今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

鶴見に行く

2020年10月25日 | 仏教

鶴を見に行ったのではなく、横浜市の鶴見に行った。
鶴見に何があるか。
曹洞宗の大本山・総持寺(正しくは、總持寺)がある。

昔、一度行った記憶があるが、やたら広かったという印象しか残っていない。
東京近郊で宗派を代表する大本山クラスの寺院というと、ほかには鎌倉にある臨済宗の建長寺と円覚寺、藤沢にある時宗の遊行寺、都内だと池上にある日蓮宗の本門寺、芝の浄土宗の増上寺、千葉だと中山にある日蓮宗の法華経寺、それに真言宗では成田山新勝寺くらいか。

福井の永平寺に並ぶ曹洞宗の大寺が東京近郊にあるのは寺好きとしてはありがたい。
もっとも明治年間に石川県から移転したので、歴史や文化財には乏しいが、
永平寺と違って街中(300万都市)にありながら、広大な敷地に大伽藍が並ぶのは貴重な風景だ。

そもそもなんで総持寺を再訪する気になったかというと、本当は今週末は久々に山歩きをしたかったのだが、狭心症気味になってしまい、心臓に負荷のかかる山登りは禁止となった。
そこで平地で、負荷のかからない行き先を探したが、行き先が尽きていたので、再訪バージョンに切り替えたところ、ここ総持寺が駅から近く、しかも大伽藍の割りに前回の印象が定かでないということで白羽の矢が立ったというわけ。

晴天の日曜、10時過ぎに家を出て、品川で京急に乗り換えて「京急鶴見」で降りた。
 京浜東北線で鶴見に乗換えなしに行けるJRを使わなかった理由は2つある。
1つは、JRの駅とほぼ隣接しながら、京急の方が運賃が安いこと(特快のボッスクシートで旅気分にもなる)。
そしてもう1つは、ランチで行きたい店が、こちらの駅側にあるため。

歩き前の腹ごしらえに選んだ店は、私が外食の第一選択肢とする”五目焼そば”の専門店「ちぇん麺」。
まず、五目焼そばの専門店というだけで感動ものだ。
客が混む前の11時台、本日の一番客で入り、自販機から「カレー味」「並」を選び、あとは口頭で「よく焼き」「辛さは最低の0」を指定。
初の店なので、まずはオーソドックスな「野菜」にしようと思ったが、ネットの口コミで「カレー」がおいしいというので、それに従った(辛さが強いというので、おとなしく辛い度を0)。
皿ではなく大きめの鉢に盛られたそれは、大きめのばら肉やタケノコ・キクラゲなどさまざまな野菜にカレーがかかっている。
五目焼そばの麺は、カリカリに硬い麺と柔らかい麺とがあるが、私が一番好きなのは、柔らかい麺に硬いお焦げがついてるもの。
この店の麺はまさにそれだ。
五目焼そばは、食べる前にその豪勢な盛り付けを見ただけで、おいしさがわかる。
一口食べて、次に鶴見に来る用事はないものか心の中を探った。
心の中の五目焼そばを食べる店のリストに登録されたからだ。

これで満足した気になり、この後は腹ごなしに総持寺に向う。
鶴見駅から近い脇道から境内に入り、まずは三松閣という鉄筋の信徒会館的建物に靴を脱いで入る(寺を訪れる時は紐のない靴で来る)。
喫茶店と売店があるが、コロナ対策のため他の空間には入れない。
トイレに行くと、入口に東司(禅寺のトイレ)の本尊が置いてある。
観光目的の訪問客の一人だが、用便といえども修行のひとつという緊張感が与えられる。
寺を訪れることの意味はこういうことにあると実感する。

ついで受付がある香積台という大きな建物に入る。
堂内は板敷きで、禅宗寺院の内部を味わえる(写真)。
客が廊下を歩くなか、修行僧が作務(さむ)として廊下をぞうきんがけする。
なので木の廊下は写真の通りピカピカ。
廊下の突き当たりにある大黒天を参拝し、写真左側の売店で、お札(お姿)と「雲水さん」という手巻き海苔の縦長の揚げ煎餅、それに瑩山禅師についてよく知らないので『一仏両祖』という道元・瑩山両祖の簡単な解説本を買った(一仏は教主釈迦牟尼仏)
残念ながら、今はコロナ対応のため境内の多くは閉鎖中で、見学できるのはここ香積台のほかは仏殿と三宝殿だけだという。
観光寺院でないので、観光客はほとんどおらず、法事で訪れる檀徒が中心。
それだけに修行道場たる本来の寺の雰囲気を味わい、仏殿の本尊を拝み、また梵鐘のある高台にあがってこの寺の守護神である三宝荒神(購入したお姿)を参拝した。
さらに、東日本大震災慰霊のためという平成救世観音(被災地の方角を向いている)脇の”祈りの鐘”を鳴らした。
山門の仁王像は、細かい金網越しなので詳細な観賞はできないが、しっかりした造形でしかもポーズが特有なのでもっとよく見えたらいいのに(写真)。
総門を出て、ついでに近くの東福寺(真言宗)も訪れ、片手を上げた白い慈悲観音を見て、最寄りの京急駅「花月園総持寺」(鶴見川を河口から歩いた時に利用)から帰宅した。
東京に15時に着き、軽い半日旅を終えた。



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