ざす老舗の矜持か。
上野といえばパンダであり、上野みやげといえばパンダであり、上野の和菓子といえば岡埜栄泉あるから上野に寄った時は岡埜栄泉でパンダ和菓子を買うのも楽しみなんである。





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腹をみたす本 『くいいじ』

2017-09-14 | リブレリア
安野モヨコ 「くいいじ」を引っ張り出して読んでいる。
忙しい合間にかっこむケータリングやら、妄想のファーストフード、お手製お手軽料理なんだけど、とても美味しそうで、デリバリーのピザすら食べたくなる不思議。
きっと安野モヨコと言う人は食べることを愛し、本能に従って、美味いものに猪突猛進の勢いで向かっていくそのパワーがかくいうグルメにカテゴライズされるような某有名店や高級品もあれば、そこらへんに転がっているC級にもならないような腹を満たすものにも分け隔てなく発揮されているから、文章からちゃんと美味しいが発射されているのだろうとおもう。



忙しくて、調子が悪くて、機嫌が悪い日もあるだろう。
でも、美味しいものはそれを乗り越えるパワーがあるということをきちっと知っていて、そう信じている人の言葉はなかなか説得力がある。
クソ忙しいと悪態をつきたい日も、目が半分しか開かないようなヘトヘトの日も季節の移ろいを食で楽しみたい欲が無くならず、あえてそういうスローな食を妄想してヨダレを垂らしながらも頑張る人があたしはスキだ。
忙しいときには忙しいなりに「美味しい」と叫びたい。
それが実際、「美味しそう」だとしても、忙しいからこそつれない現実に妄想で美味しいご飯を、優雅な時間を補うのだ。



食の嗜好や食事に関わる行為は、生命に関わるから本能に直結していて、その人の人となりが端的にあらわれる。
だからどういう仕事をするのかという視点で食事をみればすごく腑に落ちる場合もあるわけで。
ブリア サヴァラン先生もこうおっしゃっているではないか!
「どんなものを食べているか言ってみたまえ。君がどんな人であるかを言いあててみせよう。」

有名店至上主義のあの人は、わかりやすい見栄えの良い仕事を好んで、小さな顧客より大手主義。
いつだってスーパーのPBのカップラーメンを食べ続けるあの人は変化を好まず、それは食事でも、仕事でも同じ。
バリバリ仕事をこなしてる売れっ子漫画家 安野モヨコがなるほど、あり余るくいいじを持て余すのも非常に納得。
バイタリティはくいいじに通ず。

かくいう、あたし。
安野モヨコと同じく妄想で食事ができる身は周囲からみたらどんな仕事ぶりであろうか?
『くいいじ』を片手にソフトサラダを昼食にしてそれなりに腹がみたされるあたしの評価は如何許りか?
食欲を本で満たす人の評判を聞いてみたい。けど、コワイからいいや。
やったつもり、独りよがりな孤高のグルメか程度なら大いにマシか。
お昼に妄想総動員し、ネットを駆使して目の前のコンビニおにぎりを食べる自分の面倒臭さにうんざりもするが、生命の維持の根幹ですからこだわり宣言すれば、プロフェッショナルな仕事ぶりに通じるのだろうか?


どうよ?





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再びのタイ時記 初めてのアユタヤ

2017-09-14 | Weblog
アユタヤといえばワット マハタート




この木にのみこまれた仏頭が有名で、写真やらで一度は目にした人も多いはず。
昔、昔その昔の栄華を留めるワットにいこうとアユタヤへ行こうと決めた。
退廃と虚構に宿る美しさと歴史の重みをみたいと願う。
そこに漂うののは栄華の残り、盛衰の跡形、争いの残骸、歴史のかけらか。



陽が傾き出す3時、気だるく重い湿気がたれ込めるアユタヤ遺跡へ。
300年前の煌びやかな世界は露ほども残らず、石造りの塔やら、朽ちた建物の基礎やらが森閑と横たわっている。
ブッタも、都市も、文明も涅槃。
長々とアユタヤの大地に横たわり、かすかな息遣いがもれるのみ。
タイの一大観光地であるものの、どこか侘しく、寂しく、枯れた空気感が満ちている。
それとは対称的に繁茂するのは樹木、咲き誇るプルメリアの花、あちこち自由に駆け回る犬。
アユタヤ県のアユタヤ犬。



