衆議院が解散された。万歳を三唱している議員の映像を私は苦々しい思いで眺めていた。
何度も書いたが今回の解散は国政レベルからみるとまったく理由が立たない。内閣総理大臣の立場ではなく、自民党の総裁の立場での解散である。内閣総理大臣と自民党総裁をこれほどまでに混同してよいものかと思う。
通常は解散から選挙までは21日であるが今回は40日である。長い選挙戦になる。この期間に日本の国政は混迷の度を深めることになると思う。
国会が解散して国政が停滞するとか、官僚の予算編成が進まなくなるとかいう話ではない。それは、解散に付き物の現象で、もちろんあるのだが、今回はさらに別の問題が出ると思う。
私が気にしているのはこの40日は各政党がお互いに相手の悪口を言い合う泥仕合の期間になるだろうということである。
東京都議選の結果を見ても民意は民主党に傾いていることは明らかである。自民党はこれを何とかして巻き返そうとするだろう。巻き返すためには良い政策を打ち出すのが一番よいのだが、これまでできなかったことが急にできるわけはない。考えられる戦術は相手の悪口を言って「自分のほうがましですよ」という言い方をすることである。
これまでは野党は基本的にその戦術で、与党は自分たちの政策の良さを訴えるというのが基本的な構図だった。しかし今回は両方とも野党のようなものである。民主党にはもともとまともな政策はないし、今回は自民党も同じレベルかそれ以下である。政策として訴えるのはだれもが喜ぶようなばらまき政策ばかりになるだろう。
2大政党体制の本来の趣旨はどちらの政党も政権を担当できるように政策を真剣に考えそれを訴えることになることのはずである。しかし、日本型の2大政党体制はどちらも野党化して、政策をまともに考えず、相手に失策をあげつらうだけになる、という感じがする。
我々はそれを見てうんざりしてしまうだろう。投票率も下がるのではないかと思う。案外浮動票に頼らない公明党あたりが目線は低いながらも地道な活動を続け、躍進するかもしれないという気がする。それはそれで問題だと思うのだが。
私の予測は外れることを願っている。しかし、選挙に勝とうと思えば上記のような行動に出るのは普通のことだろうと思う。それを抑止するのはジャーナリズムの力だと思うが、日本のジャーナリズムには失望しており、私は期待していない。
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