ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

決まってから言うな、決める前に言え

2009-06-19 09:38:36 | 社会

またまたマスコミ批判である 。

国会で脳死を人の死と認める決議がされた。今朝の日テレのニュースを見ているとほとんど脳死状態だが生きている人のことが繰り返し報道されていた。その人は脳死に近いとはいえ、まだ生きているので今回の決議で脳死と判断されることはないと思うが、やはり家族としては割り切れない思いがあるだろうし、「困ります」ということを言っていた。

そういう人がいることを私は初めて知ったのだが、問題はマスコミが脳死の議決が出た直後に、この話を大々的に報道している点である。なぜ決議前に報道しないのか。私は以下の二つの理由からだと思う。

ひとつは報道が議決に影響を与えて、「あの報道のおかげで決まらなかった」というように責任を問われるのが嫌だっとということ

二つ目は、決まってからのほうがニュースとしてインパクトがあるからということ

この二つは現在の日本のマスコミの典型的行動パタンだと思う。しかし、決議が出た後で、それも直後にその決議に対する否定的情報を流すのは足を引っ張ることにはならないか、と思う。

私の知る欧米の企業では、少なくとも私の出席する国際会議では、欧米人は物事を決定する前には色々なことをいう。中には鋭い指摘もあるし、屁理屈と思えるものもある。いろいろな意見を戦わせて最終的に決議する。

決定が出されるとそれには従う。昨日まで反対と言っていた人もまるで前から賛成だったかのように態度を変える人が少なくない。つまり、決める前には色々な意見を言って議論を深めるが、決めた後は「これは我々が決めたことだ」という意識に皆がなって、その決定をうまく実行できるように考えるようになる。

問題が指摘されるのは実行されてしばらくして当初は予想されていなかったような問題が出てきてからである。決めた翌日に反対意見などを言うと、「なぜ決める前に言わなかった」と批判されるだけである。

ところが日本では決める前には何も言わないでおいて決まってから文句を言うことが非常に多い。マスコミの反応はその典型である。企業などでは上下関係があるので公式に文句を言うことができずに陰口を言うことになる。

今回の国会決議は党議拘束もなく国会議員個人の判断にゆだねられたので、国民の代表が決めたことと言える。それに対するこの反応である。

欧米流と、日本流、どちらが推進力があるかは明らかである。特に政治的問題は全員が幸せになることはきわめて稀、で喜ぶ人もいれば困る人もいる、という決定がほとんどである。

こういうマスコミの態度が日本の政治を弱くしていると改めて思う


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