同じ美術展を二度観することなど滅多にないのだが、「仁和寺と御室派の秘宝展」(東京国立博物館。3月11日まで)には時期をずらして2度訪れた。
もともと表題にあるように仁和寺系のこれらの寺の仏像は秘仏なので、滅多に拝められない。
その秘仏たちがいっぺんに観られるのだから、これは行くしかない。
何しろ私は、中学以来の仏像好き。
でもなぜ2度なのかというと、展示期間の前半と後半とで、展示される秘仏が交替するから。
一度目に行った時は、この企画の最大の目玉である大阪葛尾寺(ふじいでら)の千手観音はまだ展示期間でなかった。
そこで展示期間である今日に再訪したのだ。
平日なのに平成館入口で50分待ちの行列だった。
ちなみに、仁和寺の観音堂を再現して配された江戸期の仏像群(千手観音と二十八部衆など)に限って写真撮影可(写真)。
一度目はカメラを持参しなかったが、二度目は持参して撮りまくった(ストロボ撮影は禁止なのでレベルの高いデジカメが必要)。
葛井寺の千手観音(8世紀作)は、手の数が1041本もあり真の”千手”観音ともいえる唯一の観音像として有名で、写真ではその存在を知っていたが、実物を拝める機会がなかった。
仏像好きにとってはこの観音像を間近に拝める(しかも周囲を一周できる)だけで価値がある(千の手だけでなく、その手にある目も確認しよう)。
実際、いくら観ても飽くことがなく、立ち去り難かった。
その他各地御室派の仏像、とりわけ千手観音・十一面観音がたくさん展示され(それぞれ真後ろに廻って暴悪大笑面を確認できる)、仏像ファンにとっては、その前の「運慶展」に匹敵するくらい満足した。
とにかく、中学以来念願の本物の”千手”観音を拝めて満足。
道明寺(大阪)の十一面観音(8〜9世紀)もよかった。
あと私がこの目で観たい仏像は、観心寺(河内長野市)の秘仏・如意輪観音のみ。
これも大阪だ。