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原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

国は沖縄県民を日本国民として扱っていない。

2017年02月06日 | 時事論評
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設計画が浮上してから21年。

 本日2月6日朝、名護市辺野古の沿岸部で普天間代替施設の建設に向けた海上工事が始まった。
 反対派の市民たちは憤りの声を上げて警官ともみ合いになり、現場周辺は騒然とした。
 現場海域には5日から作業船や台船が停泊。 移設予定地の陸側、米軍キャンプ・シュワブのゲート前には6日早朝から反対派の市民ら約100人が集まり、工事開始に抗議する集会を開いた。
 現場が騒然となったのは午前9時半過ぎ。ダンプカー4台が姿を見せると、市民らは車両の基地進入を防ごうとゲート前に座り込んだ。 それを機動隊員が数人がかりで抱え上げ、強制的に排除した。「離せ」「暴力やめろ」。抱え上げられた人たちは声を張り上げ、緊迫した雰囲気となった。
 (以上、ネット報道より引用したもの。)


 今回のエッセイ表題 「(国は)沖縄県民を日本国民として扱っていない」なる言葉は、上記抗議集会に参加した稲嶺進名護市市長が発した怒りの声である。 
 先程、昼のNHKニュースにて見聞したばかりだ。


 引き続き、別のネット情報の一部を引用しよう。
 
 沖縄の美しい海を埋め立てて巨大な米軍基地を造るための工事がまた一歩、前へと進んだ。
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設に向け、政府が6日、初めて海上工事に着手。
 まだ真っ暗な午前6時前、前夜の雨もあり肌寒いキャンプ・シュワブゲート前に続々と移設反対派が集結。「これ以上工事を進めないためには、作業員を中に入れないという抵抗をせざるを得ない」。約150人が「辺野古新基地NO」「辺野古埋立阻止」などと書かれたプラカードを掲げるなどして抗議の声をあげた。
 同県南風原町の男性(63)は「市民の意思を今日示さなければ、政府の意向を沖縄が黙認したことになる。民意を無視しようとも、県民の意思は揺るがない」と語気を強めた。
 午前8時15分、作業員が乗った乗用車が到着。 作業現場に向かうためキャンプ内へ進入しようとしたが、反対派は入り口前に座り込んだ。 すると沖縄県警の機動隊が隊列を組んで阻みながら、隣接する出口の方から工事車両を通した。反対派からは「きちんと手順を踏め」と怒号が飛んだ。
 「帰れ!帰れ!」反対派はゲート前で腕を組んで壁を作り声を張り上げた。 一進一退のせめぎ合いの末、午前10時半ごろ、足止めとなっていた車両がキャンプの方へ。 機動隊は約80人を次々に排除。腕をつかまれた高齢の男性は「県警は県民とアメリカとどっちが大事なんだ」と叫んだ。
 ゲート前には、辺野古への移設阻止を訴えるため翁長雄志知事と稲嶺進・名護市長も駆けつけた。「アメリカでも、沖縄の置かれている状況はよく聞いてもらえたと思っている。 全く無視し続けるのは日本政府だ。 訪米中に防衛大臣が『辺野古が唯一の解決策』との見解を示すなど、恥も外聞もない」と怒りをあらわにしていた。
 (引き続き、ネット情報を引用したもの。)


 「原左都子エッセイ集」バックナンバーに於いて、私は幾度か米軍沖縄基地移転問題をテーマに取り上げている。

 一つ思い出すのは、「いっそ東京・永田町に米軍基地を沖縄から移転せよ!」と主張したエッセイだ。 (娘が当時未だ高校生だった記憶があるため、おそらく数年前に公開したバックナンバーだろう。) そのバックナンバーを探したのだが残念ながら自力で発見する事が叶わなかったため、このエッセイに関して思い出すままに反復すると…
 当該エッセイには、様々なご意見を頂戴した。 「冗談でしょ。 そりゃ無理だ。」 「米軍基地は沖縄という位置にあってこそ日米安保条約を遂行可能だ。」等々……

 ただ、私は冗談や酔狂でこのエッセイを公開したつもりは毛頭無い。
 (表題に掲げた名護市稲峰市長のご発言通り)、沖縄県民とて日本国民である事実をもっと国民皆が(たとえ想像力内でも)実体験として理解するべきだ。
 ましてや、沖縄の皆さんに長年課し続けている米軍基地を抱える危険性及び重圧、そして心の痛みを、国家政権こそが我が事として受け入れるためにも本気で永田町に移転するべき! と発信したくもなったのだ。
 東京都民である私自身も、沖縄の皆さん同様の痛みを味わう覚悟を決めてこそ、本気で米軍基地問題を語れるであろうとも考えた結果だ。


