原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

次期都知事選は2020五輪“小規模開催派”に一票を投じたい!

2013年12月21日 | 時事論評
 日本の首都である「東京都」とは、決して2020年にオリンピックとパラリンピックを開催するため“のみ”に今後存在せねばならない自治体ではないはずだ。
 そこは全国各地都道府県の例外ではなく、血の通う市民一人ひとりがしがない収入の中から血税を納めつつ、日々の生命を繋いでいる生活の場なのだ。

 そんな事は誰が考えても自明の理である。
 にもかかわらず、一昨日(12月19日)辞任表明した猪瀬直樹氏はじめ自民党政権阿倍首相は、底辺に生きつつ都政を支える1300万都民の存在をすっかり忘れ去っておられる様子だ。 
 当日の記者会見に於いてお二方は、口を開けば猪瀬氏辞任後も2020東京五輪を無事成功させる事ばかりをメディア報道内で繰り返す始末だ…

 本来自治体の主役であるはずの都民の存在をこれ程までにないがしろにされて、黙っていられる原左都子ではない!


 19日午前、東京都猪瀬直樹知事は医療法人徳洲会グループから5000万円を受け取っていた問題の疑念が払拭できなかったとの理由で、都議会議長宛に辞職願を提出した。 直後に猪瀬氏は記者会見を開き、「これ以上都政を停滞させるわけにはいかない。五輪の開催準備を滞らせるわけにもかない」と述べ、報道を通じて辞職する意向を表明した。

 「原左都子エッセイ集」5本前のバックナンバー、「猪瀬さん、何で徳洲会から5000万円も借受たの?」と題するエッセイにおいて、この事件に関する私論を展開している。
 今回の猪瀬氏辞任劇とは、上記バックナンバー内で私が推測した通りのストーリー展開となった事実が我ながら興味深い。 猪瀬氏と徳洲会との癒着関係など誰しも予想していた通りであろうが、これ程早い時期に猪瀬氏を辞任にまで追い込めた都議会の研ぎ澄まされた調査と質疑には唸るものがあった。 (前知事である石原慎太郎氏との会見こそが、最終的に猪瀬氏辞任を促す決定打だったようだが…)

 片や、猪瀬氏の都議会質疑応答に応える“しどろもどろさ”にも、都民として愕然とさせられるばかりだった。
 政治資金として受け取った事が歴然の徳洲会からの5000万円に関して、猪瀬氏は“うろたえつつ”優柔不断な答弁を繰り返していた。 その姿とは一都民の立場で見ていて辛いものがあるほどの軟弱ぶりだったのだが、1年前に歴史的最高得票を得た猪瀬氏に一票を投じた都民皆さんの思いとは如何ほどだったのだろうか? (参考のため、原左都子は決して猪瀬氏になど投票していませんよ。) 
 えっ?  他に候補者がいなかったから仕方なく猪瀬氏に投票した???  これこそが大方の都民回答と推測できる寂しい選挙結果だったからこそ、たった1年で都知事辞任劇に相成るのだ。
 こんな貧弱な地方自治体知事選挙の実の無い実態こそが、どうにかならないものか!!


 猪瀬氏がたった1年間の都知事職でやり遂げた“自称”快挙とは、2020東京五輪開催決定だけだったとの実績も実にふがいない。 
 そのため辞任表明に於いては7年後の東京五輪開催を主旨とせざるを得なかったのであろう。 が、辞任会見なるマイナーな記者会見の場で実名を挙げられた過去の五輪フェンシング代表の太田氏や、タレントの滝川クリステル氏こそがさぞや大迷惑だったことであろう。
 そもそも五輪開催地など、開催国や開催地が大々的にアピールしたからその地での開催が決まるとの安易なシステムではない事など明白だ。 私論によれば、国際政治と国際五輪委員会との癒着等々の力関係により決定されるものと把握しているのだが。
 そのような事など賢明な国民は誰しも承知の事実と私は捉えているのだが、猪瀬氏が最後の最後まで、2020東京五輪開催決定を“自分の力で成し遂げた”と捉えているところに哀れさと虚しさが漂う辞任会見だった…。

 更なる猪瀬氏の過ちとは、辞任会見に於いて「自分は政治家として素人だった」と表明してしまった点である。
 これには驚かされた。 もちろん、私はその事実を元々承知しているからこそ猪瀬氏には投票しなかったのだが、本人の口からそれを表明して喜ぶ都民が存在するとでも思っているのか!?!  軟弱極まりない発言としか言い様がない。
 一自治体の知事たる者、たとえ当選当初は政治素人であったとしても、政治家としてプロ意識を持てるように日々努力精進するべきだ。  そしてたとえ辞任会見との場であれ、自治体市民の前では口が裂けても「自分は政治家として素人だった」などとホザくべきではないことは歴然だ。
 (この原左都子ですら、20代後半に若くして民間企業係長の立場に就任した時には、その役割認識と態度の下に外部組織や部下に対応せねばならないと志したぞ!)


 それにしても気掛かりなのが、来年2月上旬に予定されている次期都知事選に如何なる人物が立候補するか、である。
 原左都子がメディアを通じて耳に挟んだところによると、どうやらいつもの例外ではなく“訳のわからん”候補者が既に裏舞台で名乗りを挙げているとのことだ。 これこそ底辺都民の一人として嘆かわしいとしか表現しようがない。

 何でも自民党は2020東京五輪のみを視野に入れ橋本聖子氏を擁立しようとの魂胆らしい。  加えて丸川ナンタラ氏との元女性アナウンサー氏をも擁立候補としているらしいが…(これらなど、政治家ド素人の猪瀬氏の二の舞に落ちぶれるのか?)

 片や、民主党は過去の都知事選で票を採った蓮舫氏を擁立しようと動いているらしいが、まったくもって陰り行く政党の“風前の灯感”が漂う悪あがきに過ぎないことが歴然で心に隙間風が吹く思いすら抱かされる…

 先だって維新の会を離党した東国原氏も、一応都知事選を目指しているとの報道もあるが…

 過去に於いて自民党から捨て切られた舛添要一氏を都知事選に擁立しようとの動きもあるようだ。
 まあ、原左都子としては、この人が一番政治家としてのポリシーがあるように見受けるし、まさか辞任に至って「自分は政治家として素人でした…」とは都民の前でホザかないような強さもあるかと分析するのだが…
 
 いずれにしても、原左都子は元々2020東京五輪開催絶対反対派である。
 国際五輪委員会が決定した事実は動かしようがないとしても、7年後の五輪開催よりも、1300万都民の日々の生活こそを優先課題とするべく具体的なマニフェストを掲げられる候補者にこそ、貴重な一票を投じたい思いが強靭だ。