博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『包青天之七侠五義』その3

2010年12月23日 | 中国古典小説ドラマ
『包青天之七侠五義』第11~17話まで見ました。

中牟県の妊婦連続殺害事件の黒幕は、半年前に中牟県に引っ越してきた富豪孔儒でありました。彼は妊婦の胎盤を漢方薬屋に大量に売りさばいて一儲けしようと企んでいたのであります。犯人捜索に乗り出した艾虎は孔儒の手先に命を狙われますが、危うい所を展昭に助けられ、包拯らに協力することに。

ここで艾虎が実は女性だったことが判明。(だから女優さんが演じていたんですね。)艾虎は元々捕頭の娘でありましたが、父が捕頭を引退して帰郷する時に悪漢どもに襲われて殺害され、母や姉とも生き別れに。艾虎も悪漢に殺害されようとしたところ、思いがけず悪漢の一味であった黒妖狐の智化が庇い立てし、命からがら逃げ延びたところを風婆婆という奇人に拾われて武芸をしこまれ、男装して賞金稼ぎをしながら父の仇を追っていたという次第。黒妖狐の智化は原典の『三侠五義』でも出て来る人物ですが、ドラマの方では艾虎の仇であり、かつ命の恩人でもあるという複雑な設定になってますね。

で、他ならぬ孔儒が父の仇の一人であったことが判明し、彼を追い詰める艾虎。しかし突如乱入した謎の刺客によって孔儒は刺殺され、今際の際に艾虎に「お前の母はまだ生きている」と衝撃の事実を口にして息絶えます。更に師匠の風婆婆からその謎の刺客が吏部尚書の馮浩に仕える剣客楚戈であると知らされた艾虎は、包拯・展昭らとともに都の開封へと向かうことに。

艾虎は開封に着くや、早速馮浩の屋敷に乗り込んで楚戈に勝負を挑みますが、あっさり返り討ちに遭って逃亡。傷をかばいながら身を隠している所を、お針子の少女玉蓉に助けられます。実はこの玉蓉こそが生き別れになっていた艾虎の姉でありました。

その頃、包拯は馮浩がかつて艾虎の父艾政の上官であり、楚戈が艾政の同僚であったことをつきとめ、彼らが艾政の殺害に深く関与しているのではないかと疑い始めます。艾虎は包拯に楚戈を捕らえて訊問するよう促しますが、包拯はまだ証拠が不充分ということで却下。そこで風婆婆は艾虎に包拯を拉致させ、自らが得意の変装術で包拯になりすまし、展昭に楚戈を捕らえるよう命じることにしますが……

ということで、この小侠艾虎篇で展開のスピード、話の密度の濃さともに旧作のレベルまで戻って来ました!基本設定は日本の『水戸黄門』とか『大岡越前』なんかとそう変わらないわけですが、ベタな設定でもシナリオ次第でここまで面白くなるという見本みたいな感じですね。

それで第17話の後半からはいよいよ北侠欧陽春が登場しますが、これについては次回ということにして、以下、今回のツッコミ所。

○妊婦が狙われていると知りながら、県内の妊婦の名簿すら作っていなかった中牟県の県令。……この手のドラマの地方官の無能さにはウンザリだorz

○包拯に変装したものの、公孫先生ごときに正体を見破られてしまう風婆婆。……何か今回のドラマ、公孫策がちゃんと仕事をしているんですが(^^;)

コメント (4)    この記事についてブログを書く
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4 コメント

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初めまして (サムず)
2012-09-14 05:11:13
ブログとても楽しいです(^-^)/私の周りに中国ドラマ見てる友達が居ないので、このブログを見つけてびっくりしました☆彡また読ませていただきますo(^▽^)o
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Unknown (さとうしん)
2012-09-14 20:57:49
>サムずさま
どうもはじめてまして!うちのブログがお気に召したようで幸いです。今後も今ぐらいのペースで更新していこうと思いますので、また見に来てやってくださいませ。
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Unknown (静香山人)
2020-02-08 19:49:47
公孫先生ごときにって・・・そんなキャラなんですか?ここらあたり小生は詳しくないのでよくわからないんですが。
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Unknown (さとうしん)
2020-02-08 20:49:05
公孫策、包青天シリーズではいてもいなくても一緒みたいな扱いですね。
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