来週からは、名古屋で私の日常生活が始まるので、
今のうちに放射線関連で言い残したことを述べておく。
まず、放射線物質が周囲より高濃度の地帯が、原発から北西に伸び、
それが変動しない理由を考えたい。
SLOWLY内の「原発周辺広域」(文科省)の結果をもとに。
一貫した状態を維持しているのは、気圧配置によって変動する風ではなく、
その地に定常的に吹く風、そして、動かぬ山である。
福島第一原発にとっては、定常風は東からの海風である。
当然、原発上の空気は西側に押されるが、西側の山に当った空気は、高瀬川ではなく、
その北側のより大きな請戸川の谷に流れ込んでいる(データによる)。
請戸川は上流が北西に向かっているので、ここで北西走行の風の流れが形成される。
そして請戸川の源流部で、高太石山や白馬石山など800m以上の山に阻まれて、
北北西の飯舘村に流れ込む(西側の田村市は流入から逃れている)。
飯舘村の国道399号線に沿って、また北西走行に流れを変え、
花塚山(918m)や無垢路岐山 (672m)の東側を通って、
伊達市の古城山 (225m)・雨乞山(353m)・美幸山(477m)に囲まれた盆地状の所に達している。
この先は、福島中通り方向と宮城県の白石方向(ともに阿武隈川沿い)に分流しているようだ。
原発から出る放射線物質は、上空の偏西風に乗れば、当然、太平洋上に出て行くが、
地上付近の海風によって内陸に流される分は、
このように地形の影響をうけて(川の上を流れ、山に阻まれる)流れていく。
今のうちに放射線関連で言い残したことを述べておく。
まず、放射線物質が周囲より高濃度の地帯が、原発から北西に伸び、
それが変動しない理由を考えたい。
SLOWLY内の「原発周辺広域」(文科省)の結果をもとに。
一貫した状態を維持しているのは、気圧配置によって変動する風ではなく、
その地に定常的に吹く風、そして、動かぬ山である。
福島第一原発にとっては、定常風は東からの海風である。
当然、原発上の空気は西側に押されるが、西側の山に当った空気は、高瀬川ではなく、
その北側のより大きな請戸川の谷に流れ込んでいる(データによる)。
請戸川は上流が北西に向かっているので、ここで北西走行の風の流れが形成される。
そして請戸川の源流部で、高太石山や白馬石山など800m以上の山に阻まれて、
北北西の飯舘村に流れ込む(西側の田村市は流入から逃れている)。
飯舘村の国道399号線に沿って、また北西走行に流れを変え、
花塚山(918m)や無垢路岐山 (672m)の東側を通って、
伊達市の古城山 (225m)・雨乞山(353m)・美幸山(477m)に囲まれた盆地状の所に達している。
この先は、福島中通り方向と宮城県の白石方向(ともに阿武隈川沿い)に分流しているようだ。
原発から出る放射線物質は、上空の偏西風に乗れば、当然、太平洋上に出て行くが、
地上付近の海風によって内陸に流される分は、
このように地形の影響をうけて(川の上を流れ、山に阻まれる)流れていく。
わたしが大事に庭で育てているニホンミツバチたちも、巣箱の中で大きな群になり、花の咲き乱れる
春本番には、毎年、女王バチが働きバチを連れて分封します。今、色とりどりの花粉をたくさん足に付けて、ご機嫌な羽音をたてて巣箱に帰って来ています。花粉は、幼虫を育てるのに大事なタンパク源となるのです。その花粉ももちろん放射能を帯びているのでしょうね。そうとは知らずに一生懸命はたらいているミツバチを見ていると本当に悲しい気持ちになります。幼虫たちはちゃんとした成虫になれるでしょうか。
人間だけでなく、木も花も虫たちも、鳥も魚も、生き物は皆、辛い状況です。これ以上の汚染は何としてでも起こらないように祈る他のありません。
原発の北西に放射能物質が流れた原因はよくわかりました。ただ,これまでの放射線レベルの推移を見ると,15日に急上昇した後,昨日までに半減期を2周(殆どがヨウ素だとして)した訳ですが,当初レベルの25%になるという半減予想と概ね一致しているように思えます。つまり,北西の地区が汚染されたのは,15日直後の天候やその後の降雨のため,運悪くその地区の地面に集まってしまったためではないでしょうか? その後も定常風の影響で放射能物質が北西に流れて続けているのであれば,放射線のレベルがここまで下がらないように思えます。毎日風向きを見ていると,東風の時の風速は弱く,北か西から吹く時の風速が強い傾向があるように見えますので,継続的に出ている放射物質の多くは海側に運ばれているようにも思えます。いかがでしょうか?
