今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

傘を置き忘れて

2008年05月25日 | 失敗・災難
雨がこれから降りそう、またはさっきまで降っていて、今現在はまったく降っていないという状況で、使わない傘を持っている姿って、
屋根のある商店街を傘をさして歩いているのと同じく、とるに足らぬようでいて、とても無駄・無意味なことやっている感がある。
なので、往復のどちらか一方だけが雨にみまわれるとわかっている時は、そのような無駄な思いをしないですむ、それ専用の傘を持ち歩くことにしている。
ささない時はステッキに変貌する傘だ。

名古屋にいる時の土曜は、授業がないので、のんびり出校する。
今は雨が降っていないが、午後から降るのは、空を見れば誰でもわかるほどの状態。
なので、ステッキ傘を、傘には見えないステッキモードにして、家を出る。

市バスの左側先頭の座席(進行方向の見晴らしがいい)に坐り、ステッキを座席の左前に立て掛ける。
終点の他大学の門前で降りる。
最近は、共通のバスカードで私鉄バスの方もよく使うのだが、困ったことに、カードでの支払パターンが両者で異なる。
市バスは、均一料金なので、乗る時のみにカードを入れるのだが、私鉄バスは、乗った距離によって料金が異なるので、乗る時と降りる時にカードを入れる。
そう、読者のみなさんの予想通り、
市バスなのに、私は降りる時に思わず再びカードを入れてしまって、2回分の運賃を支払ってしまった。

そして、ポカをやる時って、連続するのが通例になっている。
さて、帰宅しようとするとすでに雨が降っている。
そしてその時、身の回りにステッキ傘がないことに初めて気がついた。
忘れたのはバスの中だ。
あの時は、まだ雨が降っていなかったので、支払いのポカの方に気が行ってしまって、ステッキを座席に置き忘れたままだったのだ。

パソコンのネットで、市バスの営業所を探し、電話してみる。
電話は通じ、用件を話すと、しばらく探す間があって
今は該当するような品は届けられていないという。
ただ、私が乗ったバスがまだ帰還していないので、最終的にはまだわからないという。
そしてバスが帰還したら、営業所の方から電話してくれるという。
それに最後の期待をこめて電話を切った。

帰還予定の時刻をすぎた頃、電話がかかってきた。
私が説明したステッキ状の物が、届けられたという(それが傘でもあることは確認できないはず)。
翌日、営業所に取りに行くことにした。

雨がやんだ翌日、車で営業所に行った。
市バスの営業所内に入るのは初めてで、映画(『月はどっちに出ている』)でみたタクシー会社の所内のような感じで、複数の運転手が休憩する広い一室があり、その奥に事務室がある。
「外来受付」とある事務室に入っていった。
事前に電話したので、私の来訪はすぐ了解された。

一日ぶりに目にするわがステッキモードの傘を受取っていると、
運転手の制服を着た、事務室の中の人たちが「それはどこで売っているのか」と興味を示し、「後学のために、使い方を教えてほしい」とリクエストされた。
大事な傘を預かってくれたので、こちらもサービス心がはたらく。
手品のスローモーションのように、ステッキを傘に変貌させた瞬間は、期待通りウケた。
受取の書類を書きながら、この傘を買った理由を話し、「でも忘れてしまっては意味ないですよね」と締めて、一応笑いをとった。
自分が人様の迷惑をかけるたびに痛感するのだが、今回も、市交通局の人たちの親切な応対がうれしかった。