日々草

「つれづれなるままに・・」日々の事を記す。

旅は小説より奇なりのホーチミン 【開高健 輝ける闇に捧ぐ】

2015-08-20 | Weblog
あの事件のあとでチュオン・チンは憎まれましたけど、ホーおじさんはむしろ同情されたくらいなんです。どんなことがあっても南北を問わずホーおじさんはナンバー・ワンなんです。コミュニストのなかにはサイゴンのことをホー・チ・ミン市と呼ぶのがいるそうですよ

開高健 『 輝ける闇』より




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ある日、何気なく手にとった開高健のエッセイ。
繊細で饒舌で鋭利な思考と語り口はウィットと含蓄に富んでおり、何かの本物を見たと鋭利な刃物で切られる思いがしたのだった。
洒脱な酒と旅の話、人間の深淵を覗き込む小説。
開高健を知れば知るほど、ベトナムに行きたくなり、あのマジェスティック・ホテルでマティーニを啜りながら、『輝ける闇』を読もうと思ったのだ。
『夏の闇』で自分の生を持て余し、生ける屍として無為に時を過ごす一人の男が辿り着く先がベトナムの闇であり、戻るのはベトナムの森。
開高健が生き場所と決めたベトナムには何があるのか。
かの地、サイゴンと呼ばれていたホーチミンの闇にうごめく何かを探しにベトナム航空の青い機体に身をのせたのだった。
アオザイ姿のCAを横目にさあ、ページを開こう。
狭いシートに身体を押し込み濃厚な開高ワールドへいざ。




小説より奇なり旅 の必須アイテム
開高健 『輝ける闇』 一冊。
ウェット ティッシュ 多めに。
ゴハン食べるとき、出先で、これはベトナム旅の必需品。


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