日々草

「つれづれなるままに・・」日々の事を記す。

馬鹿という縄

2019-03-27 | ホーム
いわゆる土産物屋と呼ばれるところにいくと見てはいけないものを見たようでドキドキがとまらなくなる。
 
コントの衣装のような帽子
外に着ていくのが恥ずかしいTシャツ
家にあったら邪険にされそうな置物
100円ショップ以下のクオリティーとデザインでなかなか高額ときている。
 
なんたる不条理!
 
みうらじゅんが「いやげもの」という言葉を世にひろめているが
まさに「嫌」+「みやげもの」=「いやげもの」とは言い得て妙である。
 
それでいてつい立ち寄り、うっかり買ってしまうから土産物屋とはげに恐ろしき場所なり。
日本のなまはげ、北米のトーテムポール、インドネシアのバロン 北欧のトロール
土着の信仰から生まれたものが、不思議と多いのはその土産物がその土地ならではのものという理からか?
そんな神様のような神様もどきのようなものたちは店の一番いいところでベロを出したり、口をあけたりしながら愛らしくない表情で観光客を待っている。
 
「ティキ」をご存知であろうか
ティキ:ポリネシアの土着の神様
ハワイのいたるところでおみかけする土産物モチーフ
置物、グラス、壁掛け、文房具・・・
ありとあらゆるものになって南国の風をふかせている。


是非、googleでティキの画像を見てほしい。
いやげもののランク、松竹梅でいうところの松ランクの実力をしかと見ることができるだろう。
 可愛くないけど、古代のゆるキャラ(ゆるキャラもみうらじゅんの造語!)だと思えばそれなりに愛着がでて、旅先の高揚感も相まって思わず買ってしまうティキ像。
凡人トラベラーは思い出も無形より有形としてわかりやすくとっておきたいのが常である。
ハワイの思い出にはティキ像を・・・って、これを買う人がいるのだという事実に驚くのだけど、
もっと驚くことに・・・・
ついに自分が「いやげもの」を嬉々として買うようになってしまったのだ!
世も末、終末期である。ハルマゲドン。
 
安っぽい民芸品なんて誰が買うんじゃと悪態をついていたのは昨日までの日々。
沖縄でやちむんの嵐にもまれてしまったからか。
気持ち悪いと評判の肉人形、だれが買うんだといわれるようなシュールな肉や魚のオーナメントに飛びつく黒歴史を棚にあげて、いやげものを買うんなんてといっている自分を恥じたい。
 
 
ティキでFISHなオーナメント




いやげもの×黒歴史×人目を気にせず=ティキFISH
過去の黒歴史はこちら➡fish
 
人間に「絶対」はないのである。
永遠に現役でいるとおもっていたイチローだってついに引退を決めたわけだし、絶対にこういうものは買わない!と公言してはばからなかった民芸的いやげものを買うこともあるわけでやちむんに続いてティキFISHは米国より大南原を飛行機で飛び越えてくるのです。
空輸までしたティキFISHということを踏まえて本日の一言。
 
 
馬鹿という縄でくくってください。

空を飛んだやちむん

2019-03-25 | Weblog
ぽってりと厚手でおおらかで、土っぽさも垢抜けなさも魅力といえる沖縄の器、やちむん。
沖縄の言葉で「焼物」を、やち(焼き)ーむん(もの)と呼ぶのだそう。
なのにどこでどう覚えたのか「やむちん」と、記憶してしまい言葉に、間違えた時の気まずさが絡み合っていまだに恐る恐る口の端にのせている。
やむちんと得意げに連呼する女になることは避けたいから、人と喋るときはできるだけ沖縄の器と言っているけど。
そんな「やむちん」女がついにやちむんを買う。
民芸寄りであるやちむんは好みじゃないと手を出さないでいたのに、土臭さは力強さで、垢抜けなさはあたたかさあることを知り、勢いのチャンプルーも、手抜き中華も受け止める「器」の大きさも惚れどころ。




一口にやちむんといっても、いろんな個性があってお気に入りを見つけるのなかなか大仕事。
こんな楽しい大仕事ならいつだって喜んで!
壺屋のやちむん通りでは雑貨レベル、美術品レベルが一緒くたになっており、今は昔、伝統と革新も隣り合わせ。
さあ、こうなるともう決まんない訳ですよ、何を買っていいのか、何が欲しいのかすら分からない物欲のトワイライトゾーン。
もう愚直に一軒、一軒、お店をのぞき、遍く視線を注ぐほかないのである。







