最終章 旅の終わりには『森の散策路』
私たち夫婦は、初めて宿泊した『八ヶ岳ロイヤルホテル』に到着後、
このホテルは小高い丘のような上に建ち、正面の前方以外は、森の中に囲まれた建物と解った。
この後、このホテルの所有する森には、『森の散策路』と称せられ、
一周約30分と明記されていたので、旅の最終日の19日にゆっくりと散策しょう、
と私は家内と話し合ったりしていた。
ホテルのご好意で『小渕沢』駅までの送迎車は、
ホテル前の集合時は午後1時半に伴い、チェックアウトの午前11時まで、
私たち夫婦は旅の終わりなので、部屋でのんびりとしょう、
と窓辺から観える八ヶ岳の主峰の赤岳を見つめたりしていた。
チェックアウトを終えた後、私たち夫婦は『森の散歩道』を歩き出した・・。
この森は程ほどに手入れをされて、モミ、スギ、アカマツなどの常緑樹の中、
ミズナラ、コメズカ、コナラなどの落葉樹は色づきはじめ、
ヤマウルシのたわわな葉は紅色に染められる光景を眺めながら、小路をゆっくりと歩いた。
この森には、時折リスが小路を渡ったり、アカゲラ、コゲラの鳥たちも生息している、
とハードウォチングの方から私は教えを受けたりしていた。
私は落葉樹の四季のうつろいに限りなく魅了されるひとりなどで、
ミズナラ、コナラ、ヤマウルシなどの色合いに見惚れながら歩き廻っていた。
この後、少し上りつめると、大きな松が聳える下の付近に水音を感じ、
窪(くぼ)んだ地表には、湧水が観られ『油川水源地』と小さな札があった。
私は幼年期に農家の児として育てられ、生家の田んぼの一角に湧水があったので、
私としては故郷の原景として愛惜する情景であり、長らく湧き出す水の流れを見つめたりしていた。
この湧水から清流が流れ、やがて小さな小川となり、
私はこの森の中の沢沿いに、ゆっくりと下った。
そして紅色、朱紅色、黄色に染められたヤマモミジなどを観ながら、
過ぎゆく時の流れの情景を確かに享受した。
この後、私はロビーの外れでの喫煙所で、煙草を喫いながら、
一昨日は『清泉寮』の周辺の『カラマツ林の小径』、『富士山とせせらぎの小径』を散策をし、
昨日は『八ヶ岳倶楽部』で雑木を中核とした庭園を歩いたりした。
そしてホテルの正面以外を取り囲んだ『森の散歩路』を歩き廻ったりしていた。
やはり『八ヶ岳倶楽部』は、柳生博(やぎゅう・ひろし)氏の人生観と哲学を集積した美の結晶である。
数多くの雑木を中核とした庭園で、小路は枕木の木道で歩きやすく、
ゆるやかな傾斜地に四季折々のそれぞれの雑木が彩(いろど)っている。
私は初めて拝見した時、柳生博氏の人生観に於いての思想と哲学を発露された庭であり、
特にレストランの前のテラスで観る雑木の美景は、まぎれなく氏の美学が感じられる。
このように瞬時に感じたりし、氏の強い意志と感性で創底され、
昨今は専門知識を有したご子息の真悟氏の基で、運営発展している。
これに対して、程ほどに管理された森が『清泉寮』の周辺の『カラマツ林の小径』、『富士山とせせらぎの小径』、
そしてホテルの『森の散歩道』であり、
私は好感しながら、どちらが好きかと問われても、
美の結晶と程ほどに管理された散策路は比較できないなぁ、と心の中で微苦笑したりした。
《終わり》
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私たち夫婦は、初めて宿泊した『八ヶ岳ロイヤルホテル』に到着後、
このホテルは小高い丘のような上に建ち、正面の前方以外は、森の中に囲まれた建物と解った。
この後、このホテルの所有する森には、『森の散策路』と称せられ、
一周約30分と明記されていたので、旅の最終日の19日にゆっくりと散策しょう、
と私は家内と話し合ったりしていた。
ホテルのご好意で『小渕沢』駅までの送迎車は、
ホテル前の集合時は午後1時半に伴い、チェックアウトの午前11時まで、
私たち夫婦は旅の終わりなので、部屋でのんびりとしょう、
と窓辺から観える八ヶ岳の主峰の赤岳を見つめたりしていた。
チェックアウトを終えた後、私たち夫婦は『森の散歩道』を歩き出した・・。
この森は程ほどに手入れをされて、モミ、スギ、アカマツなどの常緑樹の中、
ミズナラ、コメズカ、コナラなどの落葉樹は色づきはじめ、
ヤマウルシのたわわな葉は紅色に染められる光景を眺めながら、小路をゆっくりと歩いた。
この森には、時折リスが小路を渡ったり、アカゲラ、コゲラの鳥たちも生息している、
とハードウォチングの方から私は教えを受けたりしていた。
私は落葉樹の四季のうつろいに限りなく魅了されるひとりなどで、
ミズナラ、コナラ、ヤマウルシなどの色合いに見惚れながら歩き廻っていた。
この後、少し上りつめると、大きな松が聳える下の付近に水音を感じ、
窪(くぼ)んだ地表には、湧水が観られ『油川水源地』と小さな札があった。
私は幼年期に農家の児として育てられ、生家の田んぼの一角に湧水があったので、
私としては故郷の原景として愛惜する情景であり、長らく湧き出す水の流れを見つめたりしていた。
この湧水から清流が流れ、やがて小さな小川となり、
私はこの森の中の沢沿いに、ゆっくりと下った。
そして紅色、朱紅色、黄色に染められたヤマモミジなどを観ながら、
過ぎゆく時の流れの情景を確かに享受した。
この後、私はロビーの外れでの喫煙所で、煙草を喫いながら、
一昨日は『清泉寮』の周辺の『カラマツ林の小径』、『富士山とせせらぎの小径』を散策をし、
昨日は『八ヶ岳倶楽部』で雑木を中核とした庭園を歩いたりした。
そしてホテルの正面以外を取り囲んだ『森の散歩路』を歩き廻ったりしていた。
やはり『八ヶ岳倶楽部』は、柳生博(やぎゅう・ひろし)氏の人生観と哲学を集積した美の結晶である。
数多くの雑木を中核とした庭園で、小路は枕木の木道で歩きやすく、
ゆるやかな傾斜地に四季折々のそれぞれの雑木が彩(いろど)っている。
私は初めて拝見した時、柳生博氏の人生観に於いての思想と哲学を発露された庭であり、
特にレストランの前のテラスで観る雑木の美景は、まぎれなく氏の美学が感じられる。
このように瞬時に感じたりし、氏の強い意志と感性で創底され、
昨今は専門知識を有したご子息の真悟氏の基で、運営発展している。
これに対して、程ほどに管理された森が『清泉寮』の周辺の『カラマツ林の小径』、『富士山とせせらぎの小径』、
そしてホテルの『森の散歩道』であり、
私は好感しながら、どちらが好きかと問われても、
美の結晶と程ほどに管理された散策路は比較できないなぁ、と心の中で微苦笑したりした。
《終わり》
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