推進入試では面接を担当する。
受験生は、高校で指導を受けた付け焼き刃の作法で入室する。
でも、それが間違っているんだよな。
つまり高校の先生の作法の知識が付け焼き刃。
正しいお辞儀を明確に示した作法書を紹介する。
小笠原清忠氏の『小笠原流礼法入門』 (ハースト婦人画報社)。
表紙がいい(下に示す)。
皆さんだって、実は、下図左側の正しいお辞儀を学校(たとえば小学校)で習ったはず。
「気をつけ、礼、休め」という朝礼での号令がそれ。
礼(お辞儀)は”気をつけ”の畏まった姿勢でするもの。
手を重ねた”休め”の姿勢でやるものではない(下の×印は、通常の休め姿勢。両手を背後で重ねるのは軍隊式の休め)。
簡単な文法でしょ。
学校の先生は正しいお辞儀を教えられる位置にいるのだが…
それをどこぞの作法知らずの「ビジネスマナー」が下図右側の誤った姿勢でのお辞儀をひろめている。
それをひろめた人はまともな立礼姿勢(気をつけ)ができなかったのだろう。
悲しいことにNHKのニュース番組のオープニングに女性キャスターがこの姿勢で礼をしていた(NHKは食事の時に”合掌”もさせている)。
今日の受験生で、正しいお辞儀ができたのは1人だけだった。
浅薄な世間に惑わされない家庭の品性がうかがわれる。