 近年の例を挙げれば、2015.10.29公開 「沖縄県民民意を踏みにじる辺野古埋め立て強行着工」 とのバックナンバーも公開している。

 以下に、その一部を反復させて頂こう。
 もしもこの先、現沖縄県知事であられる翁長雄志氏が「米軍普天間飛行場辺野古移設計画」を白紙に戻すとの快挙を成し遂げられたなら、私は是非とも翁長氏を“ノーベル平和賞”候補者として推奨したい思いだ。
 それ程までに翁長氏知事就任以降の「辺野古移転阻止」に向けた精力的な闘いぶりに賛同申し上げつつ、陰ながら応援させていただいている。
 初当選を決めた翁長氏は「私が当選したことで基地を造らせないという県民の民意がはっきり出た。それを日米両政府に伝え、辺野古の埋め立て承認の撤回に向けて県民の心に寄り添ってやっていく」と述べた。  そして、辺野古工事を強行している安倍政権に対して、沖縄の民意をぶつけるということだ。今度の知事選は、公約破棄である埋め立て承認に対する県民の初めての判断になる。だからこそ結果をしっかりと出す必要がある。 私たちは「オール沖縄」とよく言っているが、「イデオロギーよりもアイデンティティーが大切」ということだ。
 私(翁長知事)からすれば、日本全体で0・6%しかない沖縄に米軍基地を押し付けておいて、抑止力も何もないと思う。日本国民全体で守って初めて抑止力が働くのであって、「日本国全体で守る」という素地をつくっておかないと、抑止力にならないと思うし、日本国の決意は見えない。このままでは沖縄戦の70年前と同じだ。 (以上、ネット情報より翁長雄志氏のポリシーの程を紹介したもの。)
 原左都子の私論でまとめよう。 
 翁長氏の素晴らしところは選挙前の公約通り、この1年足らずの間にご自身の身の危険をも顧みず「辺野古移設取消」に向け、出来得る限りの行動を起こされた事実だ。
 安倍政権が国民の民意を無視して「安保法案」を無理やり強行採決させたと言えども、未だ当該法案は“施行”には至っていないと私は理解し、今のところそれが救いと考えている。 それにしても本日(2015年10月29日)、政府が沖縄県民の民意を無視して辺野古埋め立てに向け工事を着工したのは事実だ。
 この事態に対し翁長知事は、以下のように反論されている。 「はなはだ遺憾で断じて容認できない。 国が代執行等の手続きで司法判断を問うならば、判決が出るまで作業を開始するべきでない。」
 まさに、翁長氏のおっしゃる通りだ。   日本は法治国家であるはずだ。  安倍政権内には、それを安倍氏に正せる学識経験者が一人として存在しないのか!?   それとも、何故それ程までに安倍政権が米国迎合にこだわるのだ??
 安倍政権が無理やり強行採決に持ちこんだ安保法が“施行”される前に、少し腰を落ち着けて法治国家のあり方を自らが今一度問い直すべきだろう。 
 そして、特に国家の歪んだイデオロギーの下長年翻弄され続けて来た沖縄県民のアイデンティティこそを今後尊重するべく行動するべきだ。
 (以上、「原左都子エッセイ集」2015.10.29公開エッセイより、一部を要約引用したもの。)


 上記エッセイ公開から2年半程の年月が流れ、米国はトランプ共和党政権に移り変わった。

 沖縄県知事翁長氏がつい最近米国を訪問したものの、トランプ政権要人との会合は果たせなかったとの報道だ。 そうだとしても、翁長氏の感覚としては日本国家の沖縄を“ないがしろ”にした沖縄対応よりも、米国の反応の方こそが沖縄に好意的だったとの情報もある。

 そんな状況下での、本日(2月6日)朝の名護市辺野古沿岸部での普天間代替施設の建設に向けた海上工事開始との国家の対応。
 私に言わせてもらうと、まるで “ヤクザもどき” の手法だ。
 何故、安倍政権はそれ程までに沖縄県民をいたぶりたいのか?!?
 おそらく翁長知事が米国要人との会合が叶わなかった事実を速報で知り、“今こそだ!” と事を焦ったのではあるまいか?

 それにしても、超右翼稲田防衛大臣のあの “無表情ぶり” の不気味さ(政治家として実際如何程の能力があるのやら?? 結局それが一切無いからこそ、安倍氏に操られるままに右翼を演じ防衛大臣の地位を死守し続けるしか自らの身の保証が無いのだろう、と私は推測しているが…)や、 菅官房長官の “自己ポリシー無き単なるメッセンジャーぶり” をテレビニュースで見せられるにつけ、安倍政権の国民に対する“愛情の無さ”を実感させられる日々だ。

 沖縄県の皆様、超々微力ながらも私は今後も沖縄からの米軍基地全面移転を応援し続けます。
 どうか翁長知事や稲峰市長の下、少しでも辺野古移転阻止に向けて良き結果を導かれますように。