ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

日本のケータイメーカー

2008-02-14 18:18:41 | 経済
現在、スペインのバルセロナで携帯の祭典「3GSM」が開催されている。

こういう国際イベントがあるたびに「日本のメーカーはなぜ世界で戦えないのか」という議論が巻き起こる。オペレータが悪いとか、メーカーが悪いとかいう話である。問題はメーカーが世界で戦えていない点であるとすると、これは80%はメーカーの責任であろう。オペレータの影響がないとは言わないが自分の事業のことを他人に責任転嫁できるわけがない。

しかし、失敗しているのは日本メーカーだけではない。かのジャイアント、モトローラでさえ端末部門を切り離すと言っているし、アルカテルもシーメンスもだいぶ前に端末事業をやめてしまった。

中国もパッとしないし、頑張っているのは韓国勢くらいである。アップルがiPhoneで注目を集めているがこれがケータイとして確固とした地位を確立できるかどうかはまだ分からないと思っている。

むしろ、これからの注目は台湾勢ではないかと思っている。 要するに卓越した経営者のいる会社で、思い切ってケータイに投資した会社だけが生き残っているという寡占化の進行が現状であると思う。

この世界での寡占化の中で日本メーカーはノキアを受け付けず日本市場を守っている。これが世界へ出て行こうと思えば、日本市場を世界と同質化する必要があり必然的に日本の端末メーカー数も減っていくであろう。

ソニーエリクソンは世界で存在感を示しているが、それ以外が生き残れるかどうか、という感じだと思う。 問題はメーカーだけではないと思っている。

世界ではオペレータも国際化している。特にヨーロッパのオペレータは世界に出ていって活躍している。そして、日本の1/10程度の通話料金の地域でもきちんと利益を上げている。

日本のオペレータはメーカーと違って巨額の利益を上げているのに、外への発展がみられない。日本経済の先行きを考えるならばこの点をもっと問題として取り上げるべきだと思う。

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2 コメント

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コンシューマの視点で (ウィトラ)
2008-02-18 16:54:54
Wangさん、コメントありがとうございます。

私は日本のメーカーはコンシューマ視点が無い、あるいは弱いとは思っていません。現に海外のメーカーはドコモ市場に入って発売しても日本のユーザーに受け入れられていないという事実があります。家電や自動車業界を見るとコンシューマ視点はむしろ日本人の得意分野だと思えます。

日本の端末が世界でうまくいかないのは
①日本の端末のコストが高すぎること
②性能がいまいちである
という複合要因だと思っています。
①は日本市場の特性、②はメーカーの実力によるものと考えています。

これらについてはいずれ詳しく書くつもりです。
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コンシューマの視点で (Wang)
2008-02-16 16:29:00
 NTT DoCoMoも、KDDIも、元々国の役所であり、安くて使いやすいものがあっても、高くてもよいから、世界一のものを持って来いという指示/思想をずっとあり、それについていく日本メーカは必死で頑張っていると理解している。
 しかし、価格競争が弱く、肝心なコンシューマ向けの商品をうまく作れないし、商品コンセプトの発想切替もなかなかできなく、結局Nokiaに負け続けている。最近のi-phoneもまさに斬新な商品コンセプトで注目されていると思う。
 これから、国相手の視点からコンシューマの視点に切替、ユーザ立場で商品を作るのは海外に出る条件だと思っている。
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