数ある欲望の中で、私にとって一番御しやすいのが”物欲”。
一時的に”買いたい”熱が高まっても、たいていはほどなく冷める。
たとえば、すっかり買う気で店に行って、手に取ってはみたものの、よく考えたら今ある物で足りると思い直して、買わずに帰ることがよくある。
そんな中、唯一冷めなかったのが”ライカ熱”。(ライカとはドイツのカメラメーカー)
写真自体は、小学校から趣味にしていて、高校時代は写真部で暗室に入っていた。
その頃は、撮る人間の感性・技能こそ大事と思い、カメラの性能に依存することに反発を感じていた。
だが自らカメラを買える身分になってからは、カメラ界のポルシェに相当するライカのカメラが憧れの的になった。
ライカのカメラを思うと無性に欲しくなり、頭がぼーっとしてしまう(これが”ライカ熱”の症状)。
ただ、ほとんど車が買える値段を前に、現実的に手が出なかった。
仕方なしに、ライカ社と提携しているパナソニックのLumix(ボディの隅に黒いLeicaと同じ形の Lマークがある)を買って、”なんちゃってライカ”でガマンしていた(本ブログの今までの写真の多くはこのカメラによる)。
そういう私も、家を買い、車を買い、それでも生活に窮する事なく、余裕のある生活を楽しめるようになった。
あと欲しいものがあるとすれば、それはただ1つ、ライカのカメラだけ。
もういい歳だ。待つことにもリスクが増してくる。
あこがれのライカを持つことなしに死にたくはない。
そんな折り、ライカから手ごろな値段のコンパクトデジカメ、 D-LUX7が発売された。
アウトドアで軽快に撮りたい私は、もとより重装備の一眼レフには惹かれない。
第一、大判にプリントアウトする(展示会に応募)目的はなく、個人的にパソコン画面で見れればいいので、あくなき画質を求めることはない。
レンズ交換のないズームレンズだけのハイエンドデジカメクラスでも、 ボケ味のあるような写真は撮れる。
昔は絞りやシャッタースピードはもちろん、ピントも手動で撮影してきたので、マニュアル操作は苦でない(今は撮影後の編集でいろいろできる)。
コンパクトデジカメといってもそこはライカ、他メーカーより頭一つ出た値段だが、国内メーカーの一眼よりは安い。
すなわち車が買える値段ではない。
ということで、念願の、まさに人生における念願のライカを手に入れた(写真。この写真が非ライカの最後となろう)。
もっともこの機種、ライカのラインナップに入っているものの、厳密にいうとパナソニックのOEM。
それをライカ社がいじってグレードアップしているものの、 made in China 。
でもボディ右上には赤いLeicaのロゴが燦然と輝ているので、”一応ライカ”と名乗れる。
さっそく、" なんちゃってライカ"として使っていた Lumix DMC-LX100(以下、Lumix)から SDカードを取り出し、それをライカD-LUX7(以下、ライカ)に差し込み、ライカの電源を入れた。
そうしたら、カードを初期化する必要もなく撮影ができ、なんと Lumixで撮った前のデータ(写真)まで見れる。
さらに、操作ボタンなども 幸か不幸かLumixと同じなので(というか外見がそっくり)、操作も手慣れたもの。
さらにさらに、なんと バッテリが Lumixとまったく同じものなので(もちろんロゴはLeica)そのまま使えるではないか。
このバッテリはLumix用に3個持っているので、合せて4個全部使える(ライカについていたバッテリを Lumixの充電器で充電できる)。
これはうれしい(もっともこのライカは、USBケーブルで充電できるので、予備バッテリはそう沢山は必要ない)。
あと外付けのストロボも付属している。
ただ見方を変えれば、私のライカって、”なんちゃって”以上にLumixな気がする…。