ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

アベノミクスは賞味期限切れか?

2013-12-04 13:29:48 | 経済

世の中は特定秘密保護法案で大騒ぎであるが、その関連で報じられていることに国会は今週で終わりで延長はしないという話しがある。そこでアベノミクスの成長戦略がどこまで具体的に進んだかが気になる。特定秘密保護法案と中国の防空識別圏問題で騒いでいるうちにじわじわと円安、株高が進んできたが、今日はその反動がかなり強く来ている。

私が進んだと認識しているのは農業の減反政策打ちきり程度である。TPPもまだ帰趨がはっきりしないし、特区もどこまで具体的なことが盛り込まれているのかはっきりしない。外国人投資家の間ではアベノミクスは金融緩和と公共投資で、第3の矢である成長戦略は名前だけだという見方が支配的になってきているということである。今回の減反政策廃止のように著しく非効率なものが改善されていく動きは継続して出るだろうが、官邸主導で規制緩和が特別加速することはもうないだろう、という見方が一般的らしい。

「なるほど、そんな感じだな」と私も思う。日経平均の株価の動きなどはこれから神経質な動きになるのではないだろうか?

マスコミは安倍総理の権力が強すぎて自民党の中で反対できる人がいないなどと言っているが、私には総理が自民党内をまとめるのに苦労しているように見える。いわゆる総論に関しては総理に反対する人はいないのだろうが、選挙の支持母体が絡む話になると論理も何もなくとにかく利権を守るという行動に走る人が自民党の中でも大多数だという感じがする。本来ならば支持母体の代表として国会に来ていても、他の分野の話しを聴いて自分の関係する団体が引いたほうが国益にかなうと判断すれば支持母体を説得にかかるのが政治家のあるべき姿で、どういう態度を取れる人が党の中で重要視され大臣になっていく、というのがあるべき姿だと思うが、現実はそうではなく声の大きい人、根回しのうまい人、議論のうまい人が党の要職を務めるようになっている感じがある。国のトップである総理大臣が国会議員から選ばれる間接選挙の日本では不幸なことだと思う。

話を元に戻して、アベノミクスが賞味期限切れだとすればどうするべきかということを考えると、「どうしようもない」というのが私の素直な感想である。安倍総理を変えても今より良くなる可能性よりは悪くなる可能性のほうが高いと思う。これからは政治にあまり期待せず、従来型の日本の運営の中で各人が問題だと思うことを一つずつ、ゆっくりと時間をかけて変えていくしかないだろう。

世の中の動きは早いので日本の国力は相対的に下がってくるような気がするが・・


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1 コメント

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アベノミクスの限界? (世田谷の一隅)
2013-12-05 11:34:24
「政治に期待せず、身の回りの改善に専念する?」 

なぜそんなあきらめを抱くのでしょう。政治に期待することと、身の回りの改善改革を進めることは次元の異なる話です。 このブログも 日常の身の回りに起きる出来事を俎上に乗せて、それはそれなりに改善・論議するけれども、それに留まらずもう少し底流に流れる本質的な問題にまで突っ込んで分析し、その改善を訴える先が政治であり、ネットの世界を通じて、考え方のブラッシュアップを図り、同じ様な考え方の人を募るのが目的の一つの筈です。

アベノミクスでも、まだまだ始まったばかりです。もちろん相手は岩盤規制と言われる様な、既得権益を守ろうとする連中が、今の政府予算の周りに蠢いているわけですから、そんな簡単に流れが変わるわけではないと思います。

それでも、少子化に対して、色々な規制を緩めながら支援を増やし、産業界の女性活用も数値目標を設定させる等、施策は少しずつですが目に見えてきています。

30年ぶりですが、大学の医学部新設を認めようとの動きもあります。これも医者が増えることにより(相当の時間が必要ですが)、医療業界の既得権益を少しでも崩すことになります。

成長戦略は、既得権益を崩して、規制緩和を進める事が第一歩です。成長の余地がありそうな領域に、民間の力をどんどん進出させて、あらたな雇用や技術を発展させる、これが大切だと思います。

農業にしてもエネルギーにしても、政府が予算を投じて何かの施策を講ずることも必要かもしれませんが、それよりは規制緩和が、予算も使わない、民間の力を活性化させる等で非常に有効と考えます。

その意見を述べたり、情報交換して、よりよいものを提言することが、この場に期待されていると思います。

国ののトップを直接選挙で選べないと嘆いていますが、世界中で国政レベルで間接選挙を用いている国は、カナダ、ドイツ、イタリア、イギリス等、色々あります。日本で大統領制を導入したところで、激しい論調で国粋的な論調のマスコミに振り回され、移り気な国民を相手に人気取りに陥ってとんでもない方向に進もうとしている韓国の様な例もあります。

従って、間接性とか直接性とかの問題ではなく、国としてのリーダを、どの様に育成するのか、その過程にどの程度国民のレベルで関わり、意見を出せるかだと思います。
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