「ミイラが申しますには、私どもは殺されたのではございません・・と…」
「ええっ!!? ミイラがそう言ったのですか?」
「はあ、申しましたとも、申しましたとも!」
「では、なぜ車中で死んだのか? ということになりますが…」
口橋は半信半疑ながらも老婆の話を掘り下げた。^^
「はい…。その訳をこれから少しずつお話させていただきますだ。あのう…お時間は?」
「ははは…時間は気にされず、その話を包み隠さずお話願えれば…」
口橋は老婆が話すにつれ、興味をそそられていった。
「では、申しますかいのう…。そのミイラが申しますには、私達は異星人に呪縛(じゅばく)され、身動きが取れないまま衰弱死したのだと…」
「今、何と申されました。異星人に、ですか?」
口橋は異星人と聞いた瞬間、こりゃダメだな…と、老婆への信憑(しんぴょう)性がゼロになった。
「はい、異星人に、ですだ。呪縛されたとき、眩(まばゆ)い光線を浴び、頭が痛み、気づくと全員の額(ひたい)に星印の痣(あざ)が…」
星印の痣・・と聞き、口橋の老婆に対する信憑性は逆転した。老婆の話が強(あなが)ち出鱈目とも思えなくなったのである。確かに、現場検証した五体のミイラの頭部には一致した星印の痣があったことを口橋は思い出した。^^
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