原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

「ドーナツの穴」 のパラドックス

2012年09月22日 | 雑記
 NHK朝の連続テレビ小説 「梅ちゃん先生」 が、来週末放送を終了する。

 近年の同ドラマシリーズにはない好評を博した直前作 「カーネーション」 の主役 尾野真千子氏の大迫力熱演に比して、当初何とも心もとない梅子の存在だった。
 大変失礼ながら、主役を演じた堀北真希氏が最後まで本人の女優としての持ち味であろう “可愛子ちゃん” 範疇を演技の中でも超えられなかったことが、一視聴者として残念である。

 元医学関係者である原左都子としては医学監修面でも多少の物足りなさを感じつつ、このドラマが何故に高視聴率を獲得し続けられたのかに関して疑問視し続けた6ヶ月間であった。
 例えば先週、帝都大の松岡先生が 全身性エリテマトーデス(SLE) の投薬治験を早まった場面があった。 医療現場に於ける新薬治験と製薬会社及び政府の癒着や、ステロイド剤等薬剤投与による副作用弊害の問題を今尚懸念し続けている私としては、ドラマ内で具体的病名を挙げる場合は特に、現在その疾患で苦しんでいる患者の現状も踏まえ細心の配慮の下に描いて欲しく思ったものだ。


 そんな中、原左都子個人的には(役名)松岡先生が登場した辺りからこのドラマが少し面白くなってきた。

 巷のネット情報によると、梅ちゃんは「ノブ」ではなく松岡先生と結婚するべきだったとの視聴者の意見も多いようだ。(ドラマを見ていない方々にはどうでもいい話題で恐縮だが…)
 これに関して原左都子は、梅ちゃんの結婚相手はお隣の「ノブ」で正解だったと考える。 他人のお節介は焼きたいが大局的なものの見方が出来ない梅ちゃんを、日々フォローしてくれるのは何と言っても幼馴染のノブくんしかいなかったのではなかろうか? 
 基礎医学研究に没頭し今後帝都大学医学部内科を背負って立つ松岡先生に、そんな時間はそもそもなかったであろう。

 この松岡先生とは、生真面目かつ仕事バカで、例えば結婚を意識すると『完全なる結婚』という本を一生懸命読んでしまうほどの堅物の変人医師として描かれていた。

 当初、梅ちゃんと仲良くしていた際、松岡先生が 「ドーナツの穴」 問題を話題に持ち出したのだ!
 この頃から松岡先生の哲学的論理志向に興味を惹かれた原左都子である。
 そして先週、松岡先生が“さとこ”さんと名乗る女性とお見合いをする場面に於いて、やはり松岡氏は見合い相手の“さとこ”さんの前で哲学論理志向を前面に出した結果、お見合いは破談となった…


 ここで突然ではあるが、原左都子の私事に移行させてもらうこととする。
 同じくお見合いにより晩婚に至った当時の私の理想相手とは、まさに松岡先生のような人物だった!
 我が30代後半の頃、大学(及び大学院)にて専攻分野以外にも哲学等の学問にはまっていた私の脳内は、まさに松岡先生のごとくの思考回路だったかもしれない。 いえいえ、常にアンテナを豊富に持ち合わせている(?)私の場合、伴侶選択に関して総合判断を下すのはもちろんの事である。  それでも当時は、松岡先生のごとくの「論理思考」可能な相手を選抜した方が我が人生が活性化すると本気で捉えていたものだ。 (その結果が現在どうであるのかについて語るのはここでは控えるが、少なくとも私自身の論理思考回路を失わずに今に至れている現状には満足している。)


 さてさて、大きく話題を変えよう。

 「ドーナツの穴のパラドックス」 と題した今回のエッセイの表題は、アンサイクロペディアとの“信憑性がない”らしきネット情報源から引用させてもらった。
 このネット情報源より 「ドーナツの穴」 に関する記載の一部を以下に要約引用させていただくことにしよう。

 ドーナツ穴問題、あるいはドーナツのパラドックスとは、宗教学、自然科学、哲学、量子力学上の一連の問いである。 歴史は古く紀元前から存在したと考えられているが、最終的に解決を見たのは20世紀に入ってからである。
 ドーナツの穴が、ドーナツそのものよりも大きくなることはあるか?に関しては多くの学者はこの命題に対して否定的だったが、1935年にアルバート・アインシュタインが論文「ドーナツ穴相対性理論」にて肯定的な解を証明すると世界的な反響を呼んだ。??

