原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

容姿コンプレックスの根底に潜む深層心理

2013年12月04日 | 自己実現
 人間も還暦が近づくまでの年齢になると、自分の外見が他人にどう映るのかの関心が多少薄れていくものかもしれない。

 かく言う原左都子の場合、近年やたら他人から指摘されるのが 「お若いですね!」 である。
 いや、決してこれを“自慢話”として冒頭から披露している訳ではない。
 それが証拠に、「『お若いですね』は今や褒め言葉ではない。」 と題するエッセイを2011年1月に公開している。 当該バックナンバーに於いては、例えば職場等で年齢よりも若く見られる“弊害”等々に関して我が実体験を交え論評している。


 それはそうとして、現在還暦近い年齢まで歳を重ねた原左都子にして「外見」に関する“ある特定部分”に大いなるこだわりがあることは揺ぎない事実だ。
 それは 私自身の「体型及び全体的なバランス」 である。 20代後半頃から維持してきている 165cm、47㎏ のスリム体型を死ぬまで守り抜きたい意思が、我が嗜好に基づき強靭だ。
 ところがこの夏辺りからそのバランスが少し崩れ始めているのだ。 その原因も既に考察済みである。 おそらく5年来の我が一趣味のランニング練習で体が少しばかり筋肉質に移行している事と、今夏の酷暑に耐えるべく水分補給が多過ぎた後に、その状態に適応せんとして我が体内がホメオスタシスを維持したためであろう。
 そうと仮定したところで、体重が49㎏まで上昇しそれが定着している現実を意思強靭な私が許せる訳がない! 何とか47㎏まで体重減量しようと現在目論んでいるのだが、幸いな事に冬季に差し掛かった現在48㎏まで下げている現状だ。

 原左都子自身が上記のごとくある意味で我が“「容姿」の一部”に執着する人生を歩んでいるが故に、若年層の皆さんが自らの外見にこだわる心理が大いに理解できるとも言える。


 11月30日の朝日新聞別刷「be」“悩みのるつぼ”は、20代女性による 「自分の容姿に自信がありません」 だった。
 早速、上記相談内容を以下に要約して紹介しよう。
 現在大学4年生の女性だが、私は自分の容姿がずっとコンプレックスだ。 中高と男性が苦手で、彼氏ができた事がない。男友達すらほとんどいない状態だ。その現実がまた自分の容姿を責める原因の一つとなっている。 フェイスブック等ネットを検索すると、そこにアップされている中高時代の元々美人の友達がますます美人になった写真を目にしない訳にいかない。 それに対するコメント欄で「美人になったね」なる男女からの反応を見るにつけ不快感を煽られる。 あんなものは自分が美人との自覚があるからこそ投稿できるのだ。 もちろん私もほぼ毎日化粧をして髪形やファッションなどにも気を遣っている。 それでもやはりちょっとした事でコンプレックスがぶり返してしまい、フェイスブック等のネットはやめた後、物凄く惨めになった。 自分に自信を持つにはどうすればよいのか?
 (以上、朝日新聞“悩みのるつぼ”相談より要約引用。)


 上記“悩みのるつぼ”に対する今回の回答者は、歌手・俳優の三輪明宏氏であられた。
 三輪氏が提案する回答とは、「いつもニコニコしていればいい」との題目だ。

 ここは三輪氏には申し訳ないのだが、当該相談20代大学生女性には現在「ニコニコ」できる余裕すら欠如していると原左都子は推測する。
 人間、種々雑多な相手に対して「ニコニコ」できるよう成長するまでには、ある程度の人生経験を要するのではなかろうか?
 いや実は現在の原左都子は、三輪先生がおっしゃるところの「ニコニコ笑顔」が超得意である。 現在の私が微笑めば誰しもの心を揺るがす自信さえあるぞ!??
 だからこそ、私は現在多くの対人場面で「あなたは若い!」と言ってもらえていると自負している。 それはたとえ体重が2㎏ばかり増加しようが何ら関係がない事も承知の上だ。 元々若く見える(らしい?)私が対面相手の前で微笑み、相手の意図に沿った会話をにこやかに展開しさえすれば好評価が来ることぐらい計算済みだし、お手のものだ。


 最後に原左都子の私論に移ろう。

 人間誰しもある分野での容姿コンプレックスを抱え、この世に生を受けているのが世の常ではなかろうか?(低身長とか、短足とか、デカ顔とか、……)
 そんな中自分の容姿を再確認して、「これぞ、我が売り物になる容姿!」たる部分を人生早めに発見してはいかがか? 誰しも必ずや売りになる容姿部分を抱えて、この世に生まれ出ていると私は信じる。(原左都子の場合、それが体型だったごとく…)
 そもそも他者の「容姿」の好みなど“蓼食う虫も好き好き”、それこそ千差万別なのが世の常だしね。

 世の中の人間皆が皆俳優になる訳でもなければ、アナウンサーのごとくメディアに登場するべき職種を選択する必要もないことには間違いない。
 (ここで意地悪私論だが、その種外見が売り物の職業選択をしてメディアを通じ世に自らの容姿を曝け出しているにもかかわらず、ちっとも美人でもなければ体型も悪く、しかも専門能力にも欠けている奴らとは、実にみっともない存在でしかなくせせら笑いたくもなるよねえ~~)
 そうだとすれば将来の職業選択肢として、容姿を売り物にせねばならない種の職業など最初から回避すれば済む話だ。 後は自分の外見的長所を早めに発見し、今後自分が歩む人生の道程に於いて係わっていく相手にこそ自分の容姿を売りに出せたならば、必ずや幸せが訪れるであろうと私は考察するのだ。
 万人に受ける容姿など元々存在し得ないし、何ら必要もないであろう。

 三輪明宏氏がおっしゃる通り、行き着くところ人間関係のあらゆる場面に於いて「笑顔」こそが基本中の基本であることには間違いないと、私も同感する。

 ただしまだ成長過程の相談大学生女性にとっては、その前段階として、自分の容姿コンプレックスの根底に潜む深層心理を探究する事から始めても遅くはないであろう。

 もしかして自分の容姿よりも、その実は現在の自分の「人格」そのものが受入れ難い深層心理なのかもしれないし…。