夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

大泉高原の山里に、錦繍の情景、そして満天の星空を求めて・・。【10.16.~10.19.】最終回

2011-10-22 18:03:05 | 
        最終章  旅の終わりには『森の散策路』

私たち夫婦は、初めて宿泊した『八ヶ岳ロイヤルホテル』に到着後、
このホテルは小高い丘のような上に建ち、正面の前方以外は、森の中に囲まれた建物と解った。

この後、このホテルの所有する森には、『森の散策路』と称せられ、
一周約30分と明記されていたので、旅の最終日の19日にゆっくりと散策しょう、
と私は家内と話し合ったりしていた。

ホテルのご好意で『小渕沢』駅までの送迎車は、
ホテル前の集合時は午後1時半に伴い、チェックアウトの午前11時まで、
私たち夫婦は旅の終わりなので、部屋でのんびりとしょう、
と窓辺から観える八ヶ岳の主峰の赤岳を見つめたりしていた。

チェックアウトを終えた後、私たち夫婦は『森の散歩道』を歩き出した・・。

この森は程ほどに手入れをされて、モミ、スギ、アカマツなどの常緑樹の中、
ミズナラ、コメズカ、コナラなどの落葉樹は色づきはじめ、
ヤマウルシのたわわな葉は紅色に染められる光景を眺めながら、小路をゆっくりと歩いた。

この森には、時折リスが小路を渡ったり、アカゲラ、コゲラの鳥たちも生息している、
とハードウォチングの方から私は教えを受けたりしていた。

私は落葉樹の四季のうつろいに限りなく魅了されるひとりなどで、
ミズナラ、コナラ、ヤマウルシなどの色合いに見惚れながら歩き廻っていた。

この後、少し上りつめると、大きな松が聳える下の付近に水音を感じ、
窪(くぼ)んだ地表には、湧水が観られ『油川水源地』と小さな札があった。
私は幼年期に農家の児として育てられ、生家の田んぼの一角に湧水があったので、
私としては故郷の原景として愛惜する情景であり、長らく湧き出す水の流れを見つめたりしていた。

この湧水から清流が流れ、やがて小さな小川となり、
私はこの森の中の沢沿いに、ゆっくりと下った。
そして紅色、朱紅色、黄色に染められたヤマモミジなどを観ながら、
過ぎゆく時の流れの情景を確かに享受した。


この後、私はロビーの外れでの喫煙所で、煙草を喫いながら、
一昨日は『清泉寮』の周辺の『カラマツ林の小径』、『富士山とせせらぎの小径』を散策をし、
昨日は『八ヶ岳倶楽部』で雑木を中核とした庭園を歩いたりした。
そしてホテルの正面以外を取り囲んだ『森の散歩路』を歩き廻ったりしていた。

やはり『八ヶ岳倶楽部』は、柳生博(やぎゅう・ひろし)氏の人生観と哲学を集積した美の結晶である。
数多くの雑木を中核とした庭園で、小路は枕木の木道で歩きやすく、
ゆるやかな傾斜地に四季折々のそれぞれの雑木が彩(いろど)っている。

私は初めて拝見した時、柳生博氏の人生観に於いての思想と哲学を発露された庭であり、
特にレストランの前のテラスで観る雑木の美景は、まぎれなく氏の美学が感じられる。
このように瞬時に感じたりし、氏の強い意志と感性で創底され、
昨今は専門知識を有したご子息の真悟氏の基で、運営発展している。

これに対して、程ほどに管理された森が『清泉寮』の周辺の『カラマツ林の小径』、『富士山とせせらぎの小径』、
そしてホテルの『森の散歩道』であり、
私は好感しながら、どちらが好きかと問われても、
美の結晶と程ほどに管理された散策路は比較できないなぁ、と心の中で微苦笑したりした。

                                    《終わり》
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旅行業界の通販大手3社の利用者たちが、偶然にホテルで共にし、思わず私は微苦笑し・・。

2011-10-22 15:25:20 | 旅のあれこれ
私は東京郊外の調布市に住む年金生活の67歳の身であるが、
家内と共通趣味のひとつには国内旅行であるが、子供に恵まれなかったこともあり、
新婚時代から国内の各地に四季折々訪れている。

私の現役時代は民間のサラリーマンであり、数多くの人と同様に多忙な身であった上、
住宅ローンなどの返済もあり、世に言われるセレブのような高級な旅には程遠かったが、
それなりに短かな旅をきた。

