原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

気象予報士は「AKB48」じゃないだろ!?

2011年11月12日 | 時事論評
 先だって朝日新聞紙上で、NHKの女性気象予報士数人を登場させたカレンダーが発売されたとの写真入りの記事を発見した。

 その数人の中には、私が日々見聞している夜7時のニュースを担当している気象予報士も登場しているようだ。
 「こいつらアイドルタレントやモデルじゃあるまいに、恥ずかし気もなく何やってんだよ。」 
 意地悪ババアの観点は承知の上で、正直なところ原左都子はそう感じた。

 そうしたところ、この女性気象予報士カレンダーとはNHKの“名物”であるらしき情報をネット上で得たのだ。 毎年秋頃発行されて人気タレント並みの売れ行きを誇るベストセラーカレンダーであるらしい。
 ちなみに昨年度発売された「2011年版 NHK気象予報士カレンダー」(¥1800 とのことだが)には、夜7時のニュースでおなじみだった半井小絵氏や山本志織氏等々が登場したようだ。
 このご両人に関しては7時のニュース引退後、私の愛読紙である朝日新聞紙面において時々登場しているのを見かける。 両氏共に気象予報士としての活躍の範疇で記事に取り上げられているのではなく、要するに“現役を引退したアイドルタレント”と類似の形で何らインパクトのない記事の一部として登場しているに過ぎない。

 本人達の好きにすればいいと言えばそれまでの話なのだが…


 ここで「気象予報士」との資格について、ウィキペディアを参照しつつ以下に少し紹介しておこう。

 気象予報士は日本の国家資格の一つであるらしい。
 気象業務法第3章の2に基づき指定試験機関である財団法人気象業務支援センターが実施する知識及び技能についての試験に合格し気象庁長官による登録を受けた者に対し、この名称を名乗らせているようだ。
 参考のため、原左都子が過去において取得している医学関係の国家資格とは国がその試験を実施し(当時の)厚生省大臣より免許を受けた資格である。 
 気象予報士とは財団法人が実施している資格とのことで、その資格の名の下で専門業務に当たる場合の法的拘束度合が弱いのかもしれないと推測する。

 参考のため気象予報士資格取得とは、学歴年齢制限が無く誰でもがチャレンジできるところに特徴があろう。
 学科試験はわずか60分間のみの“多肢選択制”のマークシート方式。
 加えて、実技試験として75分間の記述試験が課せられるとのことである。
 試験はそれのみで、どうやら面接試験等はなさそうだ。


 気象予報士なる資格が庶民の間に広まったのは、東京都知事を長年やっている“あの人物”の息子氏が俳優業が立ち行かなくなった暁にこの資格を取得してテレビの天気予報に登場して以降の事ではあるまいか?
 この石原某氏との元俳優氏が気象予報士として一時テレビ画面に登場したイメージが、その後気象予報士を目指す人種の絶大な影響力となってしまったのではなかろうか??

 原左都子は民放テレビ放送をほどんど見ないため、民放における現在の気象予報士の扱いの程をまったく心得ない。 
 私が普段見聞しているNHKに関しては、夜7時のニュースで取り上げられた半井小絵氏が“人気を博した”(??)とのことで話題になったことだけは認識している。 ただこの現象に関しても、少なくとも私の周囲では大変失礼ながら半井小絵氏を好むという男性は一人として存在しなかったのだが……
 結局これは元々NHK内で捏造されたに過ぎないバブル人気なのではないかと、私は以前より薄々感じていた。
 元々“芸能人の人気”など、情報に流され易い庶民の特質を利用したマーケティング力により人工的に作り上げられる産物にしか過ぎないしねえ…… 


 過去を振り返ると現政権において大臣の地位にある蓮舫氏が、今回の気象予報士同様の過ちを犯している有様だ。
 元々タレントの蓮舫氏は、自分が国政に於いて果せる役割とは自分の“美貌”を活かす事との大いなる勘違いをして、神聖なる国会においてファッション撮影を挙行するとの大失態を晒して顰蹙を買った事件に関しては皆さんもご記憶のことであろう。

 それに対して、たかがNHKに雇われた気象予報士の身分に過ぎない若き女性陣が、雇用先であるNHKの鼻の下を長~~~く伸ばした男性スタッフの意向に従ってカレンダーのモデルとなったことなど、どうだっていい事象なのかもしれない。

 それはそうとして、ここでもう一度気象予報士が果すべき役割と現在置かれている現状をウィキぺディア情報を引用しつつ再確認しておこう。
 当初、報道社等の気象予報業務許可事業者は一日当たりの現象の予想を行う時間に応じて所要の人数の選任気象予報士を置かなければならないと決められていたようだ。 ただし気象予報士と予報業務許可事業者との間に雇用などの専属の関係は必要ではなく、気象予報士は複数の事業者のために現象の予想を行うこともできるとの事であったらしい。 
 その後NHK・民間放送共に気象予報士の資格を持つアナウンサーもみられるようになり、現在では数百人規模の気象予報士がテレビ報道において気象現象予報を担当しているとの事だ。 ただし気象現象の予想を担当しているとされる気象予報士の中には、コンピュータによる自動予報を合法的に発表したり、あるいは事業者が気象庁の予報をそのまま流しているのではないように見せるために名義を貸しているだけの者もいるとの事でもある。

 以上のように「気象予報士」資格とは国家資格とは言え、国が直接関与している国家試験ではなく財団法人が指揮をとっているが故の不透明性も内在していると思しき実態なのであろう。
 それをいい事にその専門性の程は二の次で、タレント性があるとの判断で若き女性を視聴者の性的嗜好対象として利用し視聴率を稼ごうとのメディアの魂胆もお粗末だ。
 しかもそのタレント性とは、単にテレビ局内部担当者の特殊趣味に偏っている辺りが笑えてしまう。
 それが証拠の「気象予報士カレンダー」発行元のNHKサービスセンター担当者の言い分とは、「皆さん、おみ足が…きれいで」……


 いやはや、毎年「気象予報士カレンダー」を発行しているNHK担当部署の男どもも、若き気象予報士女性連中も好きにすればいいということではある。

 ただし、せっかく苦労して(?)「気象予報士」資格を取得したであろう若き女性達に伝授しておきたいことがある。 
 その資格とは、国民の命がかかっていることを忘れてはならない。 
 台風による洪水や土砂災害そして豪雪等国民に予期せぬ大被害が気象によりもたらされそうな時には、一刻も早く正確にその情報を伝える使命が貴方達にあるはずなのだ。
 
 資格を取得して世に蔓延るためにはその使命感こそが不可欠なのである。
 もしもその覚悟をなくし引退する暁には、過去において「元気象予報士」であった事を振りかざさないで欲しいものだ。

 原左都子自身が過去に取得した医学関係の国家資格が何であるのか現在一切表沙汰にしていないのは、既にその肩書きの下での使命感を失っている故である。
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