今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

原発から北西側の値が高い理由を考える

2011年04月01日 | 東日本大震災関連
来週からは、名古屋で私の日常生活が始まるので、
今のうちに放射線関連で言い残したことを述べておく。

まず、放射線物質が周囲より高濃度の地帯が、原発から北西に伸び、
それが変動しない理由を考えたい。
SLOWLY内の「原発周辺広域」(文科省)の結果をもとに。

一貫した状態を維持しているのは、気圧配置によって変動する風ではなく、
その地に定常的に吹く風、そして、動かぬ山である。

福島第一原発にとっては、定常風は東からの海風である。
当然、原発上の空気は西側に押されるが、西側の山に当った空気は、高瀬川ではなく、
その北側のより大きな請戸川の谷に流れ込んでいる(データによる)。
請戸川は上流が北西に向かっているので、ここで北西走行の風の流れが形成される。

そして請戸川の源流部で、高太石山や白馬石山など800m以上の山に阻まれて、
北北西の飯舘村に流れ込む(西側の田村市は流入から逃れている)。
飯舘村の国道399号線に沿って、また北西走行に流れを変え、
花塚山(918m)や無垢路岐山 (672m)の東側を通って、
伊達市の古城山 (225m)・雨乞山(353m)・美幸山(477m)に囲まれた盆地状の所に達している。
この先は、福島中通り方向と宮城県の白石方向(ともに阿武隈川沿い)に分流しているようだ。

原発から出る放射線物質は、上空の偏西風に乗れば、当然、太平洋上に出て行くが、
地上付近の海風によって内陸に流される分は、
このように地形の影響をうけて(川の上を流れ、山に阻まれる)流れていく。

地表はまだ空気中の4倍

2011年04月01日 | 東日本大震災関連
関東での放射線計測はほとんどその必要性を感じなくなったが、
今朝、東京宅のベランダの桟にガイガーカウンターを1cm未満に近づけたら、とたんにガリガリいいだし、
それまで(空気中で)100nSv/hr前後だったのが、一気に500nSv/hr台に上がった。
やはり3月17日の計測と同じく、地表は堆積のため、空気中(地上1m)の4倍以上(約5倍)の値となっている。
この倍数関係は、17日の体験では複数の場所でほぼ同じだったので、各地に当てはめて問題はないと思う(ただし、駐車場で測定している所は、その4倍には達しないだろうが)。
堆積するのは、まだ原発からの飛散が続いているからで(平常時は、空気中と地表には差がない)、空気中の値が漸減している今後は、地表や土壌の堆積値を問題にした方がいい。

もちろん、真に問題にすべきなのは、倍数ではなく、値そのものであることは、もうご承知だと思うが、
上の倍数関係を失念することなく、特に地上の値がまだ多めの所では、
幼い子には、むやみに地面や壁面に触れさせず、手洗いをきちんとすること。
靴底の土なども玄関内に持ち込まない方がいい。
放射性物質を含んだ塵が舞い上がらないように、路面は丁寧に打ち水をするといい。