 古代(紀元前3世紀~5世紀)において問題とされたのはドーナツではなく中心に穴の開いた一種のパンであった。当時のパンは製法がごく簡単なもので、生地は固くぼそぼそした食感だった。そのため丸く均等な穴を保って焼きあげるのには相当な技術が必要とされ、パン職人たちの腕が競われた。エジプトにて紀元前3世紀ごろとされる遺跡から環状のくぼみのついたかまどが発見されており、穴あきパンを焼くためのかまどであったと推定されている。 (以下略)
  
 中世(5世紀~15世紀)闘争と挫折。   中世のヨーロッパにおいて、兵糧としてのパンは製造法が確立され、生産性は飛躍的に向上した。その一方で形状としては丸パンが一般的となり、ドーナツ穴問題は一時的に下火になる。 しかしこの間にも、数学者やギルド(職能組合)組合員による試行錯誤は続けられている。 (以下略)
 ドーナツ穴問題と同種の形而上学の問題が提起され、こちらの解はこの時代にすでに見つかっている。
 中世末期にはひとつの重要な発明があった。ドイツにおけるバウムクーヘンの発明である。15世紀に南ドイツで貴族の結婚式などに供されていたこのケーキは、木の年輪のように層になった円筒形をしており、各層ごとにはがして食べることが可能である。これにより半径の推移を定式化することができ、ドーナツ穴数学の発展に大きく貢献した。 (中略) しかし、ドーナツがおおよそトーラスの形をしているのに対してバウムクーヘンは厚みを持った円筒形であり、幾何学上の扱いの違いには注意を要する。

  近世-現代(16世紀~)。  ドーナツ、そして解決へ 多くの学者が頭を悩ませる中、問題は未解決のままであった。 (以下、大幅略)
 ついにこの問題に終止符を打ったのは20世紀最大の天才と呼ばれる物理学者アルバート・アインシュタインである。ナチスに迫害される身となったアインシュタインは、アメリカへの亡命後にリングドーナツに触れ、深い感銘を受けた。その後論文の執筆を開始し、1935年に「ドーナツ穴相対性理論」を発表。その大胆な理論展開と逆転の発想で世界中の学者たちを驚愕させた。 アインシュタイン自身は論文の序説に次のように述べている。  私にとってドーナツというお菓子は好物の一つであるが、世の科学者がこれについて頭を悩ませているのは嘆かわしいことだ。 ドーナツは研究の余暇に楽しむものであって、このことを頭痛の種にすべきではない。論文の内容を要約すると、「物事はすべて相対的であって、ドーナツの穴を外側と捉えるなら、そのドーナツは我々の世界すべてを内包しており、ほぼ無限大の穴を持つことになる」となる。この偉業をたたえ、アインシュタインにはアメリカ政府からドーナツ1年分が送られた。

 (以上、アンサイクロペディアなるネット情報より「ドーナツの穴」考察文献?を引用)


 読者の皆さんには申し訳ないが、原左都子はこのようなナンセンス情報も嗜好している人間である。 そのため今回のエッセイに於いては「雑記」カテゴリーの範疇で、上記の情報が“信憑性がない”事を承知の上で引用させていただいた。

 ところで「梅ちゃん先生」の登場人物であれらる松岡先生も、このネット情報に匹敵するくらい詳細に 「ドーナツの穴」 に関して深く分析したのかな??

 ドラマは来週終わるけど、きっとその陰なる分析努力こそが今後の基礎医学発展に繋がると私は信じてるよ~~