先程、ときおり愛読している公式サイトの【 現代ビジネス 】を見ている中、
『 ひざ・腰が痛い→歩きたくない→認知症→死亡が増えています 』
と題された見出しを見たりした。
私は東京の調布市の片隅みに住んでいる年金生活の74歳の身であるが、
私たち夫婦は子供に恵まれなかったので、たった2人だけ家庭であり、
雑木の多い小庭の中で、古びた一軒家に住んで、ささやかな生活を享受している。
そして私は年金生活の当初から、我が家の平素の買物は、 私は自主的に買物専任者として宣言し、
家内から依頼された品を求めて、 独りで殆ど毎日、スーパー、専門店など歩いて行き、
買物メール老ボーイとなっている。
この後は、やはり自宅から3キロ以内の遊歩道、小公園などを歩き廻ったりして、
季節の移ろいを享受している。
このような午前中の過ごし方を殆ど毎日のように過ごしてきた・・。
こうした根底として、もとより健康でなければ、自身の日頃のささやかな願いも叶わないので、
いつの日にか認知症、或いは脳梗塞などの難病に遭遇したら、困窮するので、
ひたすら歩き、ときおり大股で歩いたり、或いは足早に歩くことが多くなっている。
このような思いで過ごしている私は、
今回の《・・ひざ・腰が痛い→歩きたくない→認知症→死亡が増えています・・》、
いつの日にか、私自身が歩けなくなった時・・最悪の事態になった時・・念頭に記事を精読してしまった。
この記事の原文は、『週刊現代』の2019年5月11日・5月18日合併号に掲載された記事のひとつであり、
関連の公式サイトの【 現代ビジネス 】に5月27日に配信され、無断であるが転載させて頂く。
《・・ひざ・腰が痛い→歩きたくない→認知症→死亡が増えています
そう思う一方で、「いつか認知症になり、名前すらわからなくなるのでは」
という恐怖も同時に抱えている。
それを防ぐカギは「歩行」にある。
あなたはちゃんと自分の足で歩けていますか?
☆「億劫だから」が命取り
「父は、定年後も社交ダンスの講師を務めるくらい健康的だったのですが、
70歳を過ぎたころから、『ひざが痛い』、『腰が痛い』とよく言うようになりました。
自分で歩いて外出することすら億劫になり、自宅に籠もりがちの生活を送っていました」
こう語るのは金山芳樹さん(54歳・仮名)。
父の面倒は、実家の母に任せきりだったというが、だんだんと父の様子がおかしくなってきたという。
「母は、出歩こうとしない父の世話をせっせと焼いていたようですが、
皮肉にもそれが、父から自立する機会を奪っていたのです。
父は、かなり認知症が進んでしまったようで、母以外の人間がわからなくなり、
実家に顔を出した私を不審者だと思って、警察に通報したり、
見舞いに来た妻や娘の身体を触ったりするようになりました。
結局、父は誤嚥性肺炎を発症し、亡くなりましたが、
まだ74歳で、天寿をまっとうしたとは到底思えない最期でした。
急激に衰えていく父を見て
『歩かなくなったことが、よくなかった』と気づかされました。でも
それも後の祭りです」
現在、日本の65歳以上の人口は3500万人を突破。
平均寿命は男性で80.98歳、女性は87.14歳まで延びた。
だがその一方で、健康寿命は男性が72.14歳、女性は74.79歳に留まっている。
つまり男性なら約9年間、女性なら約12年間、
「健康ではない状態」で残りの人生を生きることになる。
内閣府の「高齢社会白書」によると、65歳以上の人で、
「健康上の問題で、日常生活に支障がある」
と答えた人は人口1000人あたり258.2人に上る。
およそ4分の1の人が、体に何らかの問題を抱えている。
中でも近年増えているのが、ひざや腰が痛いからといって、
歩くのが面倒で、ベッドやソファでゴロゴロしているばかりになり、
それが原因で認知症を発症し、そのまま死亡するケースだ。
「日本人で『歩けない』、『歩きたくない』という場合の理由で多いのが、ひざ痛、腰痛です。
高齢者になれば、どうしても加齢により、ひざであれば変形性膝関節症、腰であれば変形性腰椎症、
腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症など、何らかの疾患を持っています。
骨粗鬆症が進行し、圧迫骨折を起こしている人もいます。
まずはその原因を突き止めることが大切ですが、放置している人も少なくありません。
