今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

高校2年生に”心理的距離モデル”を講じる

2018年03月12日 | お仕事

大学の業務として、併設高校の2年生(♀)を対象に模擬授業を担当した。
オープンキャンパスで受験生・保護者を前にした模擬授業は毎年やっているが、受験にまだ遠い2年生を対象にするのは初めて。
しかも広報担当の教員から、私のライフワークである「心理的距離」についてやってほしいとリクエストされた(オープンキャンパスでは話しやすいノンバーバルコミュニケーションの話をしていた)。
心理的距離は自分で理論モデルを構築しているので話す内容には事欠かないが、いかんせん専門用語(しかも自分の造語)で構成されているため、それを高校2年生にどう説明したらいいか。

といっても他に言い換える事ができないので、「能動表象」「不整合」などの用語はそのまま使うことにした。 
心理学とりわけ社会心理学は、われわれの日常の体験を学術用語で説明するものである。
その用語の意味する現象は、誰でも体験済みの事なので、その関係づけができれば理解してもらえるだろう。

というわけで、学術的表現でいうと、自他の心理的距離を変化せる力の1つである”均衡力”に焦点をあて、距離の不均衡状態をモデル化して説明し、この均衡力を利用した心理的距離の調整法を説明した。
これを日常の対人関係での”片想い”やウザイ相手(いずれも距離が不均衡)を例にして、”告る”ことのリスクと効果、そして心理的距離を接近させる行動を紹介した。

私の冗談に生徒たちは反応し、幾度も笑いを取れた。
そして授業を終えると、思いがけず拍手が鳴った(大学の授業ではありえない)。

自分の理論モデルを、想定外の人たちに話して、受けが良かったのだから、こんな嬉しいことはない。