ウィトラのつぶやき

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東日本大震災からの復興の遅さはなぜ?

2014-03-25 10:30:39 | 社会

3月11日が過ぎてしばらく経ったが、3月上旬は東日本大震災の爪痕の話題が多く報道された。私の持った印象を一言で言うと「3年も経ったのになぜこんなに復興が遅いのか?」ということである。読者諸兄も同様の印象を持たれたのではないだろうか? 

原発事故のあった福島第1原発周辺は仕方ないとして、津波の被害に会った三陸地域での復興は遅すぎる気がする。阪神大震災の時の神戸市では3年も経つともう被災地とか仮設住宅とかいうイメージではなく、再開発のイメージが強かったと思う。

テレビの報道などは復興の遅れている地域を重点的に見せて「こんなに悲惨だった。今でも困っている人がこんなにいる」ということを見せることを目的にしているので、必要以上に復興が遅れているように感じさせられているのではないか、と思って仙台市内の復興状況を調べてみた。

2013年5月(約1年前)の読売の記事で「中心地区は人口増と再開発、震災復興をけん引」という見出しで仙台市内中心部には人口増加が続いている、という評価になっている。仙台市の人口は2012年から1年間で約1万人増加しているそうである。特に仙台駅前東口では再開発が進み川崎駅前のようなイメージらしい。

つまり、復興が進んでいないのは元々人口減少が進んでいた漁師町のようなところであり、都市部では復興が進んでいるということらしい。人口減少が進んでいた地域はそれが加速したということであり、元に戻すという発想自体がおかしいのではないかと思う。

テレビでもやっていたが高さ10メートルの防潮堤を作っていた町が津波でやられたので今度は15メートルにする計画だという。しかし、3年経って住民からは防潮堤が巨大すぎる、海の状態が見えずかえって危険、別のことに予算を使ってほしい、という声が出ているという。宮城県はそれに反対している。県の言い分は防潮堤の存在を前提に県全体の防災計画を作って推進中なので一部住民の意見で今更変えられない、ということである。明らかにボタンの掛け違いである。

こうした非現実的な復興計画が至る所にみられる。私はこの責任は民主党政権、特に菅総理の時期にあると思う。総理に指導力が無く、災害を予算獲得のチャンスと見て、大規模な工事のために予算獲得のために動く人たちが跋扈した。それをコントロールできずに、大枠の復興計画を作ってしまったことが現在の状態を作っていると思う。

現在やるべきことは、このような復興計画を抜本的に見直すことだと思う。今からでも遅くない、長々と続く三陸海岸に高い防潮堤を作る意味は本当にあるのか? 復旧でなく復興という言葉を使っているのは、元に戻すということでは無く新しい国土の形を考えるということなのだから、産業が少なく人口流出が続いていた地域を元に戻そうということには基本的に無理があり、新しい三陸地域の形をどうするかを考え直すべきだと思う。同時に現在の復興計画を策定する時に中心的に動いた人達の責任追求も考えるべきだと思う。



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