痛みのため歩いて外出する頻度が減ると、認知機能が低下し、死亡率が上がるのは、その通りだと思います。
理由としては、正しく自分の意見が言えないことが大きい。
症状を伝えられなければ、適切な治療を施すこともできませんから」(黒木整形外科内科クリニック院長の黒木啓之氏)
☆家族が寝たきりを作る
寝たきりとなれば、誤嚥性肺炎や褥瘡(床ずれ)からの感染症など合併症も増える。
認知症発症者は、そうでない人に比べて2~3倍のスピードで老化が進み、
4年後の死亡率は80%を超えるという調査結果もある。
なぜ歩かないと、認知症が進行するのか。
おくむらクリニック院長の奥村歩氏が解説する。
「歩くことは、脳の前頭葉の働きと密接に関係しています。
人間は『二足歩行』によって、手が使えるようになり道具を生み出したのと同時に、
リズミカルな運動を手に入れました。
水前寺清子の『三百六十五歩のマーチ』のように『イチニ、イチニ』と歩く。
このリズミカルな規則正しい運動が、情報処理を行う前頭葉、
その中でも一番重要な前頭前野に、好影響を与えるのです。
結果、神経伝達物質のセロトニンを分泌させ、認知機能を高めているわけです」
机に座って考えていてもいいアイディアが思い浮かばないときに、
ちょっと散歩をしたりすると、いい案が浮かんだりする。
これは歩くことにより、脳が活性化されている証左である。
「よく『入院すると、ボケる』と言いますが、
特に高齢者の場合、骨折して短期間入院するだけで、急激に認知機能が衰えることがあります。
これは病院に閉じ込められるからではなく『歩行が制限される』からです。
退院してからも歩くようになれば、元に戻りますが、
痛いからと自宅に閉じこもってしまえば、寝たきり→認知症→死亡の確率が一気に高くなります」(奥村氏)
「自分の足で歩く」という行為は、運動機能だけでなく、
視覚で空間をとらえる機能など複合した脳の働きを必要とする。
そのため歩行速度の変化は、認知機能の状態を表す指標になる。
アメリカのオレゴン健康科学大学が65歳以上の約200人を9年間追跡調査した結果、
歩く速度が遅くなっていた人の多くに、軽度認知症が発見されたことも報告されている。
このように歩行と認知機能は、強い相関関係にあるわけだが、
ひざや腰が痛くて、歩かなくなるのは、本人の意思の問題だけだと考えるのは早計だ。
周りの家族の存在も大きくかかわっている。
大宮保奈美さん(54歳・仮名)は、こんな後悔を口にする。
「姑の実家は農家で、普段から元気に自転車に乗って動き回る人でした。
ところが、83歳のとき、転倒し骨折した際に、
夫や舅から『言わんこっちゃない』、『年寄りが無茶して』とひどく責められてしまったんです。
もちろん、本人も痛かったのでしょうが、
それ以上に『家族に迷惑をかけてはいけない』と、以来ほとんど出歩かなくなってしまった。
だんだんと言葉数も減り、骨折から半年もしないうちに、亡くなりました。
医者は老衰と診断しましたが、完全に認知症でした。
長年連れ添った夫や実の子どもから『厄介者』扱いされたことは、さぞ屈辱だったに違いありません。
それが認知症を誘発させたと思っています」
福島県立医科大学医学部・公衆衛生学講座教授の安村誠司氏が語る。
「寝たきりというと、なんとなく身体的、医学的な問題に見えますが、
私は社会的な問題だと思っています。
高齢者の閉じこもりの背景にあるのは、家族による高齢者の能力に対する『過小評価』です。
家族が本人の持っている能力を正当に評価せずに、
過小に評価することを『エイジズム』=年齢差別と呼びますが、
予防的に『足が痛いなら、危ないし、外に出ないほうがいいよ』と言うことが、
本人たちの意欲を失わせ、実際の能力も下げてしまうのです」
先日(4月10日)、こんな興味深いデータが発表された。
東京医科歯科大学などの研究チームが「自宅近くに食料品店がない人ほど、認知症のリスクが高まる」と発表。
2010年から3年間、全国の要介護認定を受けていない65歳以上の高齢者約5万人を追跡調査した結果、
「近くに食料品店がまったくない」と答えた高齢者は、
「たくさんある」と答えた人にくらべて1.7倍も認知症になる確率が高かった。
自分の足で店を訪れて、献立を考え、買い物をする。
レジでも人と話すし、買い物の合計額やお釣りなどの計算もする。
これらが認知機能に良い影響をもたらしている。