2004〈平成16〉年の秋に定年退職後、直ちに念願通りに年金生活となったので、
現役時代と違い、少しは長い7泊8日前後の旅、
或いは海上の遥か彼方の小笠原に訪れた時は12泊13日をしたりしてきた。

私たち夫婦は海外旅行は、何かと苦手な身であるので、夫婦としての旅路は国内旅行ばかり重ねてきた。
そして点在した観光地を周遊するコース、
或いは観光地のホテル、旅館などで滞在し周辺を観るコースに大別される。

いずれにしても、私は定年後は自動車の普通免許書を放棄した身なので、
個人旅行、団体旅行に関わらず交通機関は電車、バス、飛行機、フェリーなどに頼って旅行を重ねてきた。


こうした旅行の時は、個人旅行で家内と共にする時は、JTBの旅行代理店に依頼することが多いが、
団体旅行の周遊型、滞在型の場合に於いては、
購読している読売新聞の広告に掲載されている通販のクラブツーリズム、阪急交通社、
ANAの旅行計画、JTBなどを見たりし、圧倒的に私たち夫婦はクラブツーリズムを利用してきた。

過日、ここ2年は家内と共に変則な旅行を重ねて、JTBの旅行代理店に依頼してきたが、
過ぎし16日より、団体の滞在型の旅行を3泊4日で家内と共に参加した。

この時に利用したのは、クラブツーリズムから郵送されてくる月刊誌を見て、
『美しき高原の中! 八ヶ岳ロイヤルホテル3連泊』と題されたプランを見たりしていた。


そして、このリゾートホテルは、星空が観やすいところ、と何かの雑誌で私は読んだりしたこともあり、
その上、この地域は10月中旬の頃から、朱色、黄色などに染め始める錦繍(きんしゅう)の情景が展開するので、
私は家内に、
日中は錦繍の情景、そして夜には満天の星空を眺められる・・
独断と偏見の多い私でも、三日間宿泊すれば、一日ぐらいは煌々と輝く数多くの星が見られる、
と家内を勧誘したのである。

新宿駅に集合し、特急『あずさ』を利用して、小淵沢駅で下車し、
ホテルからの送迎バスに乗車し、ホテルに3連泊する間、それぞれ好きな所を見てきて下さい、
滞在の自由プランである。

そして驚くことに、特急『あずさ』で新宿から小淵沢の往復を利用し、
ホテルからの送迎車で小淵沢とホテルを往復して下さり、
『八ヶ岳ロイヤルホテル』に3連泊し、朝夕の食事付で、
おひとりさまの旅行代金は、たった29800円であった。

私たち夫婦は、このような旅行代金で食事は大丈夫かしら、と家内は言ったりし、
どうしてこのような料金で出来るの、と私も感じたりしていた。
そして私は、私たち夫婦でも6万円足らずで、
小笠原の父島を訪れた時のひとりの片道の『小笠原丸』料金とほぼ同額であったので、
私は家内に言ったりして、微苦笑を重ねたりした。


私たち夫婦は今回の旅行は40名前後と方たちと集合の場所、
宿泊したホテルのロビー、送迎車、『あずさ』の待合の時などで談笑を交わしたりが、
何よりも驚いたのは、夕食の食事処は結婚式の披露宴の会場で、
私たちのクラブツーリズム、そして阪急交通社、JTBの方たちと同じ会場であった。

私は家内と共に食事処の指定場所に行った時、
入口の立札が、それぞれ明記されていたので、
『大手の旅行会社が・・偶然に並んだょ・・』
と私は家内に微笑みながら言ったりしたのであった。

4人席、6人席のテーブルがグループ毎に並び、私たちのクラブツーリズムは20前後のテーブル、
私たち夫婦は4人席テーブルに案内され、ゆったりとふたりで食事できたりし、
このような配列で、阪急交通社、JTBの方たちと同様であった。


その後、ロビーの近くに、この3社が簡略された旅行企画名称で明示され、
私たちと同様に3連泊プランと知ったのである・・。

もとより昨今の旅行業界は熾烈な競争を強いられ、宿泊のホテル、観光ホテル、旅館、
そして交通機関の鉄道、バス、航空の各社も大幅な値下げの結果として、
私たち旅行客は料金の面、サービスなどを享受している。

このような現象は、いつ頃から始まったのかしら、と私は改めて思ったりした。
ひとつとしては、宿泊先のホテルも旅行会社から厳しく低価格を提示が予測できたので、
せめて私のできることは、館内でビールをたくさん吞み、ホテルに貢献するしかない、
と思いながら、ビールをおかわりね、とオーダーしたりした。


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