ウィトラのつぶやき

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ドコモ・富士通、サムスンとスマホ向け半導体開発

2011-09-13 08:21:28 | 経済

今朝の日経新聞の記事のタイトルである。

携帯電話用の無線部分のチップを共同開発する会社を作るという話で、ドコモ、富士通、サムスンに加えてNECとパナソニックも加わるそうである。この分野は会社員時代に私が深くかかわっていた分野なので、見過ごせない気持ちがある。しかし、既に勝負はついたと私は思っている。今から巻き返せるとは思えない。

これから技術はLTEに移行していくので新技術が必要になるのは分かっているがチップとしては相当長い期間、WCDMA、cdma2000、GSMなどと共存する必要があるだろう。それでこのメンバーで勝てるチップを作れるとは思えない。しかもLTEのチップは既にかなり出回っている。記事にはQualcommのシェアが高まっていて独占になるのを気にしているとあるが、既にQualcomm以外に、ST-Ericssonとルネサスエレクトロニクスは少なくともチップを出すことが明らかで、更にドコモは台湾のメディアテックにも技術供与している。独占を避ける手は他にもあるだろうと思われる。

最近、Qualcommのシェアが高まっていて、特にスマートフォンではシェアが高いのは事実であるが、それは無線技術の幅広さに加えて、Snapdragonという、メインの高機能CPU、更にグラフィック処理をするGPUでも極めて高い性能を出すものを同社が開発していて、統合チップセットを出しているからである。このような統合チップセットを出せるほどの力を新会社が持つとすればそれはSamsung中心に動くしかないだろう。しかし、日本勢とSamsungがうまくやっていけるかどうかも疑問である。

こういうことをやりたいという気持ちは理解できるが、勝ち目は殆ど見えないはずである。経営判断としては問題だと思う。


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