前出の安村氏は「家族と同居している人のほうが、じつは認知症になりやすい」と語る。
「一人暮らしのお年寄りの場合、少々、ひざや腰が痛くとも、
自分で歩いてなんとかしないと、生きていけませんよね。
独居老人と聞くとマイナスのイメージが強いですが、
そのおかげで健康寿命を長く保っている人もたくさんいるのです」
とはいえ、医者から「無理をしないでくださいね」と言われている人も多いだろう。
では、ひざや腰が痛い人は、どうすればいいのか。
「医者からの『無理しないでくださいね』という言葉の意味をもう少し正確に言うと、
『痛みが悪化しない程度に、どんどん歩いてください』ということなんです。
特にひざの関節痛をやわらげるには、ひざの周りにある筋肉を鍛える必要があります。
痛みが悪化しないということは、悪くはなっていないわけです。
悪くならない範囲で動かすことが、ひざや腰の痛みを改善させるポイントなんです。
もし、さらに痛くなるようでしたら、『そこまではやっちゃだめですよ』ということです」(安村氏)
歩くのが難しい人は、寝ながらひざを曲げたり伸ばしたりするだけでも、だいぶ違う。
テレビを見ながら、足だけを動かすことでも効果がある。
「どうしても痛くて、治療してもよくならない人は、
車椅子でもかまわないので、とにかく人と会って話すことを心がけてください。
痛いから歩いて外に出るのは『面倒だな』、『億劫だな』と思う気持ちもわかりますが、
自治会や町内会、マンションの理事会、登下校時の小学生の見守り、何でもいいので、
外に出て積極的に他人とかかわっていくことが大切です」(辻内科循環器科歯科クリニック院長の辻正純氏)
ちょっとしたことで、歩くのをやめていると、認知機能は思いもよらないほど一気に低下する。
子どもや孫の名前、果ては自分のこともわからなくなる。
つらい最期を迎えずにすむかどうかは、日々のこの瞬間にかかっている。
痛みが強くならない程度に毎日歩く。
それさえ心がけていれば、長生きは決して怖くない。・・》
注)記事の原文に、あえて改行を多くした。
今回の《・・ひざ・腰が痛い→歩きたくない→認知症→死亡が増えています・・》は、
高齢者の殆どの多くの御方に、判りやすい健康寿命を保つ基礎の教科書、と思い深めたりした。
私たち夫婦の両親は、今や家内の母だけとなり、
遠方の地に一戸建てに住み、 私より14歳年配で88歳の身となっている。
過ぎし年、私が民間会社のサラリーマンの定年退職した2004年〈平成16年〉の秋の直前に主人に病死され、
我が家より2時間半を要する千葉県のある市で独り住まいの生活をされて、早や15年になっている・・。
これ以来、長女の家内は季節が変わるたびに、独り住まいとなっている家内の母宅に、
季節の変わり目の大掃除、支度などで、6泊7日前後で行ったりしてきた。
やがて家内の母は、80歳過ぎた頃から膝(ひざ)を悪化して、整形外科に通院して、
こうした中で、担当医師から杖(つえ)を使うように勧められて、
これ以来、家内の母は杖(つえ)を頼りに、買い物などをして過ごしてきた。
この後、整形外科、内科、眼科に通院している中、
膝(ひざ)と腰に激痛が感じ、 5年前の頃から少し遠い大学病院で検査、そして入院したりして、
骨粗しょう症と筋力低下、と診断されたりした。
この後、退院後の検査をした後、リハビリで近くの病院に行ったりしている。
そして家内は付き添う為に、家内の母宅で駐在することが多くなってきた。
まもなく家内の妹が強力な援軍となり、家内と家内の妹が交互に、
家内の母宅に殆ど宿泊して、家内の母の食事、洗濯、掃除、或いは通院の付き添いなどしている。
このように、家内は家内の妹と逐次連絡しあって、 家内は独り住まいの家内の母宅に5泊6日前後で行っている時は、
私は我が家で独りぼっちの『おひとりさま』の生活を過ごし、早や15年となっている・・。
こうした中、家内の母は娘ふたりに介護されて、週に一度だけデイケァーに通っている。
何かしらこの施設より、それぞれの各自宅までマイクロバスで送迎して下さり、
施設では、お互いに談笑したり、軽い体操などをした為か、『要介護2』より『要支援2』に回復した。
こうした中、家内が家内の母に電話連絡をする最後の定例語は、
『お母さん・・家の中でも、よく動いてねぇ・・安楽椅子に座ってばかりいると、ボケるわょ・・』
と家内が家内の母に言っていることが、私にも聴こえて、微苦笑したりしている。