原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

どう努力しても嫌いな相手とは、確かに存在する

2013年12月14日 | 人間関係
 「どうしてもあなたが嫌いだ。」

 9月末の放送開始以降ずっと高視聴率を維持しているNHK連続テレビドラマ 「ごちそうさん」 主人公 め以子が、昨日(及び本日)のドラマ内で義理姉 和枝から無情にもぶつけられた言葉である。

 現実社会に於いては、いくら誰かに対して嫌悪感を抱いていようが、いい大人がこの言葉を直接相手に投げつけるとの行動にはよほどの事でもない限り出られないものであろう。
 ドラマの和枝の場合それがドラマ内であるからこそ叶った発言ではあろうが、原左都子には和枝の切羽詰った思いが理解可能だ。


 (このドラマをご覧になっていない方には分かりにくい今回のエッセイ内容で申し訳ないのだが)、おそらく原左都子の性格や人格とは、和枝と似ていると想像する。
 真面目で几帳面でやるべき事はすべて完璧にこなさないと気が済まない。 そのための努力を日々惜しまない反面、いつも神経が張り詰めている状態のため、周囲の人間としては気が休まる暇がない。  しかも和枝の場合、過去の過酷な人生経験によりトラウマを抱えている。(いえいえ、私の場合は大したトラウマはありませんよ。)

 そんな和枝が主人公め以子の存在が気に入らない訳が私には十分伝わる。 め以子とて努力家であることは認めるが、どうやら生まれ持っての“天然気質”を嫁ぎ先の西門家にまで持参してしまっている。 それが証拠に、本日放映内で和枝が「どうしてもあなたが嫌いだ!」と言い放つ場面にして、め以子とは義理姉和枝に歯向かう事が出来るキャラの持ち主である。 これはたくましいと思う反面、決定的別れが訪れる必然性があると私も直感した。
 そもそも私も和枝同様に“天然気質”タイプは受け入れ難い。 そんな奴に接すると、神経張り巡らせて周囲に配慮しろ!と説教したくなる。


 ここで参考意見だが、原左都子にとってはめ以子の義理姉である和枝よりも、むしろ後妻として西門家に嫁いで散財するばかりで何の役にも立たず、“のらりくらり”と居候している 静 の存在こそが鬱陶しい感覚だ。 もしも私がその時代に西門家に嫁いだならば、まずは継母である 静 こそを外に追い出す策略を講じたかもしれない。
 明治の時代とは亭主亡き後の後妻の位置付けがこれ程保証されていたのであろうか?? 現在の核家族現状に於いては想像も出来ない話である。 後妻の静と出戻り和枝との確執もドラマ内で展開されたようだが、後妻の静こそが西門家を出る必然性があると現代人感覚で私は考察するのだが… 

 余談だが、それにしても宮崎美子氏演ずる静は、“出戻り”和枝に対する“意地悪感”が自然体で表出していると感じる。 
 実は原左都子は、タレント宮崎美子氏に対して氏がデビューした時代より好印象を抱いていない。 この人の経歴を辿るならば、とある週刊誌表紙に著名写真家氏撮影による笑顔ビキニ姿で世に出た割には、その後トーク番組等でその横顔を見ると、作り笑顔の陰で元々“意地悪”そうな風貌を晒す事実を私は見抜いている。   そんな宮崎美子氏はその後特定のバラエティ番組にしか取り上げられない貧弱なタレント生命を貫きつつ、何故「漢検1級取得」にこだわり続けたのだろう?  あくまでもバラエティクイズ番組出場を一生狙い、その分野でタレント生命を繋ぎたいのならばそれで事が済んだのかもしれないが… 
 今回の「ごちそうさん」のごとく女優としてこの世を渡る希望が少しでもあるならば、漢検1級取得よりもその世界の技と芸を磨くべく精進するべきはずなのに…。 (今回のドラマでは宮崎氏は元芸者の役柄にして、三味線も歌も下手くそで聞いてられないよねえ…。)
 要するに、和枝役の俳優キムラ緑子氏の芸達者さと比較すると、番組出演者テロップで最後に出る準主役級の静役タレント宮崎美子氏の存在がお粗末過ぎる事に、違和感を感じている私なのだが…


 ここで一旦私論に移ろう。
 
 一例を挙げるならば、要するに原左都子にとってタレント宮崎美子氏とは「どう努力しても嫌いな対象」なのかもしれない。
 その根拠もある程度自己分析可能だ。 宮崎氏とは元々過疎地国立大学出身であられる。 私も同様だ。 その時代に宮崎美子氏はシンデレラガールのごとく週刊誌表紙に取り上げられたことで芸能界デビューした。 そんな経歴とは通常“一発屋”でポシャるものだが、宮崎氏はその後芸能界で何故か生き延びている。 (漢検1級など今それを取得せよと言われれば、私も多少の努力を重ねれば取れそうな思いだが…)
 とにかく宮崎美子氏は現在NHK連続テレビドラマの準主役として抜擢されている。 今後の氏のタレント生命を私が予知できるはずもないが、元々低身長のずんぐりむっくり体型、かつ現在50代半ばの若さにして顔面皺だらけの宮崎氏のその風貌に、何だか安堵させられる一庶民の原左都子との情け無い有様だ…
 それにしても、メディアに登場するタレントどもなど嫌なら見なきゃ済む話の範疇だから、何らの障害もない。

 上記事例にかかわらず一般世間に於いても、確かに「どう努力しようが嫌いな奴」とは万人に存在すると私は推測する。

 この相手が現在付き合わねばならない環境下では、実に辛いものだ。(例えば、学校クラス内とか職場内とか。)  その経験は私にもある。 それでも学校クラス内の付き合いなど1、2年の短期間で過ぎ去るものと私は覚悟を決めていた。 その覚悟の通り、嫌なクラス連中や担任などすぐさま我が人生を通り過ぎたものだ。 
 一方、職場関係は多少鬱陶しい。 こいつが嫌いだと思っても、自分がその職場で頑張る程にそこの同僚や上司との関係が長引く事は私も経験している。 どうしてもその関係が耐え切れない場合、「異動」を申し出てもよいであろう。 極端な場合、退職を選択せねばならないかもしれない。 ただその場合に関しても、自分が羽ばたける次なる舞台を選定してからにしても遅くはないだろう。

 一番辛いのが、冒頭の「ごちそうさん」め以子の事例ごとく、嫁ぎ先の人間関係ではなかろうか。
 ただ現在の世に置いては核家族化が急激に進んでいる事もあり、たとえ嫁ぎ先に嫌いな相手がいようと、それと直接対峙する場面すらないとの話なのかもしれない。
 婚姻関係に於いて婚姻先の人間関係を断ち切る事が可能な場合(例えば子どもがいない場合や、実家が裕福でいくらでも“子連れ出戻り”が可能等々)、それを実行した方が幸せな場面が今時いくらでも存在するであろう。


 冒頭で掲げたNHKドラマ「ごちそうさん」の場合、本日のドラマ場面に於いて決別した主人公め以子と義理姉和枝の事例が、今後如何にドラマ展開するのかは原左都子には未知数である。

 ただ一言言えるのは、還暦近い私にも「どうしても嫌いな奴」が現在に至って尚存在するとの事だ。 そんな相手と不安材料を抱えたまま再会するよりも、今後一生に渡り“無縁”を貫けた方がお互いに幸せに決まっている!と私は確信している。 

 そんな現代の一市民の切実な選択肢を尊重してくれるべく、「ごちそうさん」が今後ドラマ展開することを一ファンとして期待申し上げている。

 人間関係において、妙に歪んだ「絆」など何ら必要ない。