ご専門ということで,ぜひ教えて頂きたいのが,天栄村というところの放射線量が周囲にくらべて高いことの理由です。80Kmも離れている村の牛肉から基準値以上の放射線が出たというので,周囲を見てみましたが,原発により近い小野町,玉川村などに比べて突出して高い値が出ています。距離以外の要素も大きいというのは理解していましたが,ここまで差があるとは想像していませんでした。
よろしくお願いします。
ちなみに栃木への飛散ルートは、白河からが主で、八溝山は立派な防壁となっています。今市が那須と同程度なのが不自然です。まずは鬼怒川ルートからの合流効果が考えられるのですが、源の南会津はまったく平常値で、今市より値が低く、否定されます。風が通り抜けていく那須と異なり、今市・日光は周囲の山が外への移流を妨げ、溜まり気味になるのかもしれません。
ただ、北西ルートは偶然ではなく、海風(晴天の日中に強い)の内陸への進入ルートになっているので、放射性物質が出続けている今後も高濃度化することがあるということです。それと、大部分は偏西風に乗って太平洋上に出るといのも、シミュレーション等によって示されています。その意味で立地が救いとなっています。
天栄村の件は、再調査によって基準値以下であったというニュースを1日の夜に接し、2日の朝刊にも載っています。
20日 28日 1日
小野町(40Km) 0.76 0.21 0.17
玉川村(55Km) 0.62 0.31 0.26
石川町(60Km) 0.66 0.25 0.21
天栄村(85Km) 5.50 1.93 1.53
となり,一番距離のある天栄村の値が突出しています。
那須と今市が同じ値ということも不思議ですが,この天栄村の突出した値も非常に不思議です。山根さんのご指摘通り,防壁となっていると思われる八溝山系にぶつかった大気が,北に回わり,ちょうど天栄村辺りに降下したということなのでしょうか。これについて,お伺いしたかったのです。
因に,私も那須にはよく行くのですが,那須と今市については,山根さんの仰る通りだと思います。山に囲まれて流れてきた気流が溜まりやすい今市と,この時期いつも北西の強風が吹きつけ且つ南側が開けている那須では,こういう結果になるのはなんとなく分かります。
そこで、是非教えていただきたいことがあるのです。私は千葉県柏市(福島第一原発から直線距離で約190kmほど)に住んでいますが、放射線の測定値が異様に高いのです。
柏にある、東京大学柏の葉キャンパス(http://www2.u-tokyo.ac.jp/erc/report_j.html#TOP)および国立がんセンター東病院(http://www.ncc.go.jp/jp/information/sokutei_ncce.html)による計測値は、3月21日以降、0.6-0.8μSv/hで推移し、少しずつ減少してはいるのですが、4月1日になっても0.5μSv/hを記録しています。通常、千葉県の値といえば、市原市の値が引用されるので、0.1μSv/h未満だと思われているようなのですが...。
とても怖くなり、いろいろ調べたところ、米国エネルギー省の資料を見つけました(http://blog.energy.gov/content/situation-japan)。このページにある3月22日付のスライドに汚染マップがあります。そこに、霞ヶ浦あたりから東京に向かい緑色の(汚染)ラインが伸びているのですが、この直下に柏市が位置するようなのです(涙)。このような汚染ラインは、風に左右されると思うのですが、いつも、このような風の通り道があるのでしょうか。
今後、原発の状況が悪化し、大量の放射性物質が飛散する可能性を考えた場合、非常に心配です。
お忙しいところ本当に申し訳ありませんが、ご教示いただけますようお願い申し上げます。
がんセンターのページを見て感じるのは、設置場所の影響が入っていそうです。通常は地上1mですが、地面はその4-5倍高くなります。東大とがんセンターBはともに他の地点よりも地面に近すぎるのかもしれません(それも合点がいきませんが)。ただがんセンターAも屋上のわりには高いので、やはり柏が高いのかも。
いずれにせよ、千葉県は市原以外に北総にも観測点を置いてほしいものです。
ありがとうございました。
確かに,福島県の中通りから関東平野まではU字溝のような地形ですから,原発から北西に流れて福島に出た放射物質が,北風に乗って南下してるという説明は良く分かります。しかし,80Km離れても,地形の影響で隣接地の放射線量に7-8倍の差が出るということには驚きました。本当に距離だけでは安心できないですね。