日々草

「つれづれなるままに・・」日々の事を記す。

お帰りなさい 帰去来  -蔡國強展―

2015-08-02 | ギャラリー
横浜美術館で蔡國強展(ツァイ・グオチャン/さい こっきょう)

いまをときめく現代美術アーティースト 蔡國強(さい こっきょう)。
火薬を爆発させて絵を描く火薬アーティストとの名をほしいままにし、
北京オリンピックの開会式・閉会式の花火の仕掛け人ともなった彼の個展「帰去来」。
日本で創作活動を開始し、NYで洗練され、北京で花をさかせて7年ぶりに日本へ帰ってくる
原点へ、自我への回帰。


始まりは圧巻の火薬によるドローイング「遠行」。

そしてメインは「壁撞き」





99匹のオオカミが群れをなし、空を駆け、飛び立っていくのかと思いきや
見えない壁(ガラスの壁)にぶち当たり落下する。
落下したのちも、また立ち上がりその壁に向かって疾駆してゆく。
永遠にぶつかり続け、立ち上がり、疾駆して、また落下。
99という数字は道教において永遠の循環を象徴しているのだという。
つまりこれは人生やね。
永遠に見えない壁にぶちあたり続けるあたしの人生のよう。
思い通りにいくことなんてそうそうないもの!
えっ、あなたもなの!!
だから壁にぶちあたっても、また立ち上がってね、ということを目に見える形にしてくれた作品。
だから世界各国で話題になるのでなかろうかと99匹のオオカミに混じって、あたしは思う。




ぶつかって、もみくちゃにされ、尻尾をまいても
さあ、徐々に顔をあげて原点へ戻るのだ。
人としての本能へ、我が欲望に忠実なれ、目の前の壁を飛び越えるべく!


疾駆。




人間の本能と欲に忠実になってみたところ、猛烈に腹がへっていることに気がつき
その欲の原点にたちかえるなら出発点は中華街に違いないと、美術館を後にするも
超えるべき壁がやっぱり立ちはだかるのである。




灼けたアスファルトからゆらりと立ち上る熱気、容赦ない日差し。
見えない壁、こんなところにも・・・。












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