あまたの陶器を眺めれば、やがてアイドルの原石のごとく浮かびあがる逸品が見えてくる。
マカイと呼ばれるお茶碗とどんぶりのハーフみたいなお椀、うどん用あたりを探していたら小ぶりながら見目麗しい子と目があった。
お店はやちむん 通りの中ぐらい「うつわスカート」というお店。





アイドルのスカウトってマジこんな感じなんだろう。
圧倒的な存在感と、もれ出る魅力。
圧倒的なオーラに匹敵する圧倒的な値段、他のやちむんと一線を画すご飯茶碗サイズのマカイ、赤絵、10000円。
2000〜3000円台が相場のやちむんのなかでもずば抜けて高かったこのマカイ。
さぞや高名な作家モノだろうと尋ねれば、「田中 シンマンさんの作品です」のご回答。







田中さんって・・・・どなた?
気に入ったのでええいままよとお買い上げ。
ついでに同じ作家の別のモノを見せて頂きたいとお願いすれば出てくる出てくる隠しネタ。
勢いのある荒々しくも均整のとれた大皿 20000円。
ずらっと山田シンマン作品の大皿が並んだ圧巻の光景の中から、我が物欲の声に忠実に格別な一枚を選び取る。
5000円とか中途半端に高い価格なら買わなかったかもしれん。
普段使いで20000円ってなかなかの金額であるから、さすが壺屋やちむん通りで、物欲のトワイライトゾーンだからと言い聞かせてお買い上げ。



さて、くだんの山田さん。
目下目先の買い物に一生懸命で、お店できいた作家さんの名前さえもうろ覚えで、冷静になってみれば、完全な予算オーバーであって、改めて山田さん、誰それ?と弱気になって調べてみれば、世界的に活躍される沖縄を代表する陶芸家 山田真萬 であった。wow!
beamsでも伊勢丹でも買い付けがされるほどの方でした Wow wow!!
県内外、はたまた国内外から引く手数多であっという間に買い拐われていくのだそうだ。
やちむんの名実ともにトップ陶芸家。モダンと伝統が融合した大胆な作風。特別な存在感は一目惚れの域。


お店の人も高いけど唯一無二と言ってましたもの。
欲しくてもなかなか買えないので、出会いだとも。
というわけで、やちむん、空を飛ぶ。
丁寧にパッキングしてもらって沖縄の空気をまとって我が家の食卓へ。

ゴーヤチャンプルー
ソーキ
ミミガー
ソーミンチャンプルー

沖縄ゴハンもついに献立ローテーション入り、このやちむんと共に。




空飛ぶポークたまごおにぎり

2019-03-10 | Weblog
羽織っていたコートを脱ぎ捨てて身軽な装いで歩く3月。
もう桜の時期も終わりましたと3月。
静かで、鈍色で、あちこちガラガラで、一足先に春がきている3月の沖縄。
マリンアクティビティの季節には程遠く、曇天でまだら雨。
スカッと青空、美しい海を楽しめないなんて沖縄の魅力が半減と言われようともこの時期の沖縄は良い。

静かな沖縄はゆっくりと現実逃避ができるから、キラキラと空が青くなくても、今帰仁城が桜色でなくても構わない。大事なのはポークたまごおにぎりが大行列せずに買えること。

好きすぎてスペシャルボックスを空輸するぐらい。
ポークたまごおにぎり本店






牧志本店も那覇空港店もなかなかの行列で、迫り来る搭乗時間との戦いでもあるけど、おみやげにポークたまごおにぎりは絶対に買わなければならない。
沖縄がつまったポークたまごおにぎり。
これが食べたくて沖縄に行くといってもいい。
特に島豆腐が入ってるやつが好き。
ここのポークたまごおにぎりを食べてからというもの、あたしのポークたまごおにぎり観がぐるりと変わった。
ポークたまごおにぎりって美味しいものだったのね。





沖縄旅から帰って来ました ポークたまごおにぎりを持って。
これが今日の晩ごはん。
家 に帰るまでが遠足で、ポークたまごおにぎりを家で食べるまでが沖縄旅ですから、ポークたまごおにぎりは空を飛ぶのです。