スニーカー履いて

‘猫’も歩けば・・・今日はどんな出会いが?

金沢道をゆく ②

2011-05-24 | 横浜


平潟湾沿いの道を「洲崎町」交差点で左折し、
まっ直ぐ進んで行くと、正面にお社がありました


洲崎神社

主祭神:誉田別命
もとは長浜にありましたが、1211(応長元)年の大津波と
さらに道路改修のため、2度にわたる移転後 この地に再建。
明治初めの神仏混交廃止により、洲崎神社となりました。


神社に沿って左へ行くと、右側の
長い参道の先に立派な山門


知足山 弥勒院 龍華寺

真言宗の準別格本山です。

     創建:1189(文治5)年
  開山: 文覚上人
開基: 源頼朝
   本尊: 大日如来
頼朝が文覚上人と共に瀬戸神社の別当寺として建立した
「浄願寺」が始まりといわれます。その後戦乱や火災で荒廃
しましたが、1499(明応8)年融弁上人が兼務していた別寺と
合併して現在地に移築。 「龍華(りゅうげ)寺」となりました。

天平時代の作と伝わる脱活乾漆造りの菩薩坐像や
金沢で新田開発に尽力した永島一族の墓所などが有名。
また、境内いっぱいに咲くボタンの花が美しいお寺です。

 

梵鐘には、「天文十年(室町時代)」の銘がありますが
その作風から、鎌倉時代の作だと考えられています。



さらに行くと、、「右 史蹟称名寺」の道標。
此処から右へ行けば、金沢北条氏の菩提寺「称名寺」へ。 
そして横断歩道の先に、石の鳥居。

金沢八幡神社

主祭神:応神天皇
金沢文庫の古文書の記載から、鎌倉時代には
存在していたとされています。 金沢北条氏から
篤い崇敬を受けた神社であったようです。

街道筋には今も、やはり多くの寺社が建ち並んでいますね。



京急線「金沢文庫」駅前を過ぎ、その先左手の踏み切りを渡って
舗装路を暫く歩いて行くと、住宅地の最奥に山道に入る階段。

「能見(のうけん)堂緑地」入口


緑がだいぶ濃くなってきたハイキングコースを歩きます。
数年前まで、気の合うウォーキングの相棒と何度も歩いた所です。
その相棒も去年突然に、遠い遠い所に行ってしまい・・
あれこれ思い出しながら、
久しぶりの道を歩きます。

草地の広場に着きました。

能見堂跡

「能見堂」は寛文年間(1661~73)に、当時の領主 久世大和守広之が
芝増上寺の子院を移設して、地蔵菩薩像を祀った蔵院でした。

昔の金沢は内海がこの下まで入り込み、能見堂からの眺望は素晴らしく
東に房総・江戸湾、南に三浦半島、西方には富士山まで一望できたとか。

江戸元禄の頃、明の渡来僧 心越禅師が此処を訪ね、故国の瀟湘八景を
偲んで詠んだ漢詩から、「金沢八景」が定まったといわれています。

その後 広重など多くの絵師や文人墨客らによって紹介され、
此処は一大観光地となって多くの旅人で賑わったそうです。

嘉永6年 広重が描いた眺望  (説明板より)
猿島・夏島・烏帽子岩・野島・瀬戸橋・筆捨松※などが描かれています。
※筆捨松=平安初期の宮廷絵師 巨勢金岡(こせのかなおか)が、変化に
富んだ絶景に筆が進まず、絵筆を根元に投げ捨てたという故事に因む松。


「金沢八景根元地碑」

1803(享和3)年 江戸庶民百数十名によって建てられたものとか。
この地がいかに広く知られ、多くの人に愛されたかが偲ばれます。


多くの絵師が八景を描いた中で、やはり広重の作品は人気があったようです。

「小泉夜雨」
穫り入れも終わった淋しい田んぼの坂に吹き付ける雨風。
力を入れて上る姿と対照的に、風雨に押されて下りてくる人。


「瀬戸秋月」
小夜更けて冴え渡る月に、浮かび上がる瀬戸橋を渡る人影。


「洲崎晴嵐」
潮の流れが人家を巡り、静かな佇まいの洲崎の村落。


「内川暮雪」
湾の海水は暗く沈み、陸は白一色。道も堤も白く埋まり、
蓑笠姿で膝まで埋もれて行きなやむ旅人の姿。


「平潟落雁」
引き潮で現れた洲浜で、老若男女が裾をからげて貝漁り。
静かな海の彼方に落ちていく雁の列。


「野島夕照」
八景見物の遊覧客を乗せた屋形舟の向こうに、静かな夕凪の漁村。
烏帽子岩や遠く沖合いに浮かぶ夏島の姿。


「乙舳(おつとも)帰帆」
次々に帰ってくる白帆の漁船の左手には、柴の岬。
松並木の海岸の路上で、老いた漁師に道を問う旅人の姿。


「称名晩鐘」
内海に柴舟と子供が艪を漕ぐ網舟。のどかな岸辺の家々。
夕靄に浮かび上がる称名寺から、鳴り響く暮れの鐘声。




現在の「能見堂跡」は、生い茂る樹木に眺望が遮られ・・・
それでも、葉陰を渡る風の音と小鳥の声に包まれて
元気印だった相棒を偲びながら、ティーブレイクの‘猫’でした


(続)



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