「この遺跡は300年前からここにこうしてあるのです」というガイド氏の言葉をうけて足下をみれば、
犬の




足跡🐾


おお、300年から犬はここを自由気ままに歩いていたのだね、犬の足跡すら遺跡で、すごい発見と感動したら
それはこの間の洪水の際のものですとガイド氏。
補修の際に生乾きのコンクリートの上をとことこと犬の歩いた軌跡がのこされている。
遺跡の保全と修復ということでいえばあり得ない自由さで、日本では考えられない緩さであるが、良くも悪くもタイらしい。
これから数百年後に残っていたら、面白い見所になるんじゃないかと思う。
ディズニーランドの隠れミッキー探しより簡単に見つかって、よりリアルな犬の肉球。


再びのタイで、初めてのアユタヤ。
こんな遺跡のめぐりの楽しさも味わえるなんてウレシい。
遺跡の一番いいところ(さすが日陰の涼しいところ)を選んで長々と寝そべってぼへーっと優雅な時間を愉しむ犬たちはわっせとわっせとわっせと右往左往するのではなく、悠久な時間が流れているからそれを愉しまないと勿体無いよと教えてくれているに違いない。




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再びのタイ時記 再びのタイ料理まみれ

2017-09-05 | Weblog
昨今のエスニックフードブームで、パクチーが市民権を得て、巷でぶいぶい言わせているけど、タイ料理ときいて、辛い、酸っぱい、あんまり得意じゃないという人もまだまだ多いようですが、辛くない和食党のストライクゾーンが極小の人にもオススメのタイ料理というのもあるわけです。


カオマンガイ→前回の美味しいお店はこちら モンコンワッタナー
チキンスープで炊いたごはん、チキンのっけ。
不味いわけなかろ、チキン嫌い以外は。

パッタイ→前回の美味しいお店はこちら ティップサマイ
タイ風の焼きそば
ちょっと甘めのタレが美味。
おたふくソースやどろソースのような甘みが決め手。
ソース焼きそばが美味しく頂けるなら、食わず嫌いはいけませんぜ。



こういう料理が美味しいとおもったのなら、もう徐々にタイ風は接近しつつあるのです。
タイ風情報にご注意ください!
じきにプーパッポンカリーやら、ガパオやらトムカーガイやらとタイ風の味付け恋しいが吹き荒れるのです。
するとスーパーで当たり前のようにパッタイキットが買えて、ラープの素まで素知らぬ顔で陳列されちゃうわけで。

ラープ イサーン
タイ北部 イサーン地方の料理。辛め。
挽肉やらを唐辛子とハーブをライムの酸味とニョクマムの旨味で和えたもの。
決め手は炒り米の香ばしさ。


よくもこんなマニアックなタイ料理が簡単に食卓へ並ぶもんだと関心する。
日本人の新し物好きの好奇心は、よくよくのものと思うのだ。
オススメのはカルディで売っているラープキット。



でも、品切れ?製造中止?のようで手にはいらないから、こちらで手を打つ。





挽肉を茹でて、いくつかの小袋にわかれた調味料他と混ぜるだけでなかなか本格的な味に。
もう一度いう、結構辛め。
だからこそ!くせになるのかラープ。

今回のタイ旅行では
超有名店 ソムタムヌアのラープ



イチオシイサーン料理店 バーンイサーンムアンヨットのラープ



アユタヤのホテルのビュッフェのラープと食べ比べ、ラープまみれ。
スペシャルなレストランを目指すのもいいが、お目当ての料理をあちらこちらで食べ歩くという選択肢も悪くない。
同じ料理のはずか、店によってなかなかどうして個性的。
もうどれも美味しいのだけど・・・・・・
まさかのレバー入りのラープが出てきたのはソムタムヌア。
残念な事にオーダーもれになっていて、待てど暮らせど来ないラープを待ちわびて、催促してやっと届いた一皿はまさかの

レバー入り


あたしの暮らす世界で一番キライなものが登場して
嫌な思いをしたとこに追い討ちで傷口に塩。
もう、いろんなものがしみて、しみて。
ラープ 一皿に一喜一憂して、今夜はおみやげの本場 ラープの素で晩御飯。

そう、この味、喜怒哀楽がつまって。
ビールが美味しいのです。


今回のオススメはバーンイサーンムアンヨット




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