ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

夏の計画停電に対する対応

2011-04-05 08:20:27 | 社会

福島の原子力発電所の問題はまだ予断を許さないが、事態はおりついてきており、電車もほぼ平常運転になった。次の大きな問題は夏の電力需要のピーク時に予定されている計画停電にどう対応するかということである。これは3カ月ほど先の話なので、あらかじめ準備しておくことが可能で大きな混乱にはならないだろうと思っている。

東京工業大学では、授業を土曜日や祝日にも行って前倒しをし、夏の期間は授業を行わない方針を発表した。被災地で授業に出られない状況にある学生やボランティア活動をする学生には別途配慮をする考えである。授業開始を遅らせる発表をしている大学もあるが、この東工大のアプローチのほうが正しいと思う。

産業界も経団連などで対応を協議している。これはピークの電力需要を抑えるために、いわゆる節電を行うのと輪番操業を行うのが軸になりそうである。一部の会社は土日を出勤にして月、火を休みにするなどの対策が中心になるだろう。あるいは電力需要の低い明け方に生産を行うという手もあるだろう。

私は、この輪番操業は良いことだと思っており、夏が終わっても続ければよいと思っている。皆が一斉に仕事場に行って、皆が一斉にレジャーに行く、というような行動がバラけて、観光地なども回転率が平準化されるし、電車の混雑なども緩和される。今回、電力不足でやむを得ず採用した働き方が「やってみるとなかなか良かった」ということになり継続されると、日本経済全体の効率化につながるような気がしている。


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2 コメント

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社会全体での節電、配電 (世田谷の一隅)
2011-04-05 15:21:01
発電容量の総枠の中で、如何に使いまわしを行うかの観点から、一番わかりやすいのは、料金によるincentiveをつけることだと思います。

休日は安くするとか、昼間は高くするとか、そうすれば、それに見合って変えようとする人に、それなりのincentiveが働く。スマートグリッドなどもこの延長で考えれば、もっともっと、社会の効率が良くなるような気がする。

日本には「一物一価」への妙な信仰があるけど、倫理や、道徳を説くことも一助ではあるものの、供給単価にフレキシビリティを持たせることで、効率が上がるのであれば、それが一番望ましいのでは?

もう一つ、現行の電力料金でも、都会は高く、郊外は安くの設定は十分可能だし、それにより、人口の分散が図れるとしたら、政府もその方向を支援すべきではないでしょうか。
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スマートグリッドのチャンス (ウィトラ)
2011-04-05 15:47:13
世田谷の一隅さん

以前にも書きましたが、料金設定を細かく変えるのはスマートグリッドの大きな眼目です。時間帯で料金を細かく変える、地域で料金を細かく変えるというのは殆どスマートグリッドそのものです。
しかし、時間帯分けならできるかもしれないが、地域分けは3カ月ではまず無理でしょう。時間で料金を変えるのも3カ月ではできないようなルールになっている感じがします。

それでも、例えば半年後にでも料金体系を変えることが見えていれば、夏に稼働時間を変えてそのまま固定するかもしれませんね。経団連で夏の時間帯を秋になっても継続するような合意が取れればですが・・

ちょっと気になるのは、早々と政府が総量規制を打ち出したことです。せっかく民間で動きがあるのに水を差す感じがします。海江田経産相の判断問題ではないかと思います。
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