日々草

「つれづれなるままに・・」日々の事を記す。

人を黙らす力

2019-06-28 | Weblog
いろんな場所で、いろんな状況で「はぁ?」と思う事態に遭遇するわけだが
そんなときは心の中で「カニ」を思い浮かべる。

万人を黙らすフォース、それを「カニ」と呼ぶ。



ぐちぐち、ねちねちと続く話も、姦しいを超える騒音も腹立たしい自己本位な言い訳も、すべてを黙らせる、蟹。
「はぁ?」な話をし続ける人は美味しいカニを食べてないからそんなんなんだよと脳内で言い返すことにしている。
蟹でも食っとけ(黙っとけ!)
ついでにそんな輩をカニだと思うことにして釜茹での刑にして食べてしまうことにしている。
でもそんなことを言っているとカニアレルギーなっても困るし、蟹に当たってもツライから
美味しいカニを食べることを想像して塩味に耐える日々。

カニはいい。

さすが食材のヒエラルキーのなかでも上位に位置すらだけの実力がある。
粛々と人を黙らせ、心躍らせ、やさぐれた心を癒す。世界を見渡せばそこらへんのB級グルメのはずが飛行機代や宿泊費をのみこんで超高級な成り上るカニ料理もあるのだ。

ベトナムの500円ぐらいのカニチャーハン うっとりとその味を思い出す一流の味。→ベトナム クアン95ゴックの
「プーパッポンカリーにはゴハン!」と日本語でつぶやいたとたん、笑顔で差しだされた タイのソンブーン。
異国で心の声さえと通じるという奇跡。→ソンブーンの
カニの美味さは万国の共通語なのである
だからこそまだ見ぬカニ料理を求めて旅の行先とする
 

本場上海の上海蟹
韓国のカンジャン・ケジャン



シンガポールのチリクラブ
アメリカのクラブケーキにケイジャンクラブ





「カニ食べに行こう」とは究極の誘い文句。
女優と結婚して実は3Kだと株があがった芸人Yもこの究極のお誘いをしたとか、しないとか・・・・・(妄想)
海外旅行の口実に「カニ」をもちだすあたしの策士ぶりも世間で評価されたいのだけど、目の前の人すら落とせないとは不覚である。
「究極は丹後の間人がにの宴じゃない?」なんだそうだ。
確かに海外より国内。
料理より素材、北海道の毛ガニ、タラバ蟹、北陸のズワイ蟹。
焼いてよし、茹でてよし、酒によし。
旅先で美味しいカニを食べたい。
晩御飯においしいカニを食べたい。
もう、心ここにあらず。
目の前のコンビニごはんは見えない、見たくない。


やらなきゃいけないことが山積みでバタバタなのに脳内はカニ一色。 
全てがすべてカニに終着されていくこの思考。
どうしてくれよう。
そしてどうでもいい話を極上の秘密風に話している目の前の人に差し出したいカニの足、一本。

酒には塩さえあればいい

2019-06-09 | トラットリア
涼暮月の晩酌。

こんなアテで呑めるなら無理して行った甲斐があったというものである
GWに神田明神を飛び出して二子玉川 高島屋へ 片道1時間、往復2時間、
玉川 タカシマヤで15分の買い物、超急いで!
〆て2時間半の算段で出かけた「酒には塩さえあればいい 3」の戦利品。





金沢の福光屋とたかはしよしこが、がっぷりよつに組んだ垂涎のイベントがあって、勢いと根性のみで駆け込んだ。



だって、


塩は極上のつまみである。

まさに。

旨口の酒に塩。



塩といっても塩化ナトリウムではなく、塩味に潜む、旨味、甘みこそ酒のつまみ。
炙ったイカでいいと八代亜紀は歌うが、塩さえあればとあたしは歌おう。
ど演歌流れる煤けた赤提灯のカウンターで升酒に塩。
人生の悲哀及び、しみじみ度は格段に炙ったイカより塩だろう。

目を閉じて、まぶたに浮かぶは・・・・・・闇。



いや、塩だ!酒だ!
しかも酒は贔屓の福光屋、塩は塩でもエジプト塩。


たかはしよしこのエジプト塩
一振りで食材が料理に化ける魔法の調味料。
サラダに、冷奴、焼いた肉とエジプト塩をかけるだけでエキゾチックな料理になる。
ほろ苦いカカオニブの入りチョコエ塩にもハマり中。
クミン、ナッツ、カカオニブ、この塩はまごうことなき「つまみ」である。




と思っていたのはあたしだけではなかったようで、酒には塩さえあればいいと声高に宣言すること3回目。
人気のイベントなのでありました。
炙ったイカより、塩さえあれば派がかくも多いとは。
呑兵衛というものはまったく業の深いミニマリストもどきである。
塩さえあればなんて言いながら、未知と既知の酒には大枚をつぎ込む高額納税者。
(酒税のほかタバコ税を払うことを自らに課した奇特なお人も多いかと)
酒に合うときけば財布の紐が緩むことも多い。
本当に自分に必要な物だけとミニマリストを気取りながら、いやいや、酒に金払わなくてもまったくもって生きていけるのに、なんだかね。
それでも人生も生活も無駄があるほうが面白い。
酒を飲まないのは人生の2/3を損しているよとうそぶきながら今宵も飲むと。


涼暮月の晩酌。
油揚げの味噌漬け
日本酒、塩。
塩は「つまみ塩」
もちろんエジプト塩専用 大園篤志さんのspice bottleも調達済。
たしかにエジプト塩専用の容れ物なんて酒を飲むことにすら必要ないけどこういうのが酒を塩で飲む愉しさともいえよう。
酒と塩とまぶたに浮かぶ煩悩の闇。




行って帰っての二時間半、
ゆるりとほぐれて二時間半。
このために費やすべき二時間半と金もあるということ。
酒には塩